PFASの完全分解・室温分解に成功 大阪大学や神奈川大学など

大阪大学と民間企業の研究グループは、発がん性が指摘され、工業排水に混ざると除去が困難とされるPFAS(有機フッ素化合物)の完全分解装置の開発に成功しました。
これまで、PFASは理論上、プラズマで分解できると考えられていましたが、従来のプラズマの周波数が低く、実際に分解することは困難でした。
しかし今回、プラズマの周波数を大幅に高めることに成功し、この高周波プラズマを用いることでPFASを完全に分解し、無毒化することが可能になったということです。
この技術は、2年以内の実用化が目指されるということです。

 

また、大学ジャーナルによると、名古屋工業大学・神奈川大学の研究グループは、バレンシア大学と共同で、フッ素系高分子PTFEやPFOAなど様々なPFASを、常温・常圧で分解する新技術を開発しました。
この技術は、金属ナトリウム分散体を用いることで、PTFEやPFOAなどの様々なPFASを分解・脱フッ素化し、フッ化ナトリウムとして回収するものです。
回収されたフッ化ナトリウムは、フッ素資源として再利用でき、環境負荷低減とフッ素資源循環に貢献が期待されるということです。

 

PFASとは

有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称して「PFAS(ピーファス)」と呼び、多種類の物質があるとされています。
PFAS(ピーファス)の中でも、PFOS(ピーフォス)(ペルフルオロオクタンスルホン酸)およびPFOA(ピーフォア)(ペルフルオロオクタン酸)は幅広い用途で使用されています。

 

PFASによる人体への影響

人においてはコレステロール値の上昇や発がん、免疫系統と関連が報告されています。しかし、どのくらい入ると影響が出るのかは解明されておりません。
国際がん研究機関(IARC)では、PFOA(ピーフォア)を「ヒトに対して発がん性がある(グループ1)」、PFOS(ピーフォス)を「ヒトに対して発がん性がある可能性がある(グループ2B)」と評価しています。
分解されにくく、蓄積されやすい性質から人体に入ることで、体内に長期に渡り残留し、健康リスクを引き起こす可能性があることからも調査が進められています。
上記より、暫定目標値の取扱いについて、専門家による検討を進めている段階です。

 

2026年4月1日よりPFAS検査義務化

2026年4月1日以降、水道法の水質基準項目にPFOSとPFOAが新たに加わります。
この改正により、水道事業者には3カ月に一度、PFOSおよびPFOAに関する定期的な水質検査が義務付けられます。
これまで国は、PFOSとPFOAの合計値を1リットルあたり50ナノグラムとする暫定目標値を設けていましたが、これは法的拘束力のないものでした。
今後は、この暫定目標値が法的拘束力をもつ水質基準へと変更されます。
これにともない、水質検査でPFASが基準値を超えて検出された場合、水道事業者は改善措置を講じることが求められるようになります。

 

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