自家製の缶詰には要注意!ボツリヌス菌による食中毒とは?|症状や予防方法について解説

「はちみつにはボツリヌス菌が含まれている可能性があるため、赤ちゃんには与えてはいけない」という話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。これは事実ですが、ボツリヌス菌による食中毒は乳児だけでなく、成人にも発症する可能性があります。国内での発生件数は年間数件程度と多くはありません。しかし、ボツリヌス菌が産生する毒素は極めて強力で、重症化すると死に至ることもあります。
今回は、私たちの身近に潜む危険な食中毒の一つであるボツリヌス菌食中毒について、その特徴や予防法をわかりやすく解説します。
 

ボツリヌス菌とは

土壌や、海や川の泥の中に分布している、クロストリジウム属の嫌気性菌(酸素のない環境で増殖する菌)です。ボツリヌス菌は芽胞という、熱や乾燥、化学物質等に耐えることができる硬い殻を形成し、厳しい環境下でも生き延びることができます。ボツリヌス菌の芽胞は生育条件が整うと発芽・増殖し、毒素を産生します。この毒素は、現在知られている自然界の毒素の中で最も強い毒力があるといわれています。
 

ボツリヌス菌の食中毒の症状

ボツリヌス菌による食中毒の症状は、ボツリヌス症と、乳児に発生する乳児ボツリヌス症に分類されます。
ボツリヌス症はボツリヌス菌が産生する毒素によって引き起こされます。潜伏期間は8~36時間で、症状としては嘔吐、下痢、言語障害、筋力低下があります。呼吸困難になり、死に至ることもあります。
 
乳児ボツリヌス症とは一歳未満の乳児にみられるボツリヌス症です。乳児は腸内環境が未熟で他の腸内細菌との競合が起きにくいため、腸内でボツリヌス菌の定着と増殖が起こりやすいと言われています。乳児ボツリヌス菌の症状としては、数日間続く便秘や筋力の低下、泣き声が小さくなる、無表情になることが挙げられます。たいていの場合は適切な治療によって回復しますが、重症化すると呼吸困難に陥り死に至ることがあります。
 

食中毒の原因になりやすい食品

真空状態で保存されている食品や自家製の缶詰が食中毒の原因となることが多いです。これまで原因として特定されたものとしては、自家製のいずし、缶詰や瓶詰の食品、真空パック食品、レトルト類似食品などがあります。
乳児ボツリヌス症の原因食品にははちみつ、コーンシロップがあります。
 

食中毒の予防のポイント

食中毒を予防するために気を付けるべきポイントがいくつかあります。
 

  • 食品に異臭があったり、真空パックや缶詰が膨張していたりする場合は食べないようにしてください。
  • 常温保存可能なレトルト食品と似ている包装の食品でも、要冷蔵の場合があるため食品の保存方法は必ず確認してください。
  • 1歳未満の乳児に、はちみつやはちみつ入りの離乳食・飲料・お菓子などを与えないようにしましょう。
  • 自家製の缶詰食品やいずしを作る場合は、原材料をよく洗い、加熱殺菌の温度や保存の方法に十分注意してください。
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    治療

    ボツリヌス症が疑われる場合、ボツリヌス抗毒素を投与して治療します。診断後すぐに投与することで死亡率の低減につながります。重度の症状がみられる場合は、数週間から数か月に及ぶ対症療法が必要となることもあります。
     
    乳児ボツリヌス症の治療では対症療法が基本となっています。呼吸管理や経管栄養(チューブで必要な栄養を直接胃や腸に送る治療法)を行いますが、適切な対症療法が行われていれば乳児ボツリヌス症の予後は良く、米国では死亡率1%以下とされています。
     
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    参考文献
    >>ボツリヌス菌|「食品衛生の窓」 |東京都保健医療局
    >>ボツリヌス菌|食中毒の原因解説|食品衛生 |ライオンハイジーン株式会社
    >>ボツリヌス菌(細菌)[Clostridium botulinum]|農林水産省
     

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