「HACCP」に関するQ&Aをまとめました。
気になる質問がございましたら、Qをクリックして、回答をご確認ください。
◎ HACCP Q&A
Q1.衛生管理の「見える化」とは?
Q2.具体的な取り組みについて
Q3.書類の作成
Q4.記録を付ける意味
Q5.録を付けるときの注意点
A1. 調理工程で何が食品に関わる危害なのかを分析することで、新人従業員であっても、何がリスクがあるのか。なぜリスクがあるのか。を理解することができるようになります。
また、そのリスクをコントロールするための手順をきちんと定めておけば、万が一、調理工程から逸脱をした場合にもスムーズに対処が出来るようになります。今まで、不明確であった作業の手順もマニュアルで統一化することにより従業員の衛生意識もレベルアップが期待できます。
例えば、写真付きの手洗い方法を手洗い場に掲示することも「見える化」の取組の一つです。
A2. 施設整備は施設基準を満たしていれば、現状の設備で大丈夫です。衛生管理についても、今まで行ってきた常識的な衛生管理の延長線上に考えられたものがHACCPです。
A3. HACCPは大変!という理由として、多くの書類を用意しないといけないと皆様はお考えではないでしょうか。書類整備だけ見るとシンプルで必要な書類はそこまで多くありません。
HACCPを導入するにあたって、「一般衛生管理」と「重要管理ポイントの管理」の計画書を作成することが必要となります。
これまで施設で行われていたことを、衛生管理計画として作成し、記録をしていくことが必要になります。
具体的には、
①衛生管理計画を作成する
・日ごろから行っている衛生管理を、いつどのように行うのか項目や確認の方法を盛り込んだ衛生管理計画書を作成する。
・調理方法に基づいて、メニューを4つのグループに分類し、重要管理のポイントを整理した計画書を作成する。
4つのグループとは、「生で食べる料理」「加熱後に提供する料理」「加熱後に冷却する料理」「冷却後に再加熱する料理」です。
②衛生管理計画の実施・記録する
決められた計画のとおりに、衛生管理を実施し、記録を残す。
③記録を確認し、計画の見直しをする
問題があった時の記録を確認し、定期的に計画の見直しを図る。
衛生管理計画では、調理過程で何に気を付けるか明文化します。そして、実施する際には、その手順に従うことが大切です。また、手順と異なることをした場合はすべて記録し、適宜見直しを行うことが「見える化」の第一歩となります。
この「見える化」をするにあたって、さらによくなる方法がないか考えていきます。
例えば、手洗い一つとってみても、従来の手の洗い方でいいのか考えてみたら、もっと効果的な方法があるので、その方法変えてみる等、施設全体で見直しする作業もHACCPの取組みなのです。
A4. HACCPの手法にそって食品を製造し、必要な記録を残すことで、問題が発生した時に衛生管理の状況をさかのぼって調べることができたり、実施したことの証明をすることができます。 また、記録が残っていれば監査の対応時に提示できます。
A5. ・記録を付けるタイミングを明確にしておく
明確にしておかないと、忙しいから後でまとめて記録をつけよう、となってしまいます。
・記録を付ける人を明確にしておく
明確にしておかないと、誰かが記録してくれるだろうとなってしまうため、担当者を決めて責任をもって記録する必要があります。
・記録を付ける重要性を共有化しておく
「なぜ」その記録が必要なのか?従業員皆で共有できていないと、記録を付けることに対する優先順位が下がってしまい、記録を取ることが後回しになったり、記録漏れがあっても気にしない環境になってしまいます。
・記録を管理者が最終チェックする
管理者が確認をしないと、やらなくてもいいのかなと思ってしまいます。そのため、1日の業務終了後に確認するなど、頻度を決めておく必要があります。
・記録を付けることが目的にならないようにする
一番重要なのは、手順の通りに出来ている事であり、記録を付けることが目的になってしまうと、逸脱したときに改善されることなくそのままになってしまう可能性があります。管理者が記録のチェックをすることで記録からの異常を確認することができます。