【専門家監修】鉄分の多い食べ物ランキング|検査会社が教える1食分一覧

「鉄分の多い食べ物を知りたいけれど、結局どれを食べればいいのかわからない」と感じている人は多いのではないでしょうか。
 
鉄分の多い食べ物には、あさり缶詰、レバー、かつお、小松菜、木綿豆腐などがあります。鉄分の多い主な食べ物別に鉄分量をまとめましたので参考にしてみてください。
 

食べ物 鉄分量(100gあたり) 取り入れやすさのイメージ
あさり缶詰(水煮) 30.0mg 数値は高いが、食べる頻度は人によって差がある
豚レバー 13.0mg 鉄分は多いが、好みが分かれやすい
かつお 1.9mg 普段の食事に取り入れやすい
小松菜(生) 2.8mg 副菜にしやすく、日常で続けやすい
木綿豆腐 1.5mg 毎日の食卓にのせやすい

 
「鉄分が多い食べ物」と「毎日の食事で取り入れやすい食べ物」は必ずしも同じではありません。100gあたりで数値が高くても、一度に食べる量が少ない食べ物もあるためです。
 
また、鉄分は食べ方によっても取り入れやすさが変わります。肉や魚に多いヘム鉄は比較的取り込みやすく、野菜や豆類などに多い非ヘム鉄は、ビタミンCやたんぱく質を含む食べ物と組み合わせるのがポイントです。
 
たとえば、かつおや赤身肉のおかずに小松菜のおひたしを添える、豆腐やがんもどきの料理に青菜や野菜を合わせるといった形なら、毎日の食事にも取り入れやすいでしょう。
 
鉄分を意識するときは、数値の高さだけでなく、「どれくらい食べるか」「続けやすいか」「どう組み合わせるか」まで見ることが大切です。
 
当記事では、鉄分の多い食べ物を一覧で整理したうえで、100gあたりのランキング、1食あたりで摂りやすい食べ物、効率よく摂るポイント、数字を見るときの注意点まで、食品検査会社の視点でわかりやすく解説します。
 

 

鉄分の多い食べ物のカテゴリー別一覧

鉄分の多い食べ物のカテゴリー別一覧

鉄分の多い食べ物といっても、肉や魚のように吸収されやすい鉄を含むものもあれば、野菜や豆類のように毎日の食事に取り入れやすいものもあります。
 
まずは、どのような食べ物に鉄分が多く含まれているのかを、種類ごとに見ていきましょう。
 
鉄分の数値だけを見て食べ物を選ぶと、実際には一度にあまり食べないものが上位に入ることもあります。そのため、このあとのランキングを見る前に、どんな食べ物に鉄分が多いのかを大まかにつかんでおくと、内容がわかりやすくなります。
 

□専門家からのひとこと

鉄分の多い食べ物を見るときは、数字の大きさだけで決めないことが大切です。100gあたりでは高く見えても、一度に食べる量が少ない食べ物もあります。

また、肉や魚に多い鉄は吸収されやすく、野菜や豆類は毎日の食事に取り入れやすいという違いもあります。「数値の高さ」「食べる量」「続けやすさ」をあわせて見ると、実際の食事に落とし込みやすくなります。

肉類で鉄分の多い食べ物

鉄分を多く含む肉類
 

食品名 鉄分含有量(100gあたり)
豚スモークレバー 20.0mg
豚レバー 13.0mg
鶏レバー 9.0mg
豚レバーペースト 7.7mg
牛ビーフジャーキー 6.4mg
牛レバー 4.0mg

 
肉類の中では、やはりレバーが目立ちます。鉄分が多い食べ物として昔からよく知られているのは、それだけ数値が高いからです。
 
肉類のよいところは、鉄分を多く含むだけでなく、体に取り込みやすい形の鉄を含んでいることです。そのため、鉄分を意識したいときは、レバーのほか赤身の肉もあわせて見ておくと、食事に取り入れやすくなります。
 
ただし、スモークやジャーキーのような加工品は水分が少ない分、100gあたりの数値が高く出やすい点には注意が必要です。

 

