鉄分の多い食べ物ランキング
ここでは、文部科学省「食品成分データベース」に掲載されている食品のうち、一般的に食品・食材として利用される主なものを取り上げ、可食部100gあたりの鉄分量をランキングで紹介します。
鉄分の多い食品を探しやすいよう、以下では「動物性食品」と「植物性食品など」に分けてランキングを紹介します。
鉄分の多い動物性食品のランキング
動物性食品では、あさりの水煮缶が30.0mg/100gと最も多く、豚スモークレバー20.0mg、かたくちいわしの煮干し18.0mgが続きます。普段よく使われる生のレバーでも、豚レバー13.0mg、鶏レバー9.0mgと高めです。
少量で鉄分を摂りたいなら、あさりの水煮缶やレバーは選びやすい食品です。レバー以外では、煮干しやしじみ、干しえびなどにも比較的多く含まれます。
【検査担当者からのひとこと】

食品の成分値は、食品名だけでなく「どの状態で測られた数値か」とセットで見ることが大切です。あさりは生で2.2mg/100g、缶詰・水煮では30.0mg/100gと大きく異なります。同じあさりでも状態が違えば100gあたりの値は変わるため、実際に食べる状態に合った数値を確認してください。
鉄分の多い植物性食品のランキング
【植物性食品など|可食部100gあたりの鉄分量】
植物性食品などでは、あおのり、岩のり、乾燥きくらげに鉄分が特に多く含まれています。あおのりは77.0mg/100g、岩のりは48.0mg/100g、乾燥きくらげは35.0mg/100gで、100gあたりの数値だけを比べると、上で紹介した動物性食品の上位よりも高い値です。
そのほか、ピュアココア14.0mg、いりごま9.9mg、刻み昆布8.6mgなどにも多く含まれます。豆類では国産の乾燥黄大豆が6.8mg/100gです。
【検査担当者からのひとこと】

栄養成分の分析値は、そのときの検体の状態を反映します。あおのりや岩のり、乾燥きくらげのような乾燥食品は水分が少ないため、100gあたりで比較すると鉄分が多く見えやすい食品です。数値自体は正しいものの、実際の摂取量を考えるときは、普段の使用量や水戻し後の状態まで分けて考える必要があります。
鉄分の多い食べ物をカテゴリー別に一覧で紹介
ここまでのランキングでは、食品の種類を問わず、100gあたりの鉄分の多い食べものを比較してきました。
ただし、あおのりとレバーのように役割の違う食品をそのまま比べるよりも、「肉なら何を選ぶか」「魚なら何を選ぶか」「野菜では何が多いか」が分かるほうが日々の食事に取り入れやすくなります。
そこでここからは、肉・魚介・野菜・大豆製品・海藻などに分けて、鉄分の多い食品を紹介します。あわせて、100gあたりの数値だけでなく、実際に食べる状態や1食量の目安も示します。
ランキングで全体像をつかんだあとに、普段よく食べるカテゴリーの中で選びやすい食品を確認してみてください。
肉類で鉄分の多い食べ物

肉類ではレバーに鉄分が多く、豚レバー13.0mg/100g、鶏レバー9.0mg、牛レバー4.0mgです。1食40gで考えると、豚レバーなら5.2mg、鶏レバーなら3.6mgを摂れます。
レバー以外では、牛もも赤肉が2.7mg/100gです。レバーほど含有量は高くありませんが、80gなら約2.2mgになり、日常の主菜として取り入れやすい食品です。
【肉類の鉄分量】
レバーは鉄分が多い一方で、ビタミンAも多く含む食品です。特に妊娠中はビタミンAの過剰摂取に注意が必要なので、「鉄分が多いから」とレバーだけに偏るのではなく、赤身肉や魚介類なども組み合わせて摂るようにしましょう。
魚介類で鉄分の多い食べ物

魚介類では、あさりの水煮缶が30.0mg/100gと突出しています。1食40gなら12.0mgになるため、少量でも鉄分を摂りやすい食品です。
日常の主菜としては、まいわし2.1mg/100g、かつお1.9mg、焼いたさんま1.7mgなども候補になります。レバーが苦手な人でも、魚介類からヘム鉄を取り入れることができます。
【魚介類の鉄分量】
【検査担当者からのひとこと】

成分値を見るときは、食品名だけでなく「食品名+状態」で見るのが基本です。あさりは生で2.2mg/100gなのに対し、缶詰・水煮では30.0mg/100gと大きく異なります。水分量や加工条件が違う食品は別の条件の数値なので、水煮缶の値を生のあさりにそのまま当てはめることはできません。
野菜で鉄分の多い食べ物

