枝豆に含まれる栄養一覧
枝豆には、たんぱく質や食物繊維だけでなく、複数のビタミン・ミネラルが含まれています。
文部科学省の食品成分データベースによると、ゆでた枝豆の可食部100g当たりの主な栄養成分は以下のとおりです。
栄養成分 | ゆで枝豆100g当たり |
|---|---|
エネルギー | 118kcal |
たんぱく質 | 11.5g |
脂質 | 6.1g |
炭水化物 | 8.9g |
食物繊維 | 4.6g |
カリウム | 490mg |
カルシウム | 76mg |
マグネシウム | 72mg |
リン | 170mg |
鉄 | 2.5mg |
亜鉛 | 1.3mg |
銅 | 0.36mg |
β-カロテン | 260μg |
ビタミンE(α-トコフェロール) | 0.6mg |
ビタミンK | 33μg |
ビタミンB1 | 0.24mg |
ビタミンB2 | 0.13mg |
ナイアシン | 1.0mg |
ビタミンB6 | 0.08mg |
葉酸 | 260μg |
パントテン酸 | 0.45mg |
ビタミンC | 15mg |
特に、植物性たんぱく質を摂りながら、食物繊維やビタミン・ミネラルもまとめて摂取できることが枝豆の特徴です。たとえば、ゆで枝豆100gにはたんぱく質11.5g、食物繊維4.6g、カリウム490mg、鉄2.5mg、葉酸260μgが含まれています。
また、枝豆は大豆が成熟する前に収穫した食品であるため、大豆由来のたんぱく質やミネラルを含みつつ、ビタミンCや葉酸なども摂取できます。ひとつの栄養素だけが突出しているというより、たんぱく質・食物繊維・ビタミン・ミネラルをバランスよく含んでいることが、枝豆の栄養面での大きな特徴といえます。
枝豆に含まれる栄養素の健康効果
枝豆には複数の栄養素が含まれていますが、それぞれ体内で果たす役割は異なります。
ここで注意したいのは、「枝豆を食べれば特定の病気を予防できる」「枝豆を食べるだけで健康状態が改善する」という意味ではないことです。
食品に含まれる栄養素にはそれぞれ生理的な働きがありますが、健康維持には特定の食品だけに偏らず、主食・主菜・副菜などを組み合わせた食事全体のバランスが重要です。
たんぱく質|筋肉や皮膚など体をつくる材料になる
ゆで枝豆100gには、たんぱく質が11.5g含まれています。
たんぱく質は、筋肉だけでなく、臓器、皮膚、毛髪など体を構成する材料になります。また、ホルモンや酵素、抗体などの成分としても利用される、生命維持に欠かせない栄養素です。
枝豆は大豆を未成熟な段階で収穫したものであり、大豆と同じく植物性のたんぱく質を摂取できます。農林水産省も、枝豆にはたんぱく質をはじめ、カルシウム、ビタミン、食物繊維などが含まれているとしています。
枝豆のたんぱく質を構成するアミノ酸には、ロイシンやリジン、バリン、メチオニンなども含まれています。ゆで枝豆100gでは、メチオニンは160mgとされています。
ただし、「メチオニンが含まれているから枝豆を食べれば二日酔いを防げる」といった単純な関係が確立しているわけではありません。枝豆は、あくまで日々の食事の中で植物性たんぱく質やアミノ酸を摂る食品のひとつとして考えるのが適切です。
食物繊維|腸内環境を整える
ゆで枝豆100gには、食物繊維が4.6g含まれます。その内訳は、水溶性食物繊維0.5g、不溶性食物繊維4.1gです。
食物繊維は、人の小腸では消化・吸収されにくく、大腸まで届く成分です。
不溶性食物繊維には便のかさを増やす働きがあり、水溶性食物繊維の一部は腸内細菌に利用されます。食物繊維を摂取することは、便通や腸内環境を整えるうえで重要です。
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人の食物繊維の目標量は年齢によって異なりますが、男性では1日20g以上、女性では18g以上を目安とする年齢層が多くあります。
一方、日本人成人の実際の平均摂取量は1日18.1gとされており、十分に摂れていない人も少なくありません。
枝豆だけで必要量を満たすのではなく、野菜、果物、穀類、いも類、きのこ、海藻などと組み合わせ、さまざまな食品から摂ることが大切です。
葉酸|赤血球の形成を助ける
ゆで枝豆100gには、葉酸が260μg含まれています。
葉酸はビタミンB群の一種で、赤血球の形成やDNAの合成などに関わる栄養素です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、15歳以上の男女について、通常の食品から摂取する葉酸の推奨量は1日240μgとされています。
数値だけを比べると、ゆで枝豆100gに含まれる葉酸260μgは、この240μgを上回ります。
カリウム|体内のナトリウム排出を助ける
ゆで枝豆100gには、カリウムが490mg含まれています。
