納豆の賞味期限が切れても食べられないわけではない
納豆は賞味期限が切れても、必ず食べられなくなるわけではありません。納豆のパックなどに記載されている賞味期限は、食品が腐敗して食べられなくなる日ではなく、おいしさなどの品質が保たれる期限だからです。
前提として食品に表示される期限には、「賞味期限」と「消費期限」があります。
一般的に市販されている納豆には、安全に食べられる期限を示す「消費期限」ではなく、「賞味期限」が表示されています。
納豆の賞味期限は、一定の条件で保存した際の味やにおい、粘り気などの変化を確認し、品質を保てる期間を踏まえて設定されます。こうした品質の変化は、賞味期限を境に突然起こるわけではありません。
そのため、賞味期限が切れたからといってすぐに納豆が腐敗するとは限らないのです。
ただし、納豆の賞味期限が切れてから長期間経過している場合には注意が必要です。時間の経過とともに品質は変化し、保存状態によっては有害な微生物が増殖するなど、食中毒のリスクが生じる可能性もあります。
そのため、当然ですが納豆は賞味期限内に食べきるのが基本です。賞味期限が切れてからも、時間がたつほど安全に食べられるとは判断しにくくなるため、長期間保存せず早めに取り扱いを判断することが大切です。
納豆の賞味期限切れは何日まで大丈夫?日数別の目安
納豆は賞味期限を数日過ぎても食べられる状態が保たれている場合がありますが、何日後まで安全に食べられるかについて、明確な基準はありません。
納豆は冷蔵保存していても、納豆菌や酵素の働きによって発酵が少しずつ進みます。そのため、保存期間が長くなるにつれて、アンモニア臭が強くなる、豆の色が濃くなる、粘り気が弱くなるといった品質の変化が生じることがあります。
こうした変化が現れる時期は保存温度や商品によって異なりますが、保存期間が長くなるにつれて発酵が進み、品質が変化していくという共通の傾向があります。
ここからは、納豆の賞味期限が切れてからの経過日数をあくまで目安として、期間ごとに注意したい納豆の変化とともに何日程度まで食べられるのかを解説していきます。
※以下の説明は、未開封の納豆を表示どおり10℃以下で冷蔵保存していた場合を前提とした一般的な目安です。常温で長時間放置した納豆などには当てはまらず、記載した日数まで安全に食べられることを保証するものではありません。
賞味期限切れから1〜4日経過した納豆
賞味期限を1〜4日過ぎた納豆でも、食べられる状態が保たれている場合があります。賞味期限を数日過ぎたからといって、納豆の品質が急激に悪くなるわけではないためです。
この期間では、普段と比べて見た目やにおい、粘り気などに大きな変化が見られない場合もあります。
このように、賞味期限切れから1〜4日過ぎても納豆の品質は大きく変わりづらいです。
一方、保存状態によっては期限切れから間もない段階でも発酵が進み、アンモニア臭が強くなるなどの変化が現れることがあります。
1〜4日程度なら必ず安全に食べられるというわけではありません。 見た目やにおいに変化がなくても安全性は保証されないため、期限後の喫食はおすすめしません。
賞味期限切れから5日〜1週間経過した納豆
賞味期限を5日〜1週間過ぎた納豆は、まだ食べられる状態が保たれている可能性はあるものの、発酵の進行による品質の変化に注意が必要です。
納豆は保存中も発酵が進むため、時間がたつにつれて本来の風味や食感が変化します。特に確認したいのは、次のような状態です。
表のような変化は、納豆の発酵が進むことで生じる場合もあるため、必ずしも腐敗しているとは限りません。
しかし、賞味期限を5日〜1週間過ぎた納豆は、すでに本来の風味や食感が損なわれている可能性があります。まだ食べられる状態である可能性はあるものの、品質が落ちていることも考えられるため、不安を感じた場合には無理に食べず処分することをおすすめします。
賞味期限切れから10日〜2週間経過した納豆
賞味期限を10日〜2週間過ぎた納豆は、食べずに処分することをおすすめします。
納豆は保存期間が長くなるほど、本来の風味や食感が失われていく場合があります。発酵が進みすぎると、豆の柔らかさや表面の状態にも変化が現れます。
アンモニア臭や粘り気の低下は、納豆菌による発酵が進みすぎた場合にも生じます。これらの変化自体が、必ずしも食中毒の危険性を示すわけではありません。