野菜では、小松菜やだいこん葉に比較的多くの鉄が含まれています。ゆでた小松菜は2.1mg/100g、だいこん葉は2.2mg/100gで、おひたしなどの副菜として取り入れやすい食品です。
ほうれん草も鉄分を含みますが、ゆでた状態では0.9mg/100gです。「鉄分の多い野菜=ほうれん草」と考えるより、小松菜やだいこん葉も含めて選ぶと選択肢が広がります。
【検査担当者からのひとこと】

野菜に含まれる鉄は主に非ヘム鉄です。鉄分量だけを見ると小松菜やだいこん葉は有力ですが、体内への吸収まで考えるなら、肉や魚、ビタミンCを含む食品と一緒に食べるのがおすすめです。食品に含まれる量と、実際に吸収されやすいかは分けて考えてください。
豆類・大豆製品で鉄分の多い食べ物

豆類・大豆製品では、がんもどきが3.6mg/100g、生揚げが2.6mg、ゆでた国産黄大豆が2.2mgと比較的多く含まれています。豆乳や木綿豆腐にも鉄が含まれ、普段の食事に取り入れやすいのが大豆製品の利点です。
1食量で見ると、がんもどき100gで3.6mg、生揚げ75gで約2.0mg、豆乳200gで2.4mgが目安です。肉や魚をあまり食べない場合でも、大豆製品を使えば食事の中で鉄分を補えます。
【豆類・大豆製品の鉄分量】
【検査担当者からのひとこと】

乾燥した国産黄大豆は6.8mg/100g、ゆでたものは2.2mg/100gですが、この差をそのまま「ゆでると鉄が3分の1まで減る」と捉えるのは正確ではありません。ゆでると大豆が水分を含んで重くなるため、100gあたりの濃度も変わります。乾燥品と調理後の食品を比べるときは、水分量の違いも含めて数値を見る必要があります。
卵・その他で鉄分の多い食べ物
このカテゴリーでは、ピュアココアが14.0mg/100g、いりごまが9.9mgと高めです。うずら卵の水煮缶詰は2.8mg、干しぶどうは2.3mg、鶏卵は1.5mg含まれます。
ピュアココアは1食18gなら約2.5mg、鶏卵は1個約50gなら約0.75mgが目安です。ココアやごまは100gあたりでは多く見えますが、普段の使用量を考えると、主菜や副菜と組み合わせて鉄分を補う食品として考えるのが現実的です。
【卵・その他の食品の鉄分量】
鉄分量は食品の状態や加工によって変わる|検査担当者が解説
同じ食品でも、乾燥・水戻し・加熱などによって、100gあたりの鉄分量は大きく変わることがあります。例えば国産黄大豆は乾燥で6.8mg/100g、ゆでると2.2mg、乾燥わかめは素干しで5.8mg、水戻し・水煮では0.2mgです。
【同じ食品でも状態によって変わる鉄分量】
数値が下がったからといって、その割合だけ鉄そのものが失われたとは限りません。
乾燥食品は水分が少ないぶん、100gあたりでは鉄が濃く見えます。反対に、水戻しやゆで調理で食品が水分を含むと重量が増えるため、食品全体に含まれる鉄の量が大きく変わっていなくても、100gあたりの数値は低くなります。もちろん、調理中に鉄の一部がゆで汁などへ移り、実際に減る場合もあります。
つまり、100gあたりの数値だけを比べて「ゆでたら鉄が○割減った」と判断することはできません。鉄分をどのくらい摂れるか知りたい場合は、乾燥品なら乾燥時、水で戻して食べるなら水戻し後、ゆでて食べるならゆで後というように、実際に食べる状態の成分値を見るのが適切です。
【検査担当者からのひとこと】