カリウムは、体液の浸透圧を調整するほか、神経や筋肉の働きにも関わるミネラルです。また、ナトリウムの排出を促す作用などがあり、食塩の摂りすぎを調整するうえでも重要です。
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、生活習慣病の発症予防を目的とした成人のカリウム摂取の目標量は、男性で1日3,000mg以上、女性で2,600mg以上とされています。
ゆで枝豆100gに含まれる490mgは、男性の目標量の約16%、女性では約19%に相当します。
ただし、腎機能が低下している場合などは、カリウムの摂取制限が必要になることがあります。医師からカリウムの摂取について指示を受けている場合は、その指示を優先してください。
鉄|赤血球中のヘモグロビンの材料になる
ゆで枝豆100gには、鉄が2.5mg含まれます。
鉄は、赤血球中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンを構成する重要なミネラルです。ヘモグロビンは酸素を全身へ運ぶ役割を担っているため、鉄が不足すると鉄欠乏性貧血などにつながる可能性があります。
枝豆などの植物性食品に含まれる鉄は、肉や魚に含まれるヘム鉄とは吸収のされ方が異なります。
一方、ビタミンCには植物性食品から摂取した鉄の吸収を助ける働きがあります。枝豆には鉄とビタミンCの両方が含まれている点も特徴です。
ただし、鉄の必要量は年齢や性別、月経の有無などによって大きく異なります。鉄不足が気になる場合も、枝豆だけに頼るのではなく、肉、魚、貝類、大豆製品、野菜など複数の食品から摂取することが重要です。
マグネシウム|骨や歯の形成やエネルギー産生を助ける
ゆで枝豆100gには、マグネシウムが72mg含まれています。
マグネシウムは、骨や歯を構成するミネラルのひとつです。成人の体内には約25g存在し、その50~60%が骨や歯に含まれています。
それだけでなく、多くの酵素の働きを助け、エネルギー産生や筋肉の収縮、神経情報の伝達などにも関わります。
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人男性の推奨量は年齢によって1日330~380mg程度、成人女性では280~290mg程度です。
枝豆はマグネシウムだけでなく、カリウム、鉄、カルシウム、リンなど複数のミネラルを同時に摂取できる食品です。
ビタミンB1・B2|エネルギー代謝を助ける
ゆで枝豆100gには、ビタミンB1が0.24mg、ビタミンB2が0.13mg含まれています。
ビタミンB1やB2は水溶性ビタミンで、食事から摂取した栄養素を体内で利用する際に関わります。
特にビタミンB1は、炭水化物からエネルギーを産生する過程に関与します。ビタミンB2もエネルギー代謝に関わるほか、皮膚や粘膜の健康維持にも必要な栄養素です。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、ビタミンB1、B2、ナイアシンなどはエネルギー代謝を助けるビタミンとして整理されています。
そのため、ごはんなどの主食と枝豆を組み合わせることで、炭水化物だけでは不足しやすい栄養素を補うことにもつながります。
ビタミンC|抗酸化作用やコラーゲン生成を助ける
ゆで枝豆100gには、ビタミンCが15mg含まれています。
ビタミンCには抗酸化作用があり、皮膚や粘膜の健康維持を助けます。また、皮膚や血管などを構成するコラーゲンの合成にも必要な栄養素です。
成熟した大豆と比較すると、枝豆にはビタミンCが残っていることも特徴です。
例えば、食品成分表では、ゆで枝豆100gのビタミンCが15mgであるのに対し、ゆでた国産黄大豆100gのビタミンCは「Tr(微量)」とされています。
枝豆は大豆が成熟する前に収穫されるため、大豆由来のたんぱく質や脂質を含みながら、野菜に多いビタミンCや葉酸も摂れる点が特徴といえます。
イソフラボン|女性ホルモンに似た作用をもつ大豆由来の成分
枝豆は未成熟な大豆です。そのため、大豆由来の成分である大豆イソフラボンも含まれています。
大豆イソフラボンは、たんぱく質やビタミンのように人の生命維持に必須とされる「栄養素」ではなく、大豆に含まれるフラボノイドの一種です。
化学構造が女性ホルモンのエストロゲンに似ており、体内ではエストロゲン受容体との相互作用を通じた生体作用を示します。
ただし、イソフラボンは原料大豆の品種や栽培条件、加工方法などによって含有量が大きく変わります。そのため、「枝豆100gには必ずイソフラボンが○mg含まれている」と一律に考えるのは適切ではありません。
食品安全委員会は、大豆イソフラボンについて、特定の成分だけを過剰に摂取するのではなく、通常の大豆食品を含むバランスのよい食事を心がけることが重要としています。
枝豆の栄養は茹でる・焼く・冷凍することでどう変わる?
