中性脂肪を下げる食べ物ランキング
ここでは、中性脂肪を下げる食べ物をランキング形式で解説していきます。食品群ごとで順位をつけ、各見出しでは具体的な食品を紹介します。
まずは中性脂肪を下げる食べ物のランキングをご確認ください。
1位 サバ・イワシなどの青魚
中性脂肪を下げる食べ物ランキングの1位は、サバ・イワシなどの青魚です。
EPA・DHAは、サバやイワシ、サンマなどの脂に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸です。中性脂肪は、食事から摂った脂質だけでなく、余った糖質などを材料として肝臓でもつくられます。
EPA・DHAは魚の脂に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸です。日本動脈硬化学会の「ASCVD予防と治療のための日本食パターンのテキストブック」では、魚油由来のn-3系多価不飽和脂肪酸を増やすと、肝臓で中性脂肪が作られる量が抑えられる一方、血液中の中性脂肪を分解する働きや、脂肪酸をエネルギーとして使う働きが高まり、TG(中性脂肪)が低下すると説明されています。
つまり、含まれるEPA・DHAが中性脂肪が作られる量を抑え、処理される量を増やす方向に働くため、青魚は中性脂肪を下げる食べ物として真っ先に検討するべきと言えるのです。
【中性脂肪を下げる青魚の例】
- サバ
- イワシ
- サンマ
- アジ
- ブリ
2位 大麦・オートミール・玄米などの未精製穀類
中性脂肪を下げる食べ物ランキングの2位は、大麦・オートミール・玄米などの未精製穀類です。
大麦・オートミール・玄米などの未精製穀類は、食物繊維を多く摂りやすい食品です。なかでも大麦やオートミールには、水に溶ける食物繊維の「β-グルカン」が多く含まれています。
大麦やオートミールに多い水溶性食物繊維には、中性脂肪の低下に役立つとの報告があります。普段の主食を大麦やオートミールなどに置き換えて食物繊維を増やすことで、中性脂肪対策の一つにつながることから未精製穀類を評価しました。
- 大麦・もち麦
- オートミール(オーツ麦)
- 玄米
なお、日本動脈硬化学会は、血清脂質の改善を目的として、特に食物繊維の豊富な大麦やオーツ麦などの穀物を、総エネルギー摂取量が過剰にならない範囲で取り入れることを提案しています。
そのため、大盛りの白米をそのまま大盛りの玄米に替えるのではなく、まず主食量を適量に戻し、その一部を麦ごはんや玄米、オートミールなどへ置き換えるように活用するのがよいでしょう。
3位 野菜・海藻・きのこ
中性脂肪を下げる食べ物ランキングの3位は、野菜・海藻・きのこです。
これらも、食べるだけで中性脂肪を直接下げる食品というより、食事全体の摂取エネルギーや主食・主菜の偏りを調整しやすいことから間接的に中性脂肪を下げることにつながる点を評価しています。
野菜・海藻・きのこを副菜として取り入れると、食物繊維を摂りやすくなるだけでなく、主食や脂の多い主菜だけで満腹にする食べ方を避けやすくなります。中性脂肪は摂取エネルギーや糖質が過剰な状態でも上がりやすいため、こうした食品を使って食事全体を組み替えることが高TG対策につながります。
- ブロッコリー、小松菜、キャベツなどの野菜
- わかめ、ひじきなどの海藻
- しめじ、えのきなどのきのこ
なお、「野菜を増やせば中性脂肪が直接下がる」と断定できるわけではありません。日本動脈硬化学会「ASCVD予防と治療のための日本食パターンのテキストブック」でも、野菜・果物を増やした研究でTGが低下した結果がある一方、改善がみられなかった研究もあり、結論は一致していないのが実情です。
そのため、野菜は中性脂肪を下げる薬のように考えるのではなく、毎食の副菜として取り入れ、主食の食べ過ぎや高エネルギーなおかずへの偏りを減らすために活用するのが適切です。
4位 無塩ナッツ
中性脂肪を下げる食べ物ランキングの4位は無塩ナッツです。
- 無塩アーモンド
- 無塩くるみ
- 無塩カシューナッツ
ナッツ類についてはTGが小幅に低下したという報告があり、中性脂肪との関係は野菜や未精製穀類より直接的な研究もあります。それでも4位としたのは、ナッツは少量でもエネルギーが高く、「健康によいから」と普段のお菓子に追加して食べると、総摂取エネルギーが増えて逆効果になり得るためです。