魚介類で鉄分の多い食べ物

鉄分を多く含む魚介類
 

食品名 鉄分含有量(100gあたり)
あさり缶詰(水煮) 30.0mg
かたくちいわし(煮干し) 18.0mg
干しえび 15.0mg
まいわし 2.1mg
きはだまぐろ 2.0mg
かつお 1.9mg

 
魚介類では、あさりのような貝類のほか、まぐろやかつお、いわしなどが鉄分を含む食べ物としてよく挙げられます。レバーに比べると食卓に出しやすく、普段の献立に取り入れやすいのが魅力です。
 
魚介類は、鉄分を意識したいけれどレバーは苦手という人でも続けやすい食べ物が多いといえます。とくに赤身の魚や貝類は、日々の食事に取り入れやすいでしょう。
 
ただし、煮干しや干しえびのような乾物は、そのまま100g食べることはほとんどないため、数値だけで比較しないことが大切です。
 

野菜で鉄分の多い食べ物

鉄分を多く含む野菜類
 

食品名 鉄分含有量(100gあたり)
パセリ葉(生) 7.5mg
ドライトマト 4.2mg
小松菜(生) 2.8mg
えだまめ(生) 2.7mg
サラダ菜 2.4mg
ほうれん草(生) 2.0mg

 
野菜では、小松菜やほうれん草のような青菜がよく知られています。おひたし、炒め物、味噌汁の具などに使いやすく、毎日の食事に少しずつ足しやすいのが野菜のよいところです。
 
野菜は、鉄分を多く含む食べ物の中でも、無理なく続けやすいのが大きな強みです。毎日の副菜として取り入れやすいため、食生活全体を整えるうえでも役立ちます。
 
ただし、パセリやドライトマトのように100gあたりで高く見えるものでも、普段その量を一度に食べるとは限りません。
 

豆類・大豆製品で鉄分の多い食べ物

鉄分を多く含む豆類
 

食品名 鉄分含有量(100gあたり)
大豆 9.0mg
がんもどき 3.6mg
油揚げ 3.2mg
木綿豆腐 1.5mg
絹ごし豆腐 1.2mg
豆乳 1.2mg

 
豆類や大豆製品にも、鉄分を含むものがあります。大豆そのものだけでなく、豆腐や油揚げ、がんもどきのように、普段の食卓で使いやすい食べ物が多いのが特徴です。
 
毎日の食事に自然に取り入れやすいという意味では、大豆製品はかなり使いやすい鉄分源です。和食にも合わせやすく、朝食から夕食まで幅広く使えます。
 
ただし、豆類・大豆製品だけで鉄分を十分に補おうとするのではなく、肉や魚、野菜などと組み合わせて食べることが大切です。
 

海藻類で鉄分の多い食べ物

鉄分を多く含む海藻類
 

食品名 鉄分含有量(100gあたり)
あおのり(素干し) 77.0mg
岩のり(素干し) 48.0mg
刻み昆布 8.6mg
乾燥わかめ(素干し) 5.8mg

 
とくにあおのりや岩のりは、100gあたりの鉄分量がかなり高く、数字だけを見ると驚く人も多いでしょう。
 
海藻類は「鉄分が多い」と感じやすい食べ物ですが、数値の見方には少し注意が必要です。乾燥した状態で示されていることが多く、一度に食べる量はそれほど多くありません。
 
海藻類は100gあたりでは目立っていても、1食あたりで見ると印象が変わりやすい食べ物です。
 

卵・その他で鉄分の多い食べ物

食品名 鉄分含有量(100gあたり)
鶏卵(全卵) 1.8mg
うずら卵(水煮) 4.5mg
干しぶどう 2.3mg
乾燥いちじく 1.7mg
いりごま 9.9mg
純ココア 14.0mg

 
卵やごま、ドライフルーツ、ココアなどにも鉄分は含まれています。主役になる食べ物ばかりではありませんが、普段の食事や間食に足しやすいものが多いのが特徴です。
 
こうした食べ物は、鉄分をまとめて摂るというより、毎日の食事に少しずつ上乗せしやすいのがよいところです。
 
ただし、ごまやココア、ドライフルーツは少量で使うことが多いため、100gあたりの数値だけで判断しないようにしましょう。
 

【100gあたり】鉄分の多い食べ物ランキング

ここでは、文部科学省「食品成分データベース」をもとに、可食部100gあたりの鉄分量が多い食べ物を動物性食品と植物性食品に分けて紹介します。
 
ランキングの基準はシンプルで、鉄分含有量(100gあたり)が多い順です。1回に食べる量ではなく、その食べ物自体にどれくらい鉄分が含まれているかを比べたいときに役立つ見方と考えるとわかりやすいでしょう。
 
