賞味期限切れの牛乳は飲める?
賞味期限が切れた牛乳でも、期限を過ぎたという理由だけで直ちに飲めなくなるわけではありません。
賞味期限切れの牛乳を飲めるか考えるうえでは、まず「未開封か開封済みか」「賞味期限と消費期限のどちらが表示されているか」を確認することが大切です。
賞味期限は、未開封の状態で、表示された保存方法を守って保存した場合を前提として設定されています。そのため、一度開封した牛乳や、表示された方法で保存できていなかった牛乳には、その期限表示は当てはまりません。
ここからは、未開封・開封後・消費期限切れの3つに分けて考え方を説明します。
未開封なら賞味期限切れでもすぐ飲めなくなるわけではない
未開封で表示された保存方法を守っている牛乳であれば、賞味期限を1日過ぎたからといって、直ちに飲めなくなるわけではありません。
ただし、これは「未開封なら賞味期限を過ぎても必ず飲める」という意味ではありません。
たとえば、未開封でも長時間常温に置かれていた場合は、賞味期限を設定した際の保存条件から外れています。未開封であることだけではなく、表示どおりに保存できていたことが前提になります。
開封後は賞味期限の日付にかかわらず早めに飲み切る
一度開封した牛乳には、パッケージに表示されている賞味期限は当てはまりません。
賞味期限や消費期限は未開封を前提としているため、たとえば賞味期限が5日後の牛乳を今日開封したからといって、「あと5日間は飲める」とは考えないようにしましょう。
開封すると、注ぎ口などを通じて外部から微生物が入り込む可能性があります。家庭によって冷蔵庫の温度や牛乳を室温に出している時間なども異なるため、開封後に何日もつかを一律に決めることはできません。
メーカーによっては「開封後2~3日程度」を目安として案内している例もありますが、すべての牛乳について安全性を保証する期間ではありません。開封後は、できるだけ早く飲み切りましょう。
「消費期限」が切れている牛乳は飲まない
牛乳のパッケージには、賞味期限ではなく「消費期限」が表示されている場合もあります。
賞味期限が「品質が保たれ、おいしく飲める期限」であるのに対し、消費期限は、未開封で表示された保存方法を守った場合に安全に飲食できる期限です。低温殺菌牛乳などには消費期限が表示されているものがあります。
安全に飲食できる期限を過ぎているため、消費期限を過ぎた牛乳は飲むのを避けましょう。
なお、消費期限も未開封で適切に保存していることが前提です。一度開封した場合は、表示された期限にかかわらず早めに飲み切る必要があります。
賞味期限切れの牛乳は何日まで飲める?
賞味期限切れの牛乳について、「○日までなら飲める」という一律の基準はありません。
「1日くらいなら大丈夫」「3日なら飲める」と日数だけで判断したくなるかもしれませんが、同じように賞味期限を過ぎた牛乳でも、保存状態などによって品質の変化は異なります。
賞味期限を過ぎても直ちに飲めなくなるわけではない一方、その後に飲めるかどうかは、経過日数だけでは決められません。日数ごとの考え方を整理すると、以下のとおりです。
賞味期限からの経過 | 考え方 |
|---|---|
1日程度 | 未開封で適切に保存していた場合、1日過ぎたという理由だけで直ちに飲めなくなるとは限らない |
2~3日程度 | 「2~3日なら飲める」と一律には判断できない。保存状態なども踏まえて慎重に判断する |
1週間程度 | 1週間後まで飲めることを示す共通の基準はない。保存状態に少しでも不安があれば無理に飲まない |
「1日なら安全」「3日を過ぎたら危険」といった明確な基準があるわけではありません。
期限からの日数が短いから安全とは限らず、反対に、未開封だから長期間飲めるとも判断できません。賞味期限を過ぎた牛乳については、特定の日数を安全の目安として考えないことが大切です。
賞味期限切れの牛乳を飲むと危険?考えられるリスク
賞味期限が切れた牛乳を飲んだからといって、必ず体調を崩すわけではありません。
しかし、保存状態が悪かったり、開封後に時間が経過したりすると、牛乳に微生物が混入・増殖する可能性があります。
食中毒の原因となる微生物が増殖した牛乳を飲んだ場合、原因によって異なりますが、下痢や腹痛、吐き気、嘔吐、発熱などの症状が現れることがあります。