食品検査を行う弊社の立場からいえば、日々の食事で鉄分量の目安を知りたい場合は、食品成分表の中から「実際に食べる状態」に合った数値を選ぶことが大切です。
一方、個別商品の実測値を知りたい場合は、その商品自体を分析して確認する方法があります。弊社でも食品中の鉄の分析に対応しています。
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鉄分は1日にどれくらい必要?1日の推奨量を解説
鉄分の多い食べ物を意識するときは、「何を食べるか」だけでなく「どれくらい必要なのか」もあわせて見ておくことが大切です。
鉄分の必要量は、男女で同じではなく、年齢や月経の有無によっても変わります。特に女性は月経の影響を受けて、男性より多くの鉄分が必要になる時期があります。
今回紹介する摂取量の目安は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに整理したものです。
食事で鉄分を考えるときは、まず自分に近い区分の目安を知っておくと、どのくらい意識すればよいかが見えやすくなります。
表を見ると、男性よりも女性のほうが鉄分の目安量が高いことがわかります。とくに月経のある女性は必要量が増えるため、同じ「成人」としてひとまとめに考えないほうが実態に合っています。
鉄分の多い食べ物を選ぶときは、まず自分に必要な量を知ったうえで、無理なく続けやすい食事に落とし込むことが大切です。毎食きっちり合わせようとするより、肉や魚、大豆製品、野菜などを組み合わせながら、1日全体で整えていくほうが実際には続けやすいでしょう。
疲れやすさや立ちくらみなどが続いていて、鉄分不足が気になる場合は、食事だけで判断せず、医療機関で確認することも大切です。
日々の食事で無理なく鉄分を摂れる組み合わせ例
鉄分を毎日の食事に取り入れるときは、ひとつの食べ物だけで補おうとするより、主菜・副菜・汁物を組み合わせて考えるほうが続けやすくなります。
【1食の組み合わせ例】
鉄分を意識した食事は特別な献立にしなくても組み立てられます。魚や肉のような主菜に、青菜や大豆製品を使った副菜や汁物を組み合わせるだけでも、食事全体のバランスは整えやすくなります。
続けやすい食事にするには、「鉄分が多い食べ物を探す」よりも、「いつもの献立に1品足す」発想のほうが現実的です。
鉄分の多い食べ物だけを単独で増やそうとすると、味の好みや食べる頻度の面で続かなくなることがあります。毎日の食事では、食べやすい主菜に青菜や大豆製品を添えるくらいの形のほうが無理なく続けやすいでしょう。
鉄分の多い食べ物を効率よく摂るポイント
鉄分は、ただ多く含まれる食べ物を選ぶだけでなく、どのような種類の鉄か、ほかの食べ物とどう組み合わせるかによって取り入れやすさが変わります。
鉄分を意識するときは、「何を食べるか」と「どう食べるか」をあわせて考えることが大切です。
鉄分が多い食べ物だけを増やしても、食べ方によっては思ったほど取り入れやすくならないことがあります。
ヘム鉄を含む食品を取り入れる
鉄には、肉や魚介類に多い「ヘム鉄」と、野菜・豆類・海藻などに多い「非ヘム鉄」があります。
ヘム鉄は、肉や魚のヘモグロビンやミオグロビンなどに含まれる鉄で、非ヘム鉄より体内に吸収されやすいのが特徴です。非ヘム鉄は植物性食品を中心に含まれ、吸収される割合は一緒に食べる食品の影響を受けやすくなります。
鉄分を意識したいときは、まずヘム鉄を含む肉や魚介類を普段の主菜に取り入れられるか考えると、食事を組み立てやすくなります。レバーは鉄分の多い食品ですが、毎日レバーを食べる必要はありません。かつお、まぐろ、いわし、牛の赤身肉など、普段食べやすい食品からヘム鉄を摂る方法もあります。
非ヘム鉄はビタミンCや動物性たんぱく質と組み合わせる
野菜、豆類、海藻類などに多い非ヘム鉄は、ビタミンCやたんぱく質を含む食べ物と組み合わせると取り入れやすくなります。
青菜や大豆製品は、それだけで食べるより、主菜やほかの副菜と組み合わせて食べるほうが実際の食事では続けやすくなります。
取り入れやすさで考えると、特別な食べ方をするより、いつもの献立の中で主菜と副菜を少し意識するくらいが現実的です。
野菜や豆類だけで鉄分を補おうとすると、食べる量が多くなりやすいため、組み合わせで考えることが大切です。
鉄分の吸収を妨げやすい飲み物や食べ方にも注意する