間食でスナック菓子やクッキーを食べることが多い人が、その一部を少量の無塩ナッツへ替える、といった使い方が向いています。
5位 納豆・豆腐などの大豆製品
中性脂肪を下げる食べ物ランキングの5位は、納豆・豆腐などの大豆製品です。
- 納豆
- 豆腐
- 厚揚げ
- 無調整豆乳
大豆製品そのものが中性脂肪を直接下げるという根拠は明確ではありませんが、脂身の多い肉料理などの置き換え先として使いやすい食べ物である点を評価しています。
たとえば肉料理の一部を豆腐や納豆へ替えれば、たんぱく質を確保しながら、食事全体のエネルギーや脂質のとり方を調整しやすくなります。
つまり、大豆製品は「納豆を食べればTGが下がる」という食品ではなく、中性脂肪を上げやすい食生活を組み替えるための食品として考えておくのがよいでしょう。
中性脂肪を下げたいなら「食べるもの」だけでなく「減らすもの」も重要
中性脂肪は、脂っこい食べ物だけで上がるわけではありません。中性脂肪が高くなる要因には、エネルギー量の摂り過ぎに加え、甘いもの、酒、油もの、糖質の摂り過ぎが挙げられます。
そのため、中性脂肪を下げる食べ物を食べも、甘い飲み物やお菓子を毎日多く摂る、主食を大盛りにする、飲酒量が多いといった習慣が残っていれば、食事全体としては改善しにくくなります。
ここからは、中性脂肪を下げるために食べる量を減らすべきものについて紹介していきます。
甘い飲み物・お菓子
甘い飲み物やお菓子は、中性脂肪が高い人がまず見直したいものの一つです。
糖質を必要以上に摂ると、エネルギーとして使い切れなかった分の一部は中性脂肪として蓄えられます。特に、次のような飲み物は食事とは別に糖質を摂りやすいため注意が必要です。
- 清涼飲料水
- 加糖コーヒー
- 加糖カフェラテ
これらを日常的に飲んでいる場合は、水や無糖のお茶、無糖コーヒーなどへ替えると、日常的に摂っている糖質を減らしやすくなります。
お菓子も完全に禁止する必要はありません。食べる回数や量が多い場合に、頻度を減らす、量を小さくする、間食の一部を無塩ナッツなどへ置き換えると考えましょう。
ご飯・パン・麺類の食べ過ぎ
ご飯、パン、麺類は重要なエネルギー源であるため、中性脂肪を下げたいからといって完全に抜く必要はありません。むしろ、見直したいのは、必要以上の量を食べていないかです。
次のような食べ方は、糖質と総摂取エネルギーが増えやすくなります。
- ご飯を大盛りにする
- ラーメンとチャーハンなど、主食を重ねて食べる
- 一度にパンを何個も食べる
中性脂肪を下げたい場合にはまず普通盛りに戻す、主食を重ねないといった調整を優先しましょう。そのうえで、白米の一部を麦ごはんにするなど、主食の質も見直すと食物繊維を取りやすくなります。
アルコール
中性脂肪が高い人は、アルコールの量と頻度も確認してください。日本動脈硬化学会は、TG高値ではアルコールの制限が有効としています。
また、飲酒時は、中性脂肪を上げやすい次のような食品も一緒に摂取しやすくなるため注意が必要です。
- 揚げ物
- 脂の多いつまみ
- 締めのラーメンやご飯
その結果、総摂取エネルギーも多くなりがちです。酒の種類だけでなく、飲む量・頻度・一緒に食べるものまで見直しましょう。
果物・果汁飲料の摂り過ぎ
果物はビタミンやミネラル、食物繊維を含むため、一律に避ける必要はありません。一方、次のような摂り方には注意が必要です。
- 生の果物を一度に多く食べる
- 果汁飲料やジュースを多く飲む
- シロップ漬けの果物缶詰を多く食べる
こうした摂り方が続くと、高トリグリセライド血症(血液中の中性脂肪が上昇した脂質異常症の状態)につながることがあります。
厚生労働省は、生の果物は適量を取り入れつつ、加工食品やジュースなどの大量摂取を控えるよう案内しています。果物を食べる場合は、ジュースでまとめて摂るより、生の果物を適量食べる方が食事量を把握しやすくなります。
揚げ物・脂身の多い肉
揚げ物や脂身の多い肉は、少量でもエネルギー量が高くなりやすいため、食べる量と頻度に注意が必要です。食べ過ぎが続けば、総摂取エネルギーが増え、中性脂肪が高くなる一因になります。
なお、肉の脂身などに多い飽和脂肪酸は、特にLDLコレステロールや動脈硬化性疾患のリスクとの関係で注意される脂質です。「脂を食べると、そのまま血液中の中性脂肪になる」と単純に考えるのではなく、中性脂肪では総摂取エネルギー、糖質、アルコールなども一緒に見る必要があります。