枝豆に含まれる栄養素の中には、調理や保存によって量が変化するものがあります。
特に、ビタミンCやビタミンB群、葉酸、カリウムなどは水や熱の影響を受けやすいため、調理方法によって残りやすさが異なります。一方、たんぱく質や食物繊維、鉄などは比較的変化しにくい栄養素です。
茹でる・焼く・冷凍した場合の主な違いは、以下のとおりです。
方法 | 栄養はどう変わる? | 特に影響を受けやすい栄養 |
|---|---|---|
茹でる | 水に溶けやすい栄養素の一部が茹で汁へ流れ出る。長時間加熱すると熱に弱い栄養素も減りやすい | ビタミンC、ビタミンB群、葉酸、カリウム |
焼く | 水を使わないため、茹でる場合より水溶性の栄養素が流れ出にくい。ただし、加熱による減少は起こる | ビタミンC、ビタミンB群など |
冷凍 | 冷凍してもたんぱく質や食物繊維、ミネラルなどの主要な栄養素は残る。一部のビタミンは保存や解凍・加熱によって減少することがある | ビタミンCなど |
茹でる場合に特に意識したいのは、茹で時間です。水溶性のカリウムやビタミンB群などは茹で汁へ流れ出る可能性があり、ビタミンCなどは長時間加熱するほど減少しやすくなります。
「ゆで加熱条件下におけるエダマメ中の呈味成分およびビタミンC含量の変動」という研究では、枝豆を7分以内で茹でた場合は総ビタミンCが90%以上残っていた一方、10分間茹でると85%まで低下したと報告されています。
この研究結果からも、枝豆は茹でただけで栄養が大きく失われるわけではありませんが、必要以上に長く茹でないことが栄養を残すポイントといえます。
一方、焼く場合は水を使わないため、水溶性の栄養素が茹で汁へ流れ出るのを抑えられます。
ただし、ビタミンCなど熱の影響を受ける栄養素は、焼いた場合でも減少する可能性があります。そのため、「焼けば栄養がまったく減らない」というわけではありません。
冷凍しても、枝豆の栄養がなくなるわけではありません。たんぱく質や食物繊維、カリウム、鉄などは冷凍後も摂取できます。ビタミン類の一部は保存期間や解凍・再加熱の影響を受ける可能性がありますが、市販の冷凍枝豆も枝豆の栄養を手軽に摂る方法の一つです。
このように、水溶性の栄養素をなるべく残したいなら焼くなど水を使わない方法、茹でるなら必要以上に加熱しないことがポイントです。冷凍枝豆も栄養を摂れるため、「生の枝豆でなければ栄養価が低い」と考える必要はありません。
枝豆は1日にどれくらい食べるのがいい?
