ノロウイルス検査の種類や検査方法の違いについて

飲食店や介護施設などで勤務しているスタッフが嘔吐や下痢などの症状がある時、ノロウイルスに感染していないか心配になります。
感染確認のために検査をご依頼することもあるかと思いますが、ノロウイルスの検査方法には「どんな種類があるのか、どの検査方法を選べばいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
ノロウイルス検査は、用途によって使い分ける必要があり、用途を間違えると検査をしていてもノロウイルスによる食中毒が起こってしまう可能性があります。
こちらのコラムでは、主なノロウイルス検査の用途や違いについて解説します。
ノロウイルス検査の種類は、遺伝子検査と抗原検査に分けられます。
まず、遺伝子検査にはリアルタイムRTーPCR法があり、特定の遺伝子を100万倍にも増やすことができる検査です。
ノロウイルス検査の中で最も検査感度の高い検査方法で、感染初期の少ないウイルス量でも検出できるため、二次感染予防を目的とした定期検査で用いられます。また、ウイルス量も調べられることからウイルス量のモニタリングに用いることができる検査方法です。
次に抗原検査として、イムノクロマト法とエライザ法があります。
これらの方法は、ノロウイルス抗原を検出する検査方法です。
イムノクロマト法は、専用の機械や設備などが必要なく15分程で行える簡便性から主に医療機関で用いられています。
短い時間で検査を行うことができますが、感染初期にはノロウイルスを検出できない可能性があることに注意が必要です。用途は、嘔吐や下痢などの症状がある時にすぐ結果が知りたい場合に使用します。
また、エライザ法はイムノクロマト法と同様にノロウイルス抗原を検出する検査方法です。
検出感度はイムノクロマト法と同等のため、感染初期の検査には不向きと言えます。
ウイルス量を調べることができますが検査を行う人によって検査結果にバラツキが出やすいため、検査技術の習得に時間が必要です。また、他の検査方法よりも検査時間がかかるため医療機関や民間の検査機関ではあまり行われていない検査方法になります。
 
このようにノロウイルス検査には種類があり、用途が異なります。
二次感染の予防を目的とするならリアルタイムRTーPCR法。
下痢や嘔吐などの症状がある場合はイムノクロマト法。
ノロウイルスの検査を行う際には、検査を行う目的によって検査方法を使いわけましょう。
 

ノロウイルス検査方法の種類と感度について

検査方法検出感度検出対象検査時間
リアルタイムRT-PCR法高感度遺伝子約 60分
イムノクロマト法低感度抗原約 15分
エライザ法低感度約 90分

ノロウイルス検査方法は、主に3種類あります。
 

リアルタイムRT-PCR法

ノロウイルス遺伝子を対象とする検査方法です。PCR法を原理としていて、1gの糞便の中にノロウイルス遺伝子が10個程あれば検出できる検出感度の高い検査方法になります。大量調理施設衛生管理マニュアルで推奨されている検査方法になるため、学校給食、飲食店、福祉施設、保育園、宿泊施設、などで調理に従事される方の二次感染の予防に適しています。

リアルタイムRT-PCR法はこんな時におすすめ

  • 飲食店や調理施設などで働く調理スタッフの定期検査
  • 職場や家庭内でノロウイルス感染が起きたとき
  •  

    イムノクロマト法

    主に医療機関で用いられることが多い検査方法です。イムノクロマト法は、妊娠検査キットやインフルエンザ検査キットと同じ原理で、検査キットに現れる線を判定する簡易検査です。15分程で検査を行うことができますが、ノロウイルスを検出するためには、1gの糞便の中にノロウイルスが106個(100万個)以上必要になるため、感染初期の方や自覚症状のない方の場合、ノロウイルスを検出できない可能性があります。

    イムノクロマト法はこんな時におすすめ

  • 嘔吐や下痢などの症状があるとき
  •  

    エライザ法

    イムノクロマト法と同様にノロウイルスに対する特殊な抗体を使用して、ノロウイルス感染を視覚的に判定する方法になります。検査の感度は、イムノクロマト法と同等ですが、検査時間は、90分程かかる検査方法となります。主に研究機関で行われることが多い検査方法です。
     

    ノロウイルスの検査の種類ごとの費用について

    検査方法検査費用(目安)
    医療機関イムノクロマト法3,000円から4,000円 ※
    民間の検査機関リアルタイムRT-PCR法5,000円から15,000円
    イムノクロマト法5,000円から7,000円
    エライザ法5,000円ほど

    ※保険適用外の検査費用
     

    医療機関と民間の検査機関との違い

    医療機関は、嘔吐や下痢などの症状がある方を対象に検査を行うため、簡易的に行えるイムノクロマト法が用いられています。そのため、感染初期の方や自覚症状のない方の場合、ノロウイルスを検出できない可能性があります。また、検査費用が保険適用される条件には、年齢や基礎疾患の有無などの条件もあるため、多くの場合、保険適用外となります。
    民間の検査機関では、リアルタイムRT-PCR法を行うことが多く、検査費用は他の検査方法と比較するとやや高い傾向にありますが、少ない量のノロウイルスを検出できることから、嘔吐や下痢などの自覚症状のないノロウイルス感染者を見つけることができます。
     

    弊社のノロウイルス検査の特徴

    検査方法料金(税込)検査日報告方法
    リアルタイムRT-PCR法4,180円1~2営業日陽性(1+~3+)または陰性(-)
    イムノクロマト法2,750円2~5営業日陽性(+)または陰性(-)

     
    弊社では、「リアルタイムRT-PCR法」と「イムノクロマト法」からお選びいただけます。
    ノロウイルスの二次感染予防を目的とするなら「リアルタイムRT-PCR法」、嘔吐や下痢などの症状がある場合は、「イムノクロマト法」をお選びください。
    検査料金は、「リアルタイムRT-PCR法」は4,180円(税込)、「イムノクロマト」は2,750円(税込)で行っております。
    お選びいただく検査方法によって検査日や報告方法が異なります。
    「リアルタイムRT-PCR法」の検査日は、最短で当日検査に入らせていただきます。検査で陽性となった場合、弊社独自の方法で便の中にどのくらいのウイルス量があるか分かるように陽性(1+~3+)でご報告させていただきます。ウイルス量が分かるため、ノロウイルス感染による出勤停止期間の目安にご活用いただけます。
    「イムノクロマト法」の場合、陽性(+)または陰性(-)でご報告させていただきます。
    また、ノロウイルス検査で陽性(+)になった場合、お電話にてご報告させていただきます。
     

    ノロウイル検査のお申し込みはこちら

     
    13時までのお申込みで当日中に発送いたします。(土日、祝日を除く)
    お申し込み後、ご自宅に検査キットをお届けいたします。糞便の採取後、弊社まで冷凍便でご返送下さい。
    臨床検査のプロを中心に精度の高い検査結果をお安く、素早くご報告致しますのでぜひご依頼下さい。
     
    参考
    ノロウイルス検査
    >>ノロウイルス検査ページはこちら
     
     

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