鉄分を意識しているときは、食べ物だけでなく飲み物や食事全体の流れにも目を向けたいところです。食事の内容が整っていても、飲み物のタイミングや食べ方の偏りで、続けにくくなることがあります。
- 食事中や食後すぐに濃いお茶やコーヒーをたくさん飲む習慣がある
- 朝食を抜くことが多く、1日を通して食事量が不足しやすい
- 主菜が少なく、野菜や豆類に偏りすぎている
- 野菜や豆類が少なく、肉や魚だけに偏っている
こうした状態が続くと、鉄分の多い食べ物を意識していても、食事全体としては整いにくくなります。
検査や成分値を確認するときも、最終的には単品の数値より、どういう食べ方をしているかが大切です。毎日の食事では、主菜・副菜・汁物をそろえるだけでも、食事の組み立てがかなり安定します。
鉄分を意識するときは、ひとつの食べ物に頼るのではなく、飲み物のタイミングや食事全体のバランスまで含めて見直すことが大切です。
- 鉄分が多い果物はありますか?
果物にも鉄分を含むものはありますが、肉類や魚介類、豆類、青菜類と比べると、鉄分を多く含むものはあまり多くありません。
干しぶどうや乾燥いちじくなどは比較的鉄分を含みますが、果物は「鉄分をしっかり補う食べ物」というより、食事に少し足しやすいものとして考えるのが自然です。
また、果物はビタミンCを含むものも多いため、野菜や豆類に含まれる非ヘム鉄を意識するときの組み合わせとしては使いやすい面があります。
果物だけで鉄分を補おうとすると不足しやすいため、主菜や副菜とあわせて考えることが大切です。
- コンビニやスーパーで選びやすい鉄分の多い食べ物はありますか?
コンビニやスーパーなら、納豆、豆腐・厚揚げ、卵、魚の惣菜、赤身魚、あさりを使ったスープや惣菜、鉄を強化した食品などが選びやすいでしょう。主菜なら魚、副菜なら大豆製品というように、普段の食事に一品加えるだけでも鉄分を増やせます。
市販品は商品ごとに原材料や配合が異なります。鉄分量が表示されている場合は、「100g当たり」「1食当たり」「1包装当たり」のどの単位かを確認してください。鉄は栄養成分表示の義務5項目ではないため、表示されていない商品もあります。
「鉄豊富」「鉄含有」などの栄養強調表示には食品表示基準上の基準があります。また、栄養成分表示には分析値だけでなく、計算値や合理的な推定値が使われる場合もあります。
- レバー以外で鉄分を摂りやすい食べ物は何ですか?
レバー以外なら、あさりの水煮缶、牛の赤身肉、かつお、さんま、がんもどき、生揚げ、小松菜などがあります。特に動物性食品からヘム鉄を摂りたい場合は、あさりや赤身肉、魚を選ぶとレバーに頼らず取り入れられます。
植物性食品も組み合わせれば選択肢はさらに広がります。例えば赤身肉に小松菜の副菜を合わせるなど、主菜と副菜で分けて摂る方法があります。
- 鉄分不足が気になるときは何を食べればよいですか?
鉄分不足が気になるときは、まず肉・魚介類などのヘム鉄を含む食品と、小松菜・大豆製品などの非ヘム鉄を含む食品を毎日の食事に取り入れてみてください。レバーだけに偏る必要はなく、複数の食品から分けて摂る方法があります。
ただし、疲れやすさ、息切れ、動悸などがあっても、鉄分不足が原因とは限りません。症状が続く場合や、すでに貧血を指摘されている場合は、食事だけで判断せず医療機関で原因を確認してください
まとめ
100gあたりの鉄分量では、あおのり、岩のり、乾燥きくらげ、あさりの水煮缶、レバーなどが上位です。日々の食事で取り入れやすさまで考えると、あさりの水煮缶、牛の赤身肉、かつお、小松菜、がんもどき、生揚げなども使いやすい食品です。
鉄分を意識するときに大切なのは、「数値が高い食べ物」を探すことだけではなく、「実際に食べやすいか」「続けやすいか」まで含めて考えることです。
100gあたりで見ると海藻類や乾物、加工品が目立つことがありますが、普段の食事では1回に食べる量が限られるものも少なくありません。そのため、実際の食事に落とし込むときは、1食あたりでどれくらい取り入れやすいかを見ることが大切です。
また、鉄には肉や魚に多いヘム鉄と、野菜や豆類などに多い非ヘム鉄があり、食べ方によって取り入れやすさも変わります。魚や肉を主菜にしながら、青菜や大豆製品を副菜で重ねていくと、毎日の食事でも無理なく続けやすくなります。
普段の食事では、ひとつの食べ物に頼るのではなく、主菜・副菜・汁物の中で少しずつ重ねていく形が現実的です。
鉄分不足が気になる場合でも、自己判断だけで偏った食べ方を続けるのではなく、必要に応じて体調もあわせて確認することが大切です。