マグネシウムが多い食品一覧をジャンル別に紹介
マグネシウムは、海藻類やナッツ・種実類、豆類・大豆製品、穀類、野菜、魚介類といった食品に多く含まれています。
特に乾燥海藻やナッツ・種実類は100gあたりのマグネシウム含有量が多いものの、一度に食べる量は比較的少ない食品です。一方、日常的によく食べられる納豆や玄米などにもマグネシウムが豊富に含まれており、普段の食事から摂取することができます。
ここからは、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を基に、マグネシウムが多い食品とその含有量を下記のジャンル別に紹介していきます。
- 海藻類
- ナッツ・種実類
- 豆類・大豆製品
- 穀類
- 野菜・果物類
- 魚介類
- その他の食品
海藻類
マグネシウムが多い食品には、海藻類が挙げられます。
海藻類にマグネシウムが多く含まれる理由の一つは、海水中のミネラルを取り込み、体内に蓄積する性質があるためです。海水にはマグネシウムをはじめとするさまざまなミネラルが含まれており、海藻はこれらを取り込みながら成長します。
海藻のなかでも、素干しのあおさは100gあたり3,200mgと特に多くのマグネシウムを含んでいます。
なお、表に掲載した食品の多くは乾燥した状態です。乾燥によって水分が減少すると、同じ100gあたりで比較した場合、マグネシウムの含有量が多くなります。
そのため、乾燥海藻の含有量を比較する際は、水戻し後の重量や実際に食べる量も考慮する必要があります。
ナッツ・種実類
マグネシウムが多い食品には、ナッツ・種実類が挙げられます。ナッツ・種実類では、かぼちゃの種やひまわりの種、ごま、アーモンドなどにマグネシウムが多く含まれています。
ナッツ・種実類にマグネシウムが多く含まれる理由には、植物の種子が発芽や成長に必要なミネラルを蓄えていることが関係しています。
マグネシウムは植物の成長に必要なミネラルの一つであり、種子の内部では、リンなどとともに貯蔵されています。種子に含まれるフィチン酸はマグネシウムなどのミネラルと結合し、発芽時に利用される栄養成分の貯蔵にも関わっています。
そのため、かぼちゃの種やごま、アーモンドなどは、マグネシウムの供給源となる食品です。
また、ナッツ類は調理せずに食べられるものが多く、間食として取り入れやすい特徴もあります。例えば、アーモンドを14g食べると、約43mgのマグネシウムを摂取できます。ごまも、大さじ1杯程度(9g)で約32mgを摂取できるため、ご飯や和え物などに加える方法があります。
ただし、ナッツ・種実類は脂質やエネルギーも多い食品です。マグネシウムを摂取するために大量に食べるのではなく、食事や間食に適量を取り入れることが大切です。
豆類・大豆製品
マグネシウムが多い食品には、豆類・大豆製品が挙げられます。豆類・大豆製品では、きな粉、いり大豆、油揚げ、納豆、豆腐などからマグネシウムを摂取できます。
豆類にマグネシウムが多く含まれるのは、種子の内部に発芽や成長に必要なミネラルが蓄えられているためです。大豆やいんげん豆、ひよこ豆などは、そのミネラルを含む食品として知られています。
また、豆類・大豆製品は、朝食や夕食の一品として取り入れやすいことから、マグネシウムを日常の食事で摂取したい場合には適しています。例えば、糸引き納豆は100gあたり100mgのマグネシウムを含み、1パック45gで45mgを摂取できます。
穀類
マグネシウムが多い食品には、穀類が挙げられます。穀類では、オートミールやそば、玄米などにマグネシウムが多く含まれています。
穀類では、マグネシウムが胚芽やぬか層などに多く分布しているため、精製度の低い食品ほど含有量が多くなる傾向があります。
例えば、玄米には胚芽やぬか層が残っていますが、精白米は精米の過程でこれらの部分が取り除かれます。そのため、玄米ごはんは100gあたり49mg、精白米ごはんは7mgと、マグネシウム含有量に差があります。
野菜・果物類
野菜の中でも、ほうれん草やしそなどの葉物野菜にマグネシウムは多く含まれています。この理由の一つは、光合成に必要な葉緑素(クロロフィル)の構成成分であるためです。
クロロフィルは中心にマグネシウムを含む構造をしており、植物が光合成を行ううえで重要な役割を担っています。
また、アボカドやバナナなどの果物にもマグネシウムが含まれます。バナナは可食部100gあたり32mgで、皮をむくだけで食べられるため、朝食や間食として取り入れやすい食品です。
魚介類
魚介類にマグネシウムが含まれるのは、魚や貝、エビなどにとっても、筋肉の働きやエネルギー代謝などに必要なミネラルだからです。 特に魚では骨やうろこ、筋肉などに、エビなどの甲殻類では殻にもマグネシウムが含まれています。