ただし、100gあたりで数値が高くても、実際には一度に100gも食べない食べ物は少なくありません。特に乾物や海藻、加工品は数値が高く出やすいため、このあとの「1食あたり」の見出しとあわせて見ることが大切です。
 

動物性食品で鉄分の多い食べ物ランキング

食品名 鉄分含有量(100gあたり)
1位 あさり缶詰(水煮) 30.0mg
2位 豚スモークレバー 20.0mg
3位 かたくちいわし(煮干し) 18.0mg
4位 干しえび 15.0mg
5位 豚レバー 13.0mg
6位 鶏レバー 9.0mg
7位 豚レバーペースト 7.7mg
8位 牛ビーフジャーキー 6.4mg
9位 うずら卵(水煮) 4.5mg
10位 牛レバー 4.0mg

 
動物性食品では、あさり缶詰やレバー類、煮干し、干しえびなどが上位に入ります。数字だけを見ると、鉄分をしっかり含む食べ物は動物性食品に多いことがわかります。
 
とくにレバーや貝類、赤身の魚は、鉄分を意識した食事でよく名前が挙がる食べ物です。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、鉄はレバー、赤身の肉や魚に多く含まれ、肉や魚に含まれるヘム鉄は吸収されやすいとされています。
 
一方で、煮干しや干しえび、ビーフジャーキーのような乾いた食品や加工品は、100gあたりの数値が高くなりやすい点には注意が必要です。
 

植物性食品で鉄分の多い食べ物ランキング

食品名 鉄分含有量(100gあたり)
1位 あおのり(素干し) 77.0mg
2位 岩のり(素干し) 48.0mg
3位 純ココア 14.0mg
4位 いりごま 9.9mg
5位 大豆 9.0mg
6位 刻み昆布 8.6mg
7位 パセリ葉(生) 7.5mg
8位 乾燥わかめ(素干し) 5.8mg
9位 ドライトマト 4.2mg
10位 がんもどき 3.6mg

 
植物性食品では、海藻類がとても目立ちます。あおのりや岩のりは数値が高く、一覧で見ると驚く人も多いはずです。そのほかにも、ごま、大豆、パセリ、がんもどきなど、普段の食事で見かける食べ物にも鉄分を多く含むものがあります。
 
ただし、植物性食品の鉄は非ヘム鉄が中心です。非ヘム鉄はヘム鉄より吸収されにくいため、数値が高いからそのまま体に取り込みやすいとは限りません。厚生労働省も、非ヘム鉄は動物性たんぱく質やビタミンCと組み合わせることで吸収しやすくなると示しています。
 
植物性食品は乾燥したものや少量で使うものが上位に入りやすいため、「100gあたりでは多いが、普段の食事では量を取りにくい」と感じるものも少なくありません。
 

【1食あたり】鉄分を摂取しやすい食べ物ランキング

ここでは、普段の食事でよく食べる量を1食分の目安として設定し、1食あたりで鉄分を摂りやすい食べ物をまとめました。
 
ランキングの基準は、「100gあたりの鉄分量」ではなく、「一般的な1食分でどれくらい鉄分を取り入れやすいか」です。100gあたりでは上位でも、一度に食べる量が少ない食べ物は順位が下がることがあります。
 
毎日の食事で鉄分を意識するなら、100gあたりの数値だけでなく、実際にどれだけ食べるかまで含めて見ることが大切です。

 

動物性食品で鉄分を摂取しやすい食べ物ランキング

食品名 1食の目安量 鉄分量(1食あたり)
1位 あさり缶詰(水煮) 1缶100g 30.0mg
2位 豚レバー 50g 6.5mg
3位 鶏レバー 60g 5.4mg
4位 豚スモークレバー 20g 4.0mg
5位 かつお 120g 2.3mg
6位 きはだまぐろ 100g 2.0mg
7位 まいわし 100g 2.1mg
8位 うずら卵(水煮) 5個50g 2.3mg
9位 牛レバー 50g 2.0mg
10位 干しえび 10g 1.5mg