賞味期限を10日〜2週間過ぎた納豆は、食べられる状態が保たれている可能性はありますが、長期間の保存によって風味や食感が損なわれていることが考えられます。また、日数や外観だけでは安全性を保証できないため、食べずに処分することをおすすめします。
賞味期限切れから1か月程度経過した納豆
賞味期限を1か月程度過ぎた納豆は、食べずに処分してください。長期間の保存によって品質が大きく変化している可能性があるうえ、安全に食べられるかどうかも判断できないためです。
納豆は冷蔵保存していても、発酵の進行や水分の減少によって、次のような変化が生じることがあります。
アンモニア臭などの変化は、納豆菌による発酵が進んだ結果として生じるもので、それ自体が食中毒の危険性を示すわけではありません。ただし、表面にカビが現れる可能性があり、このような納豆には食中毒のリスクがあります。
食品の賞味期限は、製造者が保存試験などを基に設定しています。そこから1か月も経過した納豆については、安全に食べられると判断できる根拠がなく、外観が正常でも有害な微生物による汚染の可能性を否定できません。
そのため、賞味期限から1か月以上が経過した納豆は見た目に異常がなくても、処分することをおすすめします。
腐っている納豆の見分け方!食べない方がいい納豆の特徴
納豆が腐っているかを見分ける際は、カビの有無や普段と異なるにおい、粘り気、豆の状態などを確認しましょう。
納豆は保存中も納豆菌の働きによって発酵が進み、アンモニア臭が強くなったり、糸引きが弱くなったりする場合があります。こうした変化は、納豆菌による過剰発酵でも起こるため、食中毒の危険性を直接示すものではありません。
一方、カビが生えている場合などは、納豆菌以外の微生物による汚染が疑われます。
納豆に見られる主な変化と、食べるかどうかの判断を以下にまとめました。
ここからは、腐っている納豆の状態ごとでそれぞれの状態が起こる原因と、食べるのを避けた方がよい理由を解説していきます。
納豆からアンモニア臭・普段と異なるにおいがする
納豆から普段より強いアンモニア臭や異臭がする場合は、食べずに処分するようにしましょう。
納豆は発酵が進みすぎると、大豆のたんぱく質が分解され、アンモニア成分が増加します。その結果、ツンとした刺激臭や薬品のようなにおいが強くなることがあります。
においによる判断のポイントは、以下のとおりです。
前提として、アンモニア臭は納豆菌の働きによっても発生するため、強くなったからといって必ずしも納豆が腐敗しているわけではありません。しかし、納豆菌によるアンモニア臭が発生している場合には、品質が低下しており食用には適しません。
そのため、アンモニア臭が強くなった納豆は、腐敗の有無にかかわらず食べるのを避けましょう。
納豆の表面にカビが生えている
納豆の表面にカビが生えている場合は、賞味期限内であっても食べずに処分してください。カビは納豆を発酵させる納豆菌とは異なる微生物であり、食品が汚染されている可能性があるためです。
カビは種類によって、緑色や黒色、白色などさまざまな色をしています。豆の表面に普段とは異なる色の斑点や綿毛状のものが広がっている場合は、カビの発生が疑われます。
また、カビは目に見える部分だけに存在するとは限りません。カビの生えた部分を取り除いても、残りの納豆を安全に食べられるとは判断できないため、容器ごと処分しましょう。
白い菌膜やチロシンの結晶はカビとは異なる
納豆の表面にある白い綿状のものや、白い粒は、必ずしもカビではありません。納豆菌が作る菌膜や、アミノ酸の一種であるチロシンの結晶である場合があります。
納豆菌の菌膜は、製造時の発酵によって形成されるものです。新鮮な納豆にも見られるため、白い綿状のものが付いているだけで腐敗しているとは判断できません。
一方、チロシンの結晶は、納豆菌が大豆のたんぱく質を分解する過程で生じます。発酵が進んだ納豆に現れることがあり、食べるとジャリジャリとした食感になるのが特徴です。
白いものが菌膜やチロシンだと確認できれば、それ自体を理由に処分する必要はありません。ただし、正体を判断できない付着物がある場合は、カビの可能性も考えて食べないようにしましょう。
納豆が糸を引かない・水っぽくなっている
納豆を混ぜてもほとんど糸を引かず、水っぽくなっている場合は、腐敗や品質の異常が疑われるため、食べずに処分しましょう。
納豆の粘り気は、納豆菌が大豆の成分を利用して作るポリグルタミン酸などによって生まれます。通常は箸で混ぜたり豆を持ち上げたりすると糸を引きますが、状態が悪くなると、こうした粘り気が弱まることがあります。