枝豆について、「1日○g食べるべき」「○gを超えると食べすぎ」といった枝豆固有の公的な摂取基準はありませんが、一つの参考になるのが、農林水産省・厚生労働省が示している「食事バランスガイド」です。
食事バランスガイドでは、野菜やいも、豆類などを使った副菜について、主材料約70gを「1つ(1SV)」としています。また、健康日本21では、野菜を1日に350g程度摂取することが目標とされています。
枝豆は食品成分表では「野菜類」に分類されています。そのため、可食部70g程度を副菜1皿ほどの量として考えるのが、日々の食事に取り入れる際の一つの目安になります。
枝豆の栄養を効率よく摂取する調理法
枝豆に含まれる栄養をできるだけ損なわずに食べたい場合は、「茹でるのはよくない」「蒸せばすべての栄養が残る」と調理法だけで判断するのではなく、加熱時間や水との接触時間まで考えることが大切です。
茹でる場合は必要以上に加熱しない
枝豆を茹でる場合は、火が通った後も長時間加熱し続けないようにしましょう。
前述した三宅紀子氏らの研究でも、ゆで時間が長くなることでビタミンCの残存率が低下することが確認されています。そのため、栄養をなるべく残すという観点では、必要な加熱が済んだ段階で茹で上げることが大切です。
「この時間だけ茹でれば栄養が逃げにくい」といった明確な茹で時間の基準はありません。
一方、実際の調理時間の目安として、JA全農にいがたでは、沸騰した湯に枝豆を入れて再沸騰してから、硬めなら4分程度、軟らかめなら7分程度茹でる方法を紹介しています。
枝豆は品種や粒の大きさによって火の通り方が異なるため、すべての枝豆に同じ時間が当てはまるわけではありません。そのため、4〜7分程度をひとつの目安にしつつ、実際に硬さを確認しながら、火が通った段階で茹で上げるとよいでしょう。
水溶性の栄養を残すなら電子レンジや蒸し焼きも選択肢
枝豆に含まれるビタミンCやビタミンB群、カリウムなどは水に溶けやすいため、これらの栄養素をなるべく残したい場合は、水を多く使わない調理方法も選択肢になります。
文部科学省は、食品を水にさらしたり加熱したりすると、食品中の成分が水へ溶け出したり変化したりするとしています。そのため、大量のお湯で茹でるよりも、電子レンジや蒸し焼きなど、水との接触を少なくできる方法の方が、水溶性の栄養素が調理水へ流出するのを抑えやすいと考えられます。
なかでも電子レンジ調理については、東京都保健医療局が、野菜を茹でる場合より加熱時間が短く、水を使わないため、ビタミンCが残りやすいと説明しています。実際に複数の野菜を比較した研究でも、水中で茹でるより電子レンジで加熱した方がビタミンCの残存率が高かったことが報告されています。
枝豆だけを対象に電子レンジや蒸し焼きと茹で調理を比較した十分なデータはありませんが、水溶性の栄養素の流出をできるだけ抑えるという点では、水を多く使わず短時間で加熱できる電子レンジや蒸し焼きを取り入れるのも一つの方法です。
枝豆に含まれる栄養に関するよくある質問
枝豆と大豆では栄養にどんな違いがある?
枝豆と大豆は同じ植物ですが、収穫する時期が異なるため栄養成分に違いがあります。
成熟前に収穫する枝豆は、葉酸やビタミンC、ビタミンB1などを比較的多く含むのが特徴です。一方、成熟させた大豆は、たんぱく質や脂質、食物繊維、マグネシウムなどをより多く含みます。
そのため、枝豆は大豆由来のたんぱく質を摂りながら、ビタミン類も一緒に摂取しやすい食品といえます。
枝豆はダイエットに向いている?
枝豆は、ダイエット中の食事に取り入れやすい食品の一つです。
ゆで枝豆100gは118kcalで、たんぱく質を11.5g、食物繊維を4.6g含んでいます。食物繊維を含み、噛んで食べる食品でもあるため、お菓子やスナック類の代わりに枝豆を適量取り入れるといった使い方はしやすいでしょう。
また、たんぱく質を摂取できるため、野菜だけの副菜よりもたんぱく質を補いやすい点も特徴です。
ただし、枝豆を食べるだけで体脂肪が減ったり、体重が落ちたりするわけではありません。
ダイエット中だから無制限に食べてよい食品と考えるのではなく、お菓子などとの置き換えや、食事全体のたんぱく質・食物繊維を補う食品として適量を取り入れるのがおすすめです。
枝豆の薄皮やさやに栄養は含まれている?
枝豆の薄皮やさやにも栄養成分は含まれています。
薄皮には食物繊維などが含まれており、豆と一緒に食べることで摂取できます。また、さやにも食物繊維やたんぱく質などが含まれていることが報告されています。
まとめ
枝豆は、大豆を未成熟な状態で収穫した食品で、植物性たんぱく質に加え、食物繊維、葉酸、カリウム、鉄、マグネシウム、ビタミンB群、ビタミンCなど、幅広い栄養素を含んでいます。
特にゆで枝豆100gには、たんぱく質11.5g、食物繊維4.6g、カリウム490mg、鉄2.5mg、葉酸260μgなどが含まれます。
枝豆の栄養をできるだけ活かしたい場合は、必要以上に長く加熱せず、茹でるほか、蒸す・蒸し焼きなども取り入れるとよいでしょう。冷凍枝豆にも多くの栄養素が含まれているため、手軽に枝豆を取り入れたい場合には有効な選択肢です。
また、「栄養豊富だからたくさん食べるほどよい」というわけではありません。枝豆だけに偏らず、肉、魚、卵、ほかの野菜や果物、穀類などと組み合わせ、食事全体のバランスを整えることが大切です。