 
動物性食品では、あさり缶詰やレバー類がやはり強く、かつおやまぐろ、いわしなどの魚も上位に入ります。100gあたりのランキングでは煮干しや干しえびのような乾物が目立ちましたが、1食あたりで見ると、実際におかずとして食べやすい魚やレバーのほうが取り入れやすさをイメージしやすくなります。
 
とくにかつおやまぐろは、レバーより食べやすく、普段の食事でも無理なく取り入れやすい食べ物です。鉄分を意識しながら続けやすさも重視するなら、こうした魚介類はかなり使いやすいでしょう。
 
あさり缶詰は数値が非常に高い一方で、塩分や食べ方にも配慮しながら取り入れることが大切です。

 

植物性食品で鉄分を摂取しやすい食べ物ランキング

食品名 1食の目安量 鉄分量(1食あたり)
1位 がんもどき 100g 3.6mg
2位 大豆(ゆで) 50g 約4.5mg
3位 小松菜(生換算) 80g 2.2mg
4位 えだまめ(生換算) 80g 2.2mg
5位 ほうれん草(生換算) 100g 2.0mg
6位 油揚げ 30g 1.0mg
7位 木綿豆腐 150g 2.3mg
8位 いりごま 10g 1.0mg
9位 乾燥いちじく 40g 0.7mg
10位 干しぶどう 30g 0.7mg

 
植物性食品は、100gあたりのランキングと比べると顔ぶれの印象がかなり変わります。海藻類やココアのように数値が高く見える食べ物より、がんもどき、豆腐、小松菜、ほうれん草のように実際の食事で使いやすい食べ物のほうが、1食あたりでは取り入れやすさが見えやすくなります。
 
とくに大豆製品や青菜は、毎日の食事で続けやすいのが強みです。主菜や副菜に組み込みやすく、日々少しずつ積み重ねやすい点は、植物性食品ならではのよさといえます。
 
植物性食品の鉄は吸収されやすさまで同じではないため、数値が高い食べ物だけを選ぶのではなく、食べやすさや組み合わせまで考えることが大切です。
 

鉄分量の数字を見るときの注意点を検査会社が解説

鉄分の多い食べ物を調べると、同じ食品でもサイトや資料によって数値が少し違って見えることがあります。
 
これは「どちらかが間違っている」というより、数値がどんな前提で出されているかを見ないまま比べてしまっているケースが少なくありません。
 
食品の検査や成分値の確認では、鉄分の数字そのものだけでなく、食品の状態、水分量、加工の有無、実際に食べる量まで含めて見ていきます。鉄分量の数字は、食品そのものの性質だけで決まるわけではなく、どんな形の食品を、どの条件で見ているかで印象が変わります。
 
数値だけを切り取って「この食品は最も鉄分が多い」と判断すると、実際の食事や商品選びではズレが出ることがあります。
 
そこで、ここからは鉄分量の数字を見るときの注意点を検査会社が解説していきます。
 

100gあたりの数値と1食あたりの数値は意味が異なる

100gあたりの数値は、その食品にどれくらい鉄分が含まれているかを横並びで比べるときに便利です。成分表でも基本は100gあたりで示されるため、一覧で比較しやすい見方といえます。
 
ただし、普段の食事は100g単位で食べるとは限りません。たとえば、あおのりやごま、ココアのように少量をふりかけたり混ぜたりして使う食べ物は、100gあたりでは数値が高く見えても、実際に口に入る量はかなり少なくなります。
 
検査や成分値の読み取りでは、「100gあたりで高い食品」と「1回の食事で鉄分を取り入れやすい食品」は分けて考えるのが基本です。
 
この違いを見落とすと、「数字の上では鉄分が豊富に含まれているように見えるのに、実際の食事では思ったほど鉄分を取り入れられない」ということが起こります。
 
たとえば、乾物や粉末は100gあたりで目立ちやすい一方で、魚や肉、大豆製品のように1食である程度の量を食べる食品は、1食あたりで見ると印象が変わります。
 
「100gあたりで多い」と「食事で摂りやすい」は同じ意味ではないため、記事や表を見るときはどちらの基準なのかを最初に確認することが大切です。
 

乾燥食品や加工状態によって数値の見え方が変わることがある

鉄分量の数字を見るときに見落としやすいのが、水分の影響です。食品は水分が多いほど100gあたりの成分値が薄まりやすく、逆に乾燥しているほど100gあたりの数値は高く見えやすくなります。
 
