ゆで卵は何日くらい日持ちする?
結論として、家庭で作ったゆで卵は、固ゆで・殻付き・ひびなしの状態で冷蔵した場合、3~4日程度を目安に食べ切りましょう。
日本卵業協会では、家庭で硬くゆでた卵を10℃で保存する場合、殻にひびがなければ3~4日、殻をむいたものはその日のうちに食べることが推奨されています。また、いつひびが入ったかわからないものについては、食べるのを控えるよう案内しています。
ゆで卵の状態ごとの日持ちの考え方をまとめると、以下のとおりです。
ここで注意したいのは、「3~4日」という数字を、4日目までであれば必ず安全に食べられる期限として捉えないことです。実際の日持ちは「冷蔵庫に入れてから何日経ったか」だけで決まるものではありません。
食品の日持ちには、加熱の程度や調理後から冷蔵するまでの時間、調理時の衛生状態、保存温度など、さまざまな条件が関係します。家庭では、同じゆで卵でもこれらの条件を毎回まったく同じにすることは難しく、たとえば冷蔵庫内の温度も食品を置く場所や扉の開閉などによって変動します。
食品検査の現場では、こうした条件を踏まえて保存温度や検査日を設定し、一定期間保存した食品について、一般生菌数などの微生物検査や、必要に応じて理化学試験・官能検査を行い、時間の経過による変化を確認します。
そのため、家庭で作ったゆで卵についても、「まだ3日目だから大丈夫」と日数だけで安全性を判断するのではなく、3~4日は適切に調理・冷蔵した場合の目安として考えることが大切です。
調理後に長時間常温に置いたなど、保存状態に不安がある場合は、目安の日数以内であっても無理に食べないようにしましょう。
ゆで卵は生卵より日持ちしにくい
ゆで卵は、加熱しているからといって生卵より長く保存できるわけではありません。むしろ、家庭で作ったゆで卵は、生卵よりも日持ちしにくくなります。
生卵には、外部から微生物が入り込むのを防ぐ卵殻や卵殻膜があるほか、卵白にも微生物の増殖を抑える働きがあります。たとえば、卵白に含まれる「リゾチーム」は、細菌の細胞壁を分解する作用をもつ成分です。
一方、卵をゆでると卵白のたんぱく質が熱によって変性し、生卵のときとは性質や状態が変わります。そのため、生卵にはもともと備えている微生物の増殖を抑える仕組みがある一方、加熱後のゆで卵にはその効果を期待できなくなるのです。
もちろん、十分な加熱はその時点で存在する食中毒菌などを減らすうえで重要ですが、「加熱した=その後も長期間傷みにくくなる」という意味ではありません。ゆで卵は生卵とは別の食品として考え、ゆでた日を基準に保存期間を管理することが大切です。
殻付きと殻なしで日持ちが変わる
ゆで卵は、殻をむいた状態よりも殻付きのまま保存したほうが日持ちします。実際に日本卵業協会では、家庭で硬くゆでた卵について、10℃で殻にひびがなければ3~4日、殻をむいたものはその日のうちに食べることが推奨されています。
殻をむいたゆで卵が日持ちしにくくなる理由のひとつは、卵白が外部に直接触れるようになるためです。
殻をむく際には、卵白が手指や調理器具などに触れます。その結果、細菌などが食品に付着する機会も増えます。
このように、手指や調理器具などを介して食品に細菌が付着することを「二次汚染」といいます。厚生労働省でも、食中毒を防ぐためには、調理前の手洗いや調理器具の洗浄・消毒などによって食品への二次汚染を防ぐことが重要とされています。
そのため、数日保存する予定のゆで卵は、食べる直前まで殻をむかないようにしましょう。
半熟より固ゆでのほうが日持ちする
数日保存することを前提にゆで卵を作る場合は、半熟ではなく、中心まで十分に加熱した固ゆでにしましょう。
卵で注意したい食中毒菌のひとつが、サルモネラ属菌です。半熟卵は黄身の中心まで十分な温度に達していない場合があるため、十分に加熱した固ゆで卵と同じ保存期間を当てはめるのは適切ではありません。
厚生労働省では、サルモネラ食中毒を予防する方法として、肉や卵を75℃以上で1分以上加熱することを挙げています。
半熟卵そのものを避けなければならないという意味ではありません。作ってすぐに食べる場合は好みのゆで加減を楽しめますが、作り置きを目的とする場合には固ゆでのほうが適しています。
ひびが入ったゆで卵は日持ちしにくい
殻にひびが入ったゆで卵は、ひびのないものと同じ保存期間で考えないようにしましょう。
殻にひびが入ると、卵殻の表面に付着した細菌などが内部へ入り込む可能性があります。そのため、ひびのない卵よりも細菌汚染のリスクが高くなります。
とくに、冷蔵庫から取り出したときにひびを見つけ、いつ割れたのかわからない場合には注意が必要です。いつひびが入ったかわからないゆで卵については、安全のためにも食べるのを控えるのがよいでしょう。
ゆで卵を日持ちさせる保存方法
ゆで卵を日持ちさせるには、固ゆで・殻付きの状態で、調理後は適切に冷蔵保存しましょう。
数日保存する場合は、以下の手順で保存します。
黄身まで十分に加熱するゆで上がった卵を長時間室温に放置しない殻をむかず、清潔な容器や保存袋に入れる冷蔵庫で保存するゆでた日を記録しておく
固ゆでにすることや殻をむかずに保存する理由は前述したとおりです。保存するときは、これに加えて調理後から食べるまで適切な温度で管理することが重要になります。
ゆでたあとは長時間室温に置かず、冷蔵保存してください。農林水産省でも、調理済みの食品を保存する場合は、粗熱を取ったあと早めに冷蔵庫へ入れるよう案内しています。
また、保存容器などにゆでた日を書いておくと、「いつ作ったかわからない」という状態を防ぎやすくなります。適切に冷蔵した場合でも長期保存はせず、固ゆで・殻付き・ひびなしで3~4日程度を目安に食べ切りましょう。
ゆで卵は常温や冷凍でも保存できる?