中性脂肪対策は「足す」より「置き換える」と考える
中性脂肪を下げたいときは、健康によさそうな食品を今の食事へ追加するより、「中性脂肪を上げる食べ物を減らして、何に替えるか」で考えるのがよいでしょう。
たとえば、夕食に肉料理を食べたうえでサバ缶を追加すると、EPA・DHAは摂れても食事量やエネルギー量は増えます。肉料理の一部を魚料理へ替える、甘い飲み物を無糖飲料へ替えるなど、総量を増やさずに組み替えるのがポイントです。
中性脂肪を下げたいときの食事例
中性脂肪を下げたいときの食事は、メニューをそのまま真似するより、「何を減らし、何に替えたか」を見ると自分の食生活へ応用しやすくなります。ここでは、よくある食事をどう組み替えるかを例に紹介します。
朝食
朝食の見直し例は次のとおりです。
- 見直し前:菓子パン+甘いカフェラテ
- 見直し後:適量のご飯+納豆や豆腐+野菜のおかず+無糖飲料
ここで大切なのは、中性脂肪を下げることに期待できる納豆を追加したことだけでなく、菓子パンと甘い飲み物に偏った朝食を、主食量を調整しながら、たんぱく質源と副菜のある食事へ組み替えることです。
パンを食べる場合も、菓子パンを毎日選ぶのではなく、量を決めたパンに卵や無糖ヨーグルト、野菜などを組み合わせるとよいでしょう。
昼食
昼食の見直し例は次のとおりです。
- 見直し前:ラーメン+半チャーハン+加糖飲料
- 見直し後:麺類+野菜やたんぱく質のおかず+無糖飲料
昼食では、主食を重ねないことがポイントです。
ラーメンにチャーハンを付けるような組み合わせを避け、飲み物も無糖にすると、糖質と総摂取エネルギーを抑えやすくなります。
定食を選べるなら、焼き魚などの主菜と副菜が付くものを選び、ご飯を大盛りにしない方法もあります。「魚を食べたか」だけでなく、主食の量や飲み物まで一緒に見ることが大切です。
夕食
夕食の見直し例は次のとおりです。
- 見直し前:脂身の多い肉料理や揚げ物
- 見直し後:サバ、イワシ、ブリなどの魚料理
夕食では、魚料理を追加するのではなく、脂身の多い肉料理や揚げ物と主菜そのものを入れ替えることが重要です。食事量を増やさずに、EPA・DHAを含む魚を取り入れやすくなります。
飲酒が習慣になっている場合は、主菜を魚に替えただけで安心しないようにしてください。酒量やつまみ、夜食が多ければ、中性脂肪を上げる要因が残ります。
中性脂肪が高い人が食事以外で見直したい生活習慣
中性脂肪は食事だけで決まるわけではなく、運動不足や体重増加も高値に関係します。また、喫煙は中性脂肪の値とは別に、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高めます。
そのため、中性脂肪を下げたいときには食事とあわせて生活習慣の見直しも大切です。
有酸素運動を習慣にする
厚生労働省「脂質異常症を改善するための運動」では、脂質異常症の改善のために、有酸素運動を中心に1日合計30分以上行うことを勧めています。ウォーキングや速歩、サイクリングなど、続けやすい運動から始めるとよいでしょう。
30分を一度に行う必要はなく、短時間の運動を数回に分けても構いません。大切なのは、一度だけ頑張ることではなく、日常的に体を動かすことです。
体重が増えている場合は適正体重を目指す
最近体重が増えているなら、特定の食品を選ぶ前に、食べる量と活動量を確認しましょう。摂取エネルギーが消費量を上回る状態が続くと、余ったエネルギーは脂肪として蓄えられます。
短期間で大幅に減量する必要はありません。大盛りを普通盛りにする、甘い飲み物を無糖にする、歩く時間を増やすなど、続けやすい行動から始めましょう。
喫煙している場合は禁煙する
禁煙は中性脂肪を直接下げる方法ではありません。
ただし、脂質異常症がある人が最終的に防ぎたいのは、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患です。喫煙はそのリスクを高めるため、禁煙も重要です。
中性脂肪の数値だけを見るのではなく、食事、運動、体重、喫煙などをまとめて見直すことが、血管の健康を守ることにつながります。
健康診断で中性脂肪の高値を指摘され、再検査や受診を勧められている場合は、食事だけで自己判断せず指示に従ってください。生活習慣以外の要因が関係していることもあります。
- コンビニの弁当は中性脂肪が高いですか?