また、食品の腐敗と食中毒菌の増殖は同じものではありません。食中毒の原因となる微生物が存在していても、必ずしも見た目やにおい、味に明確な変化が現れるとは限りません。
そのため、安全性に不安がある牛乳を「見た目は普通だから」と無理に飲むことは避けましょう。
飲まないほうがよい牛乳の見分け方
牛乳に明らかな変化がみられる場合は、賞味期限内であっても飲むのを避けましょう。
牛乳が変質していると考えられる主な状態は以下のとおりです。
確認するポイント | 飲まないほうがよい状態 |
|---|---|
見た目 | ・液体が分離している |
状態 | ・普段よりとろみがあるなど、明らかな変化がある |
におい | ・普段の牛乳とは異なるにおいがする |
加熱したとき | ・分離する |
このような変化がみられた牛乳は、飲用や料理への使用を避けてください。
酸味や苦味も牛乳の変質によって生じる場合がありますが、傷んでいる可能性がある牛乳を、安全確認のためにあえて口にして味見することはおすすめしません。見た目やにおいの段階で異常を感じた場合は、その時点で飲むのをやめましょう。
なお、これらは「飲まないほうがよい牛乳」を見分けるための目安です。異変が確認できないことが、安全性を保証するわけではありません。
牛乳を安全に保存するためのポイント
牛乳をできるだけ品質のよい状態で保つには、パッケージに表示された保存方法を守り、温度が上がる時間をできるだけ短くすることが大切です。
一般的な要冷蔵の牛乳では、「10℃以下」などの保存条件が表示されています。家庭では、以下の点を意識しましょう。
- 購入後はできるだけ早く冷蔵庫に入れる
- 飲む分だけコップに注ぎ、残りはすぐに冷蔵庫へ戻す
- 牛乳を室温に長時間置いたままにしない
- 容器に直接口をつけて飲まない
- 注ぎ口を手や口などで触らないようにする
- 開封後は賞味期限にかかわらず早めに飲み切る
特に、必要な分を注いだあとは、牛乳を食卓に置いたままにせず、早めに冷蔵庫へ戻しましょう。
また、牛乳パックに直接口をつけると、口の中の微生物が牛乳に入り込む可能性があります。飲み切らない場合は、コップに移して飲むようにしてください。
賞味期限切れの牛乳は加熱すれば飲める?
賞味期限が切れた牛乳は、加熱すれば必ず安全に飲めるようになるわけではありません。
加熱によって牛乳の品質が元に戻るわけではなく、傷んでいる可能性がある牛乳を「加熱するから大丈夫」と考えて飲用や料理に使うことはおすすめできません。
賞味期限が近い牛乳を、品質に問題がないうちにシチューやスープなどで早めに使い切ることとは分けて考えましょう。
一度常温に置いた牛乳は冷蔵庫に戻せば飲める?
一度常温に置いた牛乳は、冷蔵庫に戻せば必ず安全に飲めるわけではありません。
要冷蔵の牛乳は基本的に10℃以下での保存が前提です。常温に置くと牛乳の温度が上がり、微生物が増殖しやすくなります。
また、一度温度が上がった牛乳は、冷蔵庫に戻してもすぐに冷えるわけではありません。明治によると、牛乳を室温に30分置いた場合、11℃まで温度が上がり、その後冷蔵庫に戻して7℃以下になるまで3時間以上かかった例があります。
常温に長時間置いていた場合や、どのくらいの時間置いていたかわからない場合は、飲むのを避けるのが安全です。
賞味期限切れの牛乳を飲んでしまった場合はどうすればいい?
賞味期限切れの牛乳を飲んだからといって、必ず体調を崩すわけではありません。まずは体調に変化がないか確認しましょう。
下痢や腹痛、嘔吐、発熱などの症状が出た場合は、水分をとり、医療機関への相談を検討してください。
食中毒が疑われる場合、飲食した食品やその包装などが残っていれば、原因を調べる手がかりになることがあります。
特に、嘔吐が続いて水分をとれない、激しい腹痛がある、血便が出るなどの症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
まとめ
賞味期限切れの牛乳は、期限を過ぎたという理由だけで直ちに飲めなくなるわけではありません。
ただし、未開封かどうか、適切に保存できていたか、牛乳に異変がないかなどを確認する必要があります。また、賞味期限から「○日までなら安全」とする一律の目安はありません。
開封後は早めに飲み切り、保存状態に不安がある場合や、分離・塊・普段と異なるにおいなどがみられる場合は、無理に飲まないようにしましょう。