ゆで卵を数日保存する場合は、常温ではなく冷蔵保存するのが基本です。
常温では食品中の微生物が増殖しやすくなるため、作ったゆで卵を常温のまま保存するのは避けましょう。すぐに食べない場合は、できるだけ早く冷蔵庫に入れて保存します。
一方、「冷凍すれば冷蔵より長く保存できるのでは」と考える方もいるでしょう。しかし、ゆで卵は長期保存を目的としてそのまま冷凍するよりも、冷蔵して数日以内に食べ切るのが基本です。
ここからはゆで卵の常温に置ける時間の考え方や、冷凍する場合の保存期間・注意点について、以下で詳しく解説します。
常温保存は避け、すぐに食べない場合は早めに冷蔵する
ゆで卵は常温での保存を前提にせず、すぐに食べない場合はできるだけ早く冷蔵しましょう。農林水産省も、調理した食品は長時間室温に放置せず、すぐに食べない場合は冷蔵庫に入れるよう呼びかけています。
「常温に何時間置いたら食べられなくなるのか」が気になる方もいるかもしれません。ただし、食品中の微生物が増殖する速さは、室温や食品の状態、調理後の取り扱いなどによって変わるため、「○時間以内なら必ず安全」と一律には判断できません。
ひとつの参考として、米国農務省(USDA)では、固ゆで卵は調理後2時間以内に冷蔵し、冷蔵庫から出したあとも室温に2時間以上置かないよう案内しています。
なお、これは「2時間までならゆで卵を常温保存しても安全」という意味ではありません。とくに気温の高い環境では食品の温度も上がりやすくなるため、時間いっぱいまで常温に置くのではなく、食べないとわかった時点で冷蔵することが大切です。
また、「冬だから常温でも大丈夫」とは判断しないようにしましょう。暖房などによって室温が高くなることもあるため、季節にかかわらず、すぐに食べないゆで卵は冷蔵保存するのが基本です。
ゆで卵は冷凍で保存できるが、長期保存には向いていない
ゆで卵は冷凍することで、冷蔵する場合より保存期間を延ばすことはできます。ただし、家庭で冷凍した食品は長期間保存できるわけではありません。
農林水産省では、家庭用冷凍庫で食品を凍らせる「ホームフリージング」について、2〜3週間以内に使い切るよう案内しています。家庭用冷凍庫では食品がゆっくり凍ることで組織が傷みやすく、保存中の温度変化によっても品質が低下するためです。
そのため、ゆで卵を家庭で冷凍する場合も、数か月単位の長期保存を前提にするのではなく、2〜3週間以内をひとつの目安として早めに食べ切るのがよいでしょう。
ただし、米国農務省(USDA)でも固ゆで卵は冷凍しないよう案内されています。
これは安全性だけでなく品質面の問題もあり、ゆで卵を冷凍すると、とくに白身の食感が変わりやすくなります。そのため、保存期間を多少延ばせるとしても、そのままのゆで卵を冷凍保存する方法は積極的にはおすすめできません。
傷んだゆで卵の見分け方
ゆで卵に普段とは明らかに異なるにおい・ぬめり・カビなどがある場合は、食べずに廃棄しましょう。
ただし、見た目やにおいに異常がないからといって、安全とは限りません。ここは、ゆで卵を食べられるか判断するときに特に注意したいポイントです。
食品を腐敗させる微生物の中には、増殖することで食品のにおいや見た目を変化させるものがあります。異臭やカビなどの異常があれば「食べない」という判断ができます。
一方、食中毒の原因となる微生物が増えていても、見た目やにおい、味に変化が現れるとは限りません。そのため、次のような場合は、見た目やにおいだけで「大丈夫そう」と判断して食べないようにしましょう。
- いつゆでたのかわからない
- 3~4日という目安を大きく過ぎている
- 長時間室温に置いていた
- 保存中の温度管理に不安がある
- いつできたかわからないひびが入っている
ゆで卵は「傷んでいる見た目か」だけでなく、「どのように保存してきたか」まで含めて判断することが重要です。
なお、固ゆで卵の黄身の周囲が暗い緑色になることがありますが、これは必ずしも腐敗を意味するものではありません。ゆですぎた場合などには、卵白から生じた硫化水素が卵黄中の鉄と反応することで、卵黄の表面が暗緑色になることがあります。
黄身が緑色だからという理由だけで腐敗と判断する必要はありません。ただし、保存期間や保存状態に不安がある場合には、無理に食べないようにしましょう。
ゆで卵の日持ちに関するよくある質問
ゆで卵は冷蔵庫で1週間保存できる?