また、表に掲載した干しえびや煮干しなどは、殻や骨も含めて食べられる食品です。さらに、乾燥によって水分が減少しているため、100gあたりのマグネシウム含有量が多くなっています。
その他の食品
ココアやチョコレートにマグネシウムが含まれるのは、原料となるカカオ豆自体にマグネシウムが含まれているためです。一方、乾燥バジルやパセリ、インスタントコーヒーなどは、水分の少ない粉末状・乾燥状態であることが、100gあたりの含有量の多さに関係しています。
ただし、これらの食品は実際に1回で使用する量が数g程度の場合もあります。100gあたりの含有量が多くても、一度に多量のマグネシウムを摂取できるとは限らないため、使用量を踏まえて比較することが重要です。
マグネシウムが多い食品ランキング
ここからは、マグネシウムが多い食品をランキング形式で紹介していきます。
ランキングは、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に掲載されている、食品の可食部100gあたりのマグネシウム含有量を基に作成しています。
ただし、100gあたりの含有量が多くても、実際の食事で多くのマグネシウムを摂取できるとは限りません。例えば、乾燥海藻は100gあたりの含有量が多いものの、1回の食事で使用する量は数g程度の場合もあります。
マグネシウムが多い食品を探している方の中には、普段の食事に効率よく取り入れたいと考えている方もいるでしょう。
そこで、100gあたりの含有量に加えて、実際に食べる量を想定した「1食あたりの含有量」でもランキングを作成しました。それぞれを比較しながら、日々の食事に取り入れやすい食品を確認してみてください。
マグネシウムが多い食品ランキング【100gあたり】
100gあたりのマグネシウム含有量では、あおさやあおのり、乾燥わかめなどの海藻類が上位に入ります。
上位には乾燥海藻が多く、続いて種実類や乾燥した魚介類、ココアなどが並びます。
ただし、100gあたりのマグネシウム含有量には食品の水分量が大きく関係しています。乾燥食品は水分が少ない分、同じ100gでも多くの成分が含まれる傾向があります。
そのため、100gあたりの含有量が多い食品が、必ずしも1回の食事で多くのマグネシウムを摂取できる食品とは限りません。
マグネシウムが多い食品ランキング【1食あたり】
ここでは、実際の食事でどれくらいのマグネシウムを摂取できるのかを比較するため、1食あたりの含有量をランキング形式で紹介します。
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」には、食品100gあたりのマグネシウム含有量が掲載されていますが、1食あたりの含有量は示されていません。そこで今回は、各食品について1食で食べる量を想定し、100gあたりの含有量から1食あたりのマグネシウム含有量を下記の式で算出しました。
1食あたりのマグネシウム含有量(mg)=100gあたりの含有量(mg)×1食分の重量(g)÷100
例えば、100gあたり100mgのマグネシウムを含む納豆は、1パック45gとした場合、45mgを摂取できる計算になります。
これを踏まえて、1食当たりのマグネシウムが多い食品ランキングは下記のようになりました。
例えば、100gあたりのランキングで1位だったあおさは、1食分を2gとすると64mgです。
一方、100gあたり57mgの木綿豆腐は、150g食べると約86mgを摂取できます。玄米ごはんも、茶わん1杯150gで約74mgを摂取できます。
このように、マグネシウムを食品から摂取する際は、100gあたりの含有量だけでなく、実際に食べる量も考慮することが重要です。
マグネシウムは食品だけでなく飲み物にも含まれる
マグネシウムは、豆乳や牛乳、コーヒー、ココア、ミネラルウォーターなどの飲み物にも含まれています。
飲み物に含まれるマグネシウムの量は種類によって異なります。代表的な飲み物をコップ1杯程度の量で比較すると、以下のとおりです。
この中では、無調整豆乳が100gあたり25mgと比較的多く、コップ1杯200gで50mgのマグネシウムを摂取できます。
また、ピュアココアを5g使用した場合、ココアの粉末だけで22mgのマグネシウムを摂取できます。牛乳や豆乳で作れば、それぞれの飲料に含まれるマグネシウムも加わります。
一方、ミネラルウォーターに含まれるマグネシウムの量は、水源や製品によって異なります。硬度が高い水にはカルシウムやマグネシウムが多く含まれる傾向がありますが、硬度だけではマグネシウムの量を特定できません。
飲み物からマグネシウムを補給したい場合は、製品の栄養成分表示などで含有量を確認するとよいでしょう。
1日に必要なマグネシウムの摂取量は?