そのため、同じ海藻でも生に近い状態か乾燥品かで印象は変わりますし、同じ肉でも生肉とジャーキーでは100gあたりの見え方がかなり違ってきます。
 
検査の現場では、数字を見るときに「その食品が生のままなのか、乾燥しているのか、味付けや加工がされているのか」を必ず確認します。
 
さらに、加工食品は水分だけでなく、原材料の配合でも数値が変わります。たとえば、同じ「がんもどき」や「レバーペースト」でも、原料の割合や製造条件が違えば、鉄分量がまったく同じになるとは限りません。
 
消費者目線では同じ名前の商品でも、中身の設計は案外違います。豆の割合が高いか、魚介原料を使っているか、調味液がどれくらい入るかで、成分値の出方は変わります。
 
乾燥食品、濃縮食品、加工食品は、名前だけで単純比較すると実態より差が大きく見えることがあるため、数字の背景まで見て判断することが重要です。
 

正確な含有量を知りたい場合は分析が必要になることもある

文部科学省の食品成分表は、食べ物の特徴を知るうえでとても有用です。ただし、これはあくまで標準的な成分値であり、目の前にある一つひとつの商品や製品の実測値をそのまま示しているわけではありません。
 
原材料の産地、季節、配合、加熱条件、水分量、製造ロットの違いなどによって、実際の含有量には幅が出ることがあります。食品表示や商品設計の場面では、この幅を無視できないことが少なくありません。
 
「一般的に鉄分が多い食品かどうか」を知るなら成分表で十分ですが、「この商品にどれくらい入っているか」を確かめたいなら、分析して確認する意味があります。
 
とくに、栄養成分表示を作るとき、鉄を訴求する商品を開発するとき、原料変更後も同じ値でよいか確認したいときは、参照値だけでは判断しきれない場合があります。
 
実務では、似た商品でも原材料や工程が少し変わるだけで成分値の出方が動くことがあるため、表示に使う数字は「近い食品だから同じでよい」とは言い切れません。
 
消費者向けの記事として食べ物の傾向を知るのと、商品として正確な鉄分量を示すのとでは、求められる精度が違います。この違いを分けて考えることが、鉄分量の数字を正しく扱ううえで大切です。
 
なお、食環境衛生研究所では、食品表示法対応の栄養成分分析を実施しております。公定法および近赤外線分光法(簡易法)での分析を行っております。
 
栄養成分分析(食品表示法対応)
 
個別での鉄分含有量分析も実施可能です。
鉄分分析

 

鉄分は1日にどれくらい必要?摂取目安量を解説

鉄分の多い食べ物を意識するときは、「何を食べるか」だけでなく「どれくらい必要なのか」もあわせて見ておくことが大切です。
 
鉄分の必要量は、男女で同じではなく、年齢や月経の有無によっても変わります。特に女性は月経の影響を受けて、男性より多くの鉄分が必要になる時期があります。
 
今回紹介する摂取量の目安は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに整理したものです。
食事で鉄分を考えるときは、まず自分に近い区分の目安を知っておくと、どのくらい意識すればよいかが見えやすくなります。
 
鉄分は不足ばかりに目が向きやすい栄養素ですが、サプリメントや強化食品を重ねて使う場合は摂りすぎにも気をつける必要があります。
 

成人男性・女性の摂取目安量

区分 推奨量(1日あたり) 備考
18~29歳 男性 7.0mg 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より
30~49歳 男性 7.5mg 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より
50~64歳 男性 7.5mg 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より
18~29歳 女性(月経あり) 10.5mg 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より
30~49歳 女性(月経あり) 10.5mg 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より
50~64歳 女性(月経あり) 11.0mg 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より
18~29歳 女性(月経なし) 6.0mg 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より
30~49歳 女性(月経なし) 6.5mg 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より
50~64歳 女性(月経なし) 6.5mg 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より