家庭で作ったゆで卵は、1週間保存することを前提にせず、固ゆで・殻付き・ひびなしでも3~4日程度を目安に食べ切りましょう。
「冷蔵庫に入れているから1週間くらい大丈夫」と考えるのではなく、数日以内に食べ切れる量だけ作ることをおすすめします。
市販のゆで卵も3~4日以内に食べるべき?
市販のゆで卵は、家庭で作ったものの3~4日という目安ではなく、商品に表示されている賞味期限・消費期限と保存方法に従いましょう。
市販品では、製造時の加熱方法や衛生管理、包装、保存条件などを踏まえて、製造者が期限を設定しています。
賞味期限・消費期限は、定められた保存方法で保存した未開封の状態を前提に設定されるため、家庭で作ったゆで卵と同じ基準では考えられません。開封後については、表示されている期限だけで判断せず、商品の注意書きに従って早めに食べましょう。
賞味期限が近い生卵をゆでると日持ちは延びる?
賞味期限が近い生卵をゆでても、生卵の賞味期限にゆで卵の保存日数が追加されるわけではありません。
生卵の賞味期限は、安心して生食できる期限を示しています。ゆでることで食品の状態が変わるため、ゆでたあとは改めてゆで卵として保存期間を考える必要があります。
たとえば、「生卵の賞味期限まであと5日+ゆで卵の日持ち3~4日=8~9日保存できる」という考え方はできません。ゆでたあとは、固ゆで・殻付き・ひびなしで適切に冷蔵した場合でも、3~4日程度を目安に食べ切りましょう。
味付け卵にすると日持ちする?
しょうゆなどの調味液に漬けたからといって、家庭で作った味付け卵が必ず普通のゆで卵より長く日持ちするとは限りません。
食品の日持ちは、塩分濃度やpH、加熱状態、保存温度、製造時の衛生状態など、さまざまな条件によって変わります。そのため、「しょうゆに漬けたから○日もつ」といった一律の判断はできません。
食品の期限を科学的に設定する場合にも、食品の特性に合わせて微生物試験、理化学試験、官能検査などから必要な検査を選び、保存中の変化を確認します。家庭で作った味付け卵については、長期保存を前提にせず冷蔵し、早めに食べるようにしましょう。
ゆで卵をお弁当に入れても大丈夫?
ゆで卵はお弁当に入れられますが、半熟ではなく黄身まで十分に加熱し、温度管理にも注意しましょう。また、おかずは冷ましてから詰め、長時間持ち歩く場合には保冷剤や保冷バッグを使うことも大切です。
お弁当は、家庭の冷蔵庫で保存する場合よりも温度が安定しにくくなります。特に気温の高い時期は、十分な加熱と保冷の両方を意識しましょう。
まとめ
家庭で作ったゆで卵は、固ゆで・殻付き・ひびなしで適切に冷蔵した場合、3~4日程度を目安に食べ切りましょう。殻をむいたものは、その日のうちに食べることが推奨されています。
また、作り置きをする場合は半熟ではなく固ゆでにし、殻にひびのあるものは長期保存を前提にしないことも大切です。
ゆで卵の日持ちは、単純に「冷蔵庫に入れてから何日経ったか」だけで決まるものではありません。加熱状態や殻の有無、調理中の衛生状態、保存温度などによっても変わります。
そのため、十分に加熱する、清潔に扱う、速やかに冷蔵する、保存期間を過信しないという基本的な食品衛生管理を守りましょう。
また、見た目やにおいに問題がないからといって、安全だと判断できるわけではありません。いつ作ったかわからないものや、長時間常温に置いたものなど、保存状態に不安がある場合は無理に食べないことも大切です。