特に、次のような状態が見られる場合は注意が必要です。
糸引きの低下は、納豆菌による発酵が進みすぎた場合にも起こるため、それだけで腐敗しているとは断定できません。
一方、糸をほとんど引かず、全体が水っぽくなっている場合は、腐敗の可能性も考えられます。普段の納豆とは明らかに異なる状態であれば、味見をせずに処分してください。
豆が崩れてドロドロになっている
豆の豆が崩れ、全体がドロドロになっている場合は、品質が大きく変化している可能性があるため、食べないようにしましょう。
納豆は発酵が進みすぎると、大豆の成分の分解が進み、豆の表面が溶けたようにドロドロになることがあります。
通常の納豆は混ぜると粘り気が出ますが、豆の形は保たれています。一方、豆の表面が崩れて溶けたようになっている場合は、発酵が過剰に進み、本来の食感が損なわれている可能性があります。
こうした変化は納豆菌の働きによっても起こるため、ドロドロしているだけで腐敗とは断定できません。しかし、豆が原形をとどめないほど崩れていたり、普段と大きく異なる状態になっていたりする場合は、無理に食べず処分しましょう。
賞味期限切れの納豆には食中毒のリスクがある?
賞味期限が切れたこと自体が原因で、納豆による食中毒が起こるわけではありません。食中毒は、食中毒の原因となる細菌やウイルスなどに食品が汚染され、それらを体内に取り込むことで発生します。
例えば、納豆を調理したり、ほかの食材と混ぜたりする際には、次のようなケースで食中毒が起こる可能性があります。
これらは食品の取り扱いによって起こり得る食中毒の例であり、賞味期限切れの納豆に特有のものではありません。賞味期限内であっても、食品が有害な微生物に汚染されれば食中毒が発生する可能性があります。
また、食中毒の原因となる細菌やウイルスが付着していても、見た目やにおいが変化しないことがあります。そのため、賞味期限切れの納豆に異常が見られなくても、安全に食べられるとは限りません。
賞味期限切れの納豆を食べた後に腹痛や下痢、嘔吐、発熱などの症状が現れた場合は、医療機関に相談しましょう。
賞味期限が切れそうな納豆の保存方法
納豆の賞味期限が切れそうな場合は、10℃以下で冷蔵保存して期限内に食べきるか、食べきれない分を冷凍保存しましょう。納豆は保存中も発酵が進む食品ですが、温度を低く保つことで発酵の進行を抑え、品質の変化を遅らせることができます。
ここからは、冷蔵保存と冷凍保存それぞれの方法を解説します。
納豆を10℃以下で冷蔵保存して早めに食べる
納豆は購入後すぐに冷蔵庫へ入れ、10℃以下の環境で保存して、賞味期限内に食べきりましょう。
納豆には生きた納豆菌が含まれており、10℃を超える環境では納豆菌の活動が活発になり、発酵が進みやすくなります。その結果、アンモニア臭が強くなる、豆の色が濃くなる、粘り気が弱くなるといった品質の変化が生じることがあります。
そのため、納豆を保存する際は以下の点を守りましょう。
- 購入後は常温で放置せず、すぐに冷蔵庫へ入れる
- 食べる直前まで冷蔵庫で保存する
- 未開封の状態で保存し、パッケージに記載された賞味期限内に食べきる
冷蔵保存は発酵の進行を抑えるためのものであり、賞味期限を延ばす方法ではありません。 冷蔵庫に入れているからといって長期間保存せず、期限内に食べきることが大切です。
賞味期限内に食べきれない納豆は冷凍保存をする
賞味期限内に食べきれない納豆は、冷凍保存することで発酵の進行を抑え、品質を保ちやすくなります。
納豆は冷蔵庫で保存していても発酵が少しずつ進み、時間の経過とともにアンモニア臭が強くなったり、粘り気が弱くなったりすることがあります。一方、冷凍すると納豆菌の活動が大幅に抑えられるため、こうした品質の変化を遅らせることができます。
納豆を冷凍保存する際は、以下の手順で行いましょう。
- 1. 賞味期限内の未開封の納豆を用意する
- 2. 容器ごと密封できる保存袋に入れ、空気をできるだけ抜いて冷凍庫へ入れる
- 3. 食べる前日に冷蔵庫へ移し、自然解凍する
- 4. 解凍後は再冷凍せず、早めに食べきる
なお、冷凍によって豆が柔らかくなったり、風味が変化したりする場合があります。また、冷凍中も品質を無期限に保てるわけではないため、なるべく早めに食べきりましょう。
ひきわり納豆が賞味期限切れになった場合は食べられますか?