 
表を見ると、男性よりも女性のほうが鉄分の目安量が高いことがわかります。とくに月経のある女性は必要量が増えるため、同じ「成人」としてひとまとめに考えないほうが実態に合っています。
 
鉄分の多い食べ物を選ぶときは、まず自分に必要な量を知ったうえで、無理なく続けやすい食事に落とし込むことが大切です。毎食きっちり合わせようとするより、肉や魚、大豆製品、野菜などを組み合わせながら、1日全体で整えていくほうが実際には続けやすいでしょう。
 
疲れやすさや立ちくらみなどが続いていて、鉄分不足が気になる場合は、食事だけで判断せず、医療機関で確認することも大切です。
 

毎日の食事に取り入れやすい鉄分の多い食べ物

鉄分の多い食べ物を知っていても、毎日の食事で無理なく続けられなければ、実際には取り入れにくくなってしまいます。
 
普段の食事で続けやすいのは、特別な食品よりも、ふだんの献立に自然に入れやすい食べ物です。たとえば、魚、赤身の肉、大豆製品、青菜類などは、1回だけでなく繰り返し食べやすいため、日々の食事に取り入れやすい鉄分源といえます。
 
食品の成分値を見ていると、乾物や加工品のように数字が高く見えるものもありますが、毎日の食事では食べる量や食べる頻度まで考えることが大切です。
 
「鉄分が多い」とされる食べ物でも、苦手で続かないものを無理に選ぶより、食べやすいものを重ねていくほうが現実的です。
 

日々の食事で無理なく続けやすい組み合わせ例

鉄分を毎日の食事に取り入れるときは、ひとつの食べ物だけで補おうとするより、主菜・副菜・汁物を組み合わせて考えるほうが続けやすくなります。
 

食事の組み合わせ例 取り入れやすい鉄分源 続けやすいポイント
かつおのたたき+小松菜のおひたし+味噌汁 かつお、小松菜 魚を主菜にしながら青菜を自然に足しやすい
まいわしの塩焼き+ほうれん草のごまあえ まいわし、ほうれん草、ごま 家庭の定番に近く、夕食のおかずとして続けやすい
牛肉の炒め物+小松菜の味噌汁 牛肉、小松菜 肉料理に青菜を組み合わせやすい
木綿豆腐の煮物+ほうれん草のおひたし 木綿豆腐、ほうれん草 大豆製品と青菜を一緒に取り入れやすい
がんもどきの煮物+小松菜の副菜 がんもどき、小松菜 和食に合わせやすく、食卓に取り入れやすい
納豆ごはん+卵+豆腐とわかめの味噌汁 納豆、卵、豆腐 朝食でも無理なく続けやすい

 
鉄分を意識した食事は特別な献立にしなくても組み立てられます。魚や肉のような主菜に、青菜や大豆製品を使った副菜や汁物を組み合わせるだけでも、食事全体のバランスは整えやすくなります。
 
続けやすい食事にするには、「鉄分が多い食べ物を探す」よりも、「いつもの献立に1品足す」発想のほうが現実的です。
 
鉄分の多い食べ物だけを単独で増やそうとすると、味の好みや食べる頻度の面で続かなくなることがあります。毎日の食事では、食べやすい主菜に青菜や大豆製品を添えるくらいの形のほうが無理なく続けやすいでしょう。
 

鉄分の多い食べ物を効率よく摂るポイント

鉄分は、ただ多く含まれる食べ物を選ぶだけでなく、どのような種類の鉄か、ほかの食べ物とどう組み合わせるかによって取り入れやすさが変わります。
 
鉄分を意識するときは、「何を食べるか」と「どう食べるか」をあわせて考えることが大切です。
 
鉄分が多い食べ物だけを増やしても、食べ方によっては思ったほど取り入れやすくならないことがあります。
 

ヘム鉄を含む食品をうまく取り入れる

鉄には、肉や魚に多いヘム鉄と、野菜や豆類などに多い非ヘム鉄があります。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、ヘム鉄のほうが吸収されやすいとされています。
 

鉄の種類 多く含む食べ物 特徴
ヘム鉄 レバー、赤身肉、かつお、まぐろ、いわし など 比較的取り込みやすい
非ヘム鉄 小松菜、ほうれん草、大豆製品、海藻類 など 食べ合わせの工夫が大切