1日に必要なマグネシウムの量は、成人男性で330〜380mg、成人女性で270〜290mgが目安です。具体的な推奨量は、年齢や性別によって異なります。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上の男女について、以下の推奨量が設定されています。
例えば、30〜49歳では男性380mg、女性290mgが1日の推奨量です。
マグネシウムは体内のさまざまな酵素反応やエネルギー産生、筋肉・神経の働きに関わる栄養素であり、日常的に適切な量を摂取することが重要です。
ただし、推奨量は毎日必ずその数値を超えなければ健康に問題が生じるというものでもありません。日々の摂取量には変動があるため、継続的な食生活の中で必要量を満たすことを意識しましょう。
1日に必要なマグネシウムを摂取するためのメニュー例
マグネシウムは、玄米や納豆、そば、豆腐などを普段の食事に組み合わせることで、無理なく摂取量を増やせます。
例えば、以下のような献立であれば、主食・主菜・副菜を取り入れながら、1日に必要なマグネシウムの摂取量を満たすことができます。
このメニュー例では、30〜49歳の男性の推奨量380mgと、女性の推奨量290mgを上回る計算になります。
ただし、マグネシウムの推奨量を満たすことだけを目的として、毎日同じ食品を食べる必要はありません。
例えば、主食の一部を玄米に置き換える、朝食に納豆を追加する、間食にアーモンドを取り入れるなど、普段の食事で実行しやすい方法から始められます。
また、マグネシウム以外の栄養素やエネルギーも適切に摂取する必要があるため、主食・主菜・副菜を組み合わせ、食事全体のバランスを意識することが大切です。
マグネシウムの不足や過剰摂取によるリスク
マグネシウムは不足が長期間続くと健康に影響を及ぼす可能性がありますが、通常の食品から摂取する場合、過剰摂取による健康障害は起こりにくい栄養素です。
一方、サプリメントや医薬品などで大量に摂取した場合には、健康上の問題が生じることがあります。
不足した場合と過剰に摂取した場合では、注意すべき点が異なります。そのため、不足・過剰摂取の両方によるリスクを把握したうえで、日々のマグネシウムの摂り方を考えることも大切です。
マグネシウムが不足した場合の症状や健康リスク
マグネシウムが不足すると、筋肉や神経の働きなどに影響し、欠乏が重度になると筋肉のけいれんや不整脈などが生じることがあります。マグネシウムは骨の形成に加え、エネルギー産生や神経伝達、筋肉の収縮などに関わるためです。
また、マグネシウムの摂取不足と、高血圧、2型糖尿病、骨粗鬆症などとの関連が報告されています。
ただし、こうした病気はさまざまな要因によって発症するため、マグネシウムの摂取不足だけが原因とは限りません。また、食事からの摂取量が推奨量を下回ったからといって、直ちに欠乏症が生じるわけでもありません。
筋肉のけいれんや体調不良には別の原因がある可能性もあるため、症状が続く場合は医療機関に相談してください。
マグネシウムを摂りすぎた場合の症状や健康リスク
健康な人が通常の食品からマグネシウムを摂取する場合、過剰摂取による健康障害は起こりにくいとされています。これは、体内のマグネシウム量が腎臓からの排泄などによって調節されているためです。
ただし、サプリメントや医薬品などから大量に摂取すると、下痢などの消化器症状が起こることがあります。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、通常の食品以外から摂取するマグネシウムについて、成人の耐容上限量を350mg/日としています。
なお、腎機能が低下している人はマグネシウムの排泄が十分に行われず、血中濃度が高くなる可能性があります。
腎臓の病気がある場合や、マグネシウムを含む薬を服用している場合は、自己判断でサプリメントなどを追加せず、医師や薬剤師に相談することが大切です。
マグネシウムを手軽に補給できる食品は?