ひきわり納豆も、賞味期限を過ぎたからといって、すぐに食べられなくなるわけではありません。ただし、粒納豆と比べて発酵による品質変化が現れやすい特徴があります。
ひきわり納豆は、大豆の皮を取り除き、細かく砕いてから発酵させたものです。粒納豆よりも大豆の成分が分解されやすいため、保存中も発酵が進みやすい傾向があります。
特に見られやすいのが、豆の表面に白い粒が現れる変化です。これは大豆のたんぱく質が分解されてできたアミノ酸「チロシン」の結晶で、食べるとジャリジャリとした食感になります。チロシン自体に有害性はなく、白い粒があるだけで腐敗しているとはいえません。
ひきわり納豆が粒納豆より早く食中毒を起こしやすくなるという意味ではありません。賞味期限切れから何日まで食べられるかという基準もないため、品質が変化しやすいことを踏まえ、期限内に食べきることをおすすめします。
賞味期限切れの納豆は加熱すれば食べられますか?
賞味期限切れの納豆を加熱しても、必ず安全に食べられるようになるわけではありません。
加熱によって一部の食中毒原因菌を死滅させることはできますが、細菌が作り出した毒素の中には、加熱しても分解されにくいものがあります。例えば、黄色ブドウ球菌が作るエンテロトキシンという毒素は熱に強く、通常の加熱調理では十分に分解されません。
そのため、賞味期限切れの納豆を炒め物や味噌汁などに使用したとしても、食中毒の危険性を完全になくせるわけではありません。保存状態に問題があった納豆や、カビなどの異常が見られる納豆は、加熱せずに処分してください。
開封済みで賞味期限が切れた納豆は食べられますか?
開封済みで賞味期限も切れている納豆は、食べずに処分することをおすすめします。
賞味期限は、未開封の状態で表示された保存方法を守った場合に、品質が保たれる期限です。開封した時点で、その期限をもとに食べられるかどうかを判断することはできなくなります。
また、開封後は箸や手指などを介して雑菌が付着する可能性があり、未開封の納豆とは保存中の衛生状態が異なります。
開封した納豆は、賞味期限まで日数が残っていても、できるだけ早く食べきりましょう。食べ残した納豆を長期間保存することは避けてください。
まとめ
納豆は賞味期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。しかし、何日後まで安全に食べられるかという明確な基準はなく、経過日数だけで判断することはできません。
保存期間が長くなると、アンモニア臭が強くなる、豆の色が濃くなる、粘り気が弱くなるなどの品質変化が生じる場合があります。
これらの変化は納豆菌による発酵の進行でも起こるため、必ずしも腐敗を意味しません。一方で、見た目やにおいに異常がなくても、安全性が保証されるわけではありません。
納豆は10℃以下で冷蔵保存し、賞味期限内に食べきることを基本としましょう。期限内に食べきれない場合は、あらかじめ冷凍保存しておくのがおすすめです。