 
鉄分を意識したいときは、まずヘム鉄を含む肉や魚を無理なく取り入れられるかを見ると、食事を組み立てやすくなります。
 
レバーは鉄分が多いことで知られていますが、毎日続けやすいとは限りません。かつお、まぐろ、いわし、赤身肉などもあわせて取り入れると、日々の食事に落とし込みやすくなります。
 
レバーだけに頼るより、食べやすい肉や魚も含めて考えるほうが、毎日の食事では続けやすい方法です。
 

非ヘム鉄はビタミンCやたんぱく質と組み合わせる

野菜、豆類、海藻類などに多い非ヘム鉄は、ビタミンCやたんぱく質を含む食べ物と組み合わせると取り入れやすくなります。
 
青菜や大豆製品は、それだけで食べるより、主菜やほかの副菜と組み合わせて食べるほうが実際の食事では続けやすくなります。
 

鉄分を含む食べ物 組み合わせたい食べ物 食べ方の例
小松菜・ほうれん草 肉、魚、じゃがいも、果物 青菜のおひたし+焼き魚、青菜の炒め物+肉料理
豆腐・がんもどき・油揚げ 肉、魚、野菜 豆腐の煮物+野菜のおかず、がんもどき+青菜の副菜
海藻類 豆腐、魚、野菜 わかめと豆腐の味噌汁、海藻サラダ+魚料理

 
取り入れやすさで考えると、特別な食べ方をするより、いつもの献立の中で主菜と副菜を少し意識するくらいが現実的です。
 
野菜や豆類だけで鉄分を補おうとすると、食べる量が多くなりやすいため、組み合わせで考えることが大切です。
 

鉄分の吸収を妨げやすい飲み物や食べ方にも注意する

鉄分を意識しているときは、食べ物だけでなく飲み物や食事全体の流れにも目を向けたいところです。食事の内容が整っていても、飲み物のタイミングや食べ方の偏りで、続けにくくなることがあります。
 

  • 食事中や食後すぐに濃いお茶やコーヒーをたくさん飲む習慣がある
  • 朝食を抜くことが多く、1日を通して食事量が不足しやすい
  • 主菜が少なく、野菜や豆類に偏りすぎている
  • 逆に、野菜や豆類が少なく、肉や魚だけに偏っている

 
こうした状態が続くと、鉄分の多い食べ物を意識していても、食事全体としては整いにくくなります。
 
検査や成分値を確認するときも、最終的には単品の数値より、どういう食べ方をしているかが大切です。毎日の食事では、主菜・副菜・汁物をそろえるだけでも、食事の組み立てがかなり安定します。
 
鉄分を意識するときは、ひとつの食べ物に頼るのではなく、飲み物のタイミングや食事全体のバランスまで含めて見直すことが大切です。
 

鉄分の多い食べ物に関するよくある質問

鉄分が多い果物はありますか?

果物にも鉄分を含むものはありますが、肉類や魚介類、豆類、青菜類と比べると、鉄分を多く含むものはあまり多くありません。
 
干しぶどうや乾燥いちじくなどは比較的鉄分を含みますが、果物は「鉄分をしっかり補う食べ物」というより、食事に少し足しやすいものとして考えるのが自然です。
 
また、果物はビタミンCを含むものも多いため、野菜や豆類に含まれる非ヘム鉄を意識するときの組み合わせとしては使いやすい面があります。
 
果物だけで鉄分を補おうとすると不足しやすいため、主菜や副菜とあわせて考えることが大切です。
 

コンビニやスーパーで選びやすい鉄分の多い食べ物はありますか?

毎日の食事で選びやすいものとしては、焼き魚や魚の惣菜、赤身の肉を使ったおかず、豆腐、納豆、がんもどき、青菜のおひたしなどが挙げられます。
 
特別な食べ物を探すより、普段よく見かける魚・肉・大豆製品・青菜を選ぶほうが続けやすいでしょう。
 
コンビニなら、ゆで卵、サラダチキンだけでなく、ひじき煮、ほうれん草の副菜、豆腐や納豆、焼き魚系のおかずなどを組み合わせると、食事として整えやすくなります。
 
「鉄分が多そう」という印象だけで選ぶのではなく、主菜と副菜をそろえて食べやすい形にすることが大切です。
 

レバー以外で鉄分を摂りやすい食べ物は何ですか?