マグネシウムを手軽に補給したい場合は、納豆、豆腐、玄米ごはん、アーモンド、バナナなどがおすすめです。
例えば、納豆1パック(45g)には45mg、アーモンド14gには約43mg、バナナ可食部100gには32mgのマグネシウムが含まれています。また、木綿豆腐150gで約86mg、玄米ごはん150gで約74mgを摂取できる計算になります。
これらの食品は、調理の手間が少ないものや、日常の食事に取り入れやすいものが多いことが特徴です。
手軽に補給するためには、100gあたりの含有量が多い食品を選ぶだけでなく、普段から無理なく食べられる食品を組み合わせることが大切です。
マグネシウムとカルシウムはバランスよく摂取した方がよい?
マグネシウムとカルシウムは、どちらも適切な量を摂取することが大切ですが、特定の比率を厳密に守る必要があるとはいえません。
マグネシウムとカルシウムは、骨の形成や筋肉・神経の働きなどに関わる栄養素です。
一部では「カルシウムとマグネシウムは2:1で摂取するのが理想」と説明されることもありますが、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、両者についてそれぞれ年齢・性別に応じた推奨量が設定されています。
そのため、日々の食事で特定の比率を計算するよりも、それぞれの推奨量を参考にして不足しないようにすることを優先しましょう。
マグネシウムの吸収を助ける栄養素や食品はある?
マグネシウムの吸収に影響する栄養成分はありますが、特定の食品と一緒に食べれば必ず吸収率が高まるとは限りません。
研究では、たんぱく質や一部の難消化性オリゴ糖、イヌリンなどがマグネシウムの吸収に影響する可能性が報告されています。
一方、吸収率は摂取するマグネシウムの量や食品の組み合わせ、消化管の状態など、複数の要因によって変化します。
そのため、特定の栄養素を含む食品との食べ合わせだけを意識するよりも、マグネシウムを含むさまざまな食品を日常的に摂取することが重要です。
また、ビタミンDとマグネシウムの関係についても研究されていますが、ビタミンDを多く含む食品と一緒に食べれば、マグネシウムの吸収が必ず高まると断定することはできません。
マグネシウムの吸収を妨げる食品や成分はある?
フィチン酸やシュウ酸などの成分は、条件によってマグネシウムの吸収を妨げる可能性があります。
フィチン酸は穀類や豆類、種実類などに、シュウ酸はほうれん草などの一部の野菜に含まれています。
これらの成分は、マグネシウムなどのミネラルと結合することで、消化管からの吸収に影響する場合があります。
ただし、フィチン酸やシュウ酸を含む食品の中には、マグネシウム自体を豊富に含むものもあります。吸収への影響は食品全体の組み合わせや摂取量などによって異なるため、これらを含む食品を一律に避ける必要はありません。
マグネシウムを摂取する際は、特定の食品を避けることよりも、さまざまな食品を組み合わせて十分な摂取量を確保することを優先しましょう。
まとめ
マグネシウムを多く含む食品には、海藻類、ナッツ・種実類、豆類・大豆製品、穀類、野菜・果物類、魚介類などがあります。
100gあたりの含有量では、あおさやあおのりなどの乾燥海藻が特に多いものの、実際に食べる量を考えると、木綿豆腐や玄米ごはん、納豆、そばなども日常的な供給源になります。
マグネシウムは体のさまざまな働きに必要な栄養素であり、年齢や性別に応じた推奨量を参考にして摂取することが大切です。
特定の食品だけを大量に食べるのではなく、普段の食事にマグネシウムを含む食品を取り入れ、ほかの栄養素とのバランスも考えながら継続的に摂取しましょう。