コンビニ弁当だからといって、一律に「中性脂肪が上がりやすい」とは限りません。注意したいのは、弁当の種類よりも、1食当たりのエネルギーや糖質、脂質の量と、実際にどれだけ食べるかです。
たとえば、ご飯が多い弁当に揚げ物が重なり、さらに甘い飲み物まで付けると、糖質と総摂取エネルギーが多くなりやすくなります。厚生労働省「脂質異常症」でも、中性脂肪が高くなる要因としてエネルギー量の摂り過ぎ、甘いもの、酒、油もの、糖質の摂り過ぎを挙げています。
コンビニで選ぶなら、栄養成分表示の「1包装当たり」を確認し、ご飯の量、揚げ物の有無、副菜の量、飲み物まで含めて考えましょう。焼き魚や大豆製品などの主菜、野菜・海藻の副菜、無糖飲料を組み合わせると調整しやすくなります。
- 中性脂肪を下げるために食べ物以外で何を気をつけるべきですか?
食事以外では、運動不足と体重増加を見直すことが重要です。中性脂肪は、摂取したエネルギーを使い切れない状態でも高くなりやすいため、食事量だけでなく消費する側も増やす必要があります。
厚生労働省は、中強度以上の有酸素運動を中心に、1日合計30分以上を目標に続けることを勧めています。ウォーキングや速歩、サイクリングなど、続けやすい運動から始めるとよいでしょう。体重が増えている場合は、食事と運動の両方を見直します。
また、喫煙は中性脂肪を直接下げる話とは別ですが、動脈硬化性疾患のリスクを高めます。中性脂肪の数値だけでなく、運動、体重、喫煙などを含めて生活習慣全体を見直すことが大切です。
- 中性脂肪を下げる飲み物はありますか?
「これを飲めば中性脂肪が下がる」といえる特定の飲み物を探すより、中性脂肪を上げやすい飲み物を減らす方が重要です。
厚生労働省は、中性脂肪が高い人では砂糖入りのソフトドリンクを飲む習慣が多い傾向があるとし、甘いものや酒の摂り過ぎを見直すよう示しています。毎日ジュースや加糖コーヒーを飲んでいる場合は、水や無糖茶へ置き換えるだけでも余分な糖質を減らせます。
アルコールについても、糖質ゼロかどうかだけで判断せず、飲む量と頻度を確認してください。中性脂肪対策では「何を飲めば下がるか」より「何を減らすか」で考える方が実践的です。
まとめ
中性脂肪を下げる食べ物としては、EPA・DHAを含むサバやイワシなどの青魚を積極的に取り入れましょう。大麦・オートミール・玄米などの未精製穀類、野菜・海藻・きのこ、無塩ナッツ、大豆製品も、食物繊維を増やしたり、間食や主菜を見直したりする際に役立ちます。
大切なのは、これらの食品を今の食事に追加するのではなく、中性脂肪を上げやすい食べ方から置き換えることです。
例えば、脂身の多い肉料理の一部を青魚に、白米の一部を麦ごはんに、甘い飲み物を無糖飲料に替えるなど、普段の食事で続けやすい方法を選びましょう。主食の食べ過ぎや飲酒が多い場合は、量や頻度を減らすことも重要です。
食事とあわせて運動不足や体重増加も見直し、健康診断で再検査や受診を勧められている場合は、自己判断で済ませず指示に従ってください。