レバー以外では、かつお、まぐろ、いわし、あさりなどの魚介類や、赤身の肉、大豆製品、小松菜、ほうれん草などが取り入れやすい食べ物です。
 
レバーは鉄分が多いことで知られていますが、味の好みが分かれやすく、頻繁に食べるのが難しい人もいます。毎日の食事で続けやすさを考えるなら、魚や赤身肉、大豆製品、青菜を組み合わせていくほうが現実的です。
 
特に、かつおやまぐろ、木綿豆腐、小松菜などは、献立に入れやすく、食卓で使いやすい食品といえます。
 
鉄分の数値が高い食べ物だけに絞るより、食べやすく続けやすいものを選ぶほうが、毎日の食事では取り入れやすくなります。
 

鉄分不足が気になるときは何を食べればよいですか?

鉄分不足が気になるときは、まず肉や魚のように取り込みやすい鉄を含む食べ物を意識しながら、青菜や大豆製品もあわせて取り入れるのがおすすめです。
 
基本は、ひとつの食べ物に頼るのではなく、主菜と副菜を組み合わせて食事全体で整えることです。
 
たとえば、かつおやまぐろなどの魚、赤身の肉、豆腐や納豆、小松菜やほうれん草を組み合わせると、毎日の食事にも落とし込みやすくなります。
 
また、野菜や豆類に多い非ヘム鉄は、ビタミンCやたんぱく質を含む食べ物と一緒にとると取り入れやすくなります。
 
疲れやすさや立ちくらみなどが続く場合は、食事だけで判断せず、医療機関で確認することも大切です。
 

食べ物だけで鉄分を補うのが難しいときはどうしたらよいですか?

食事量が少ない、好き嫌いが多い、食べられる食材が限られているなど、食べ物だけで十分に取り入れるのが難しいと感じることはあります。
 
その場合でも、まずは食べやすい魚、肉、大豆製品、青菜などの中から、無理なく続けられるものを増やしていくのが基本です。
 
毎日の食事だけで難しいと感じるときほど、「完璧に摂る」より「続けやすい形を増やす」ことが大切です。
 
一方で、体調面で気になることがある場合や、鉄分不足が強く疑われる場合は、食事だけで何とかしようとせず、医療機関で確認したうえで必要な対応を考えることが大切です。
 
サプリメントや強化食品を自己判断で重ねて使う前に、まずは自分の状態を確認することが重要です。
 

まとめ

鉄分の多い食べ物には、レバーや貝類のように数値が高いものだけでなく、魚、赤身の肉、大豆製品、青菜類のように毎日の食事に取り入れやすいものもあります。
 
鉄分を意識するときに大切なのは、「数値が高い食べ物」を探すことだけではなく、「実際に食べやすいか」「続けやすいか」まで含めて考えることです。
 
100gあたりで見ると海藻類や乾物、加工品が目立つことがありますが、普段の食事では1回に食べる量が限られるものも少なくありません。そのため、実際の食事に落とし込むときは、1食あたりでどれくらい取り入れやすいかを見ることが大切です。
 
また、鉄には肉や魚に多いヘム鉄と、野菜や豆類などに多い非ヘム鉄があり、食べ方によって取り入れやすさも変わります。魚や肉を主菜にしながら、青菜や大豆製品を副菜で重ねていくと、毎日の食事でも無理なく続けやすくなります。
 
普段の食事では、ひとつの食べ物に頼るのではなく、主菜・副菜・汁物の中で少しずつ重ねていく形が現実的です。
 
鉄分不足が気になる場合でも、自己判断だけで偏った食べ方を続けるのではなく、必要に応じて体調もあわせて確認することが大切です。
 
食品の成分値を見るときは、100gあたりか1食あたりか、乾燥品か生に近い状態かなど、数字の前提によって印象が変わることがあります。鉄分の多い食べ物を選ぶときは、そうした違いも踏まえながら、自分の食生活に合った形で無理なく取り入れていきましょう。
 

 

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