ヴィ―ガン検査 Q&A

「ヴィ―ガン」に関するQ&Aをまとめました。
気になる質問がございましたら、Qをクリックして、回答をご確認ください。

◎ ヴィ―ガンの検査 Q&A

Q4. 食品に動物性成分が入っていることが、本当に検査でわかるのですか?
Q5. 検査でN.D(動物性成分の不検出)であればヴィーガン食品と証明され、ヴィーガン食品として販売しても問題ないでしょうか?
Q6. どのような製品(食品)でも検査は可能でしょうか?
Q7. 混入判別が可能な動物種は何ですか?
Q8. 検査方法は何に準じていますか?
Q9. 動物性遺伝子検査のPCR法とはどういった方法ですか?
Q10. たんぱく質有無検査のELISA法とはどういった方法ですか?
Q11. 動物性遺伝子検査のPCR法について検出下限値を教えてください。
Q12. たんぱく質有無検査のELISA法について検出下限値を教えてください。
Q13. 拭き取り検査を依頼することはできますか?

◎ 今後のヴィ―ガンに関する動き・アドバイス等 Q&A

Q14. なぜ群馬県でヴィーガン気運が高まり始めているのでしょうか?
Q15. ヴィーガン食品を製造する工場や調理する施設で、動物由来の検査を実施する意味はありますか?
Q16. ヴィーガン食品を製造するに当たり、何を注意すればいいですか?


Q1. ヴィーガン(Vegan,ビーガン)とは何ですか?

A1. 動物への搾取をしない(動物性食品を食べない)考え方・主義です。

動物性食品(肉・魚・卵・乳・ハチミツ等)を摂らないような思考全般を支持する人を、一般に「ヴィ―ガン」と呼び、環境破壊・動物愛護・健康志向への関心の高い層を中心に、近年「ヴィ―ガン」人口が増えています。
「ヴィーガン」はイギリスが発祥であり、辞書の意味では「完全菜食主義者」と訳されることが多いです。英国ヴィーガン協会の初代副会長レスリークロス氏の著「ヴィーガニズムの定義」(1951)によると、『ヴィーガニズムとは、人間は動物の搾取なしで生きるべきであるとする主義である。』と記され、『ヴィーガン食は、「果物、ナッツ、野菜、穀物とその他健康によい非動物由来品」にすべて基づいており、「生肉、魚、鶏肉、卵、はちみつと動物乳とその他動物由来品」を除外している。』と記されております。よって、著書の中での「ヴィーガン」とは「ヴィーガニズム(主義)」を貫く人やその生活を意味しています。


Q2. 「ヴィーガン」と「ベジタリアン」は違いますか?

A2. 菜食主義という点では同じですが、考え方・食べられるもの等に違いがあります。

菜食主義者にも様々な派生があり、その総称を「ベジタリアン」といいます。
「ベジタリアン」の中で、より厳密に動物性食品(卵や乳製品、ハチミツを含む)を一切口にしない菜食趣向のことを「ヴィーガン」といいます。
「ヴィ―ガン」の根本には「動物への搾取をしない」といった考え方があります。


Q3. ヴィーガン食品の規格はありますか?

A3. 公共的な規格はありません。(2020年4月現在)

厳密にヴィ―ガン食品であることを証明することは難しい為、
現在存在しているヴィ―ガン食品に係る規格については、
あくまで各協会団体の独自規格にとどまっています。


Q4. 食品に動物性成分が入っていることが、本当に検査でわかるのですか?

A4. 動物性成分の混入を推測することは、科学的手法で可能です。

弊社では、食品中に含有する(混入している)動物性遺伝子の有無から、
動物性成分の混入を推測する手法を用いています。
ただし、「乳」「卵」は例外で、遺伝子が検出できないため各食材由来タンパク質を検査する個別の方法で混入を推測しています。


Q5. 検査でN.D(動物性遺伝子の不検出)であればヴィーガン食品と証明され、ヴィーガン食品として販売しても問題ないでしょうか?

A5. 検査サンプル(現物)の動物性遺伝子の有無は証明可能ですが、販売・表示には一定の注意が必要です。

検査はあくまで検査サンプル中の動物性遺伝子の含有を確認するものです。
原材料から製造過程まですべての工程における動物性成分の使用有無を証明するものではありません。
厳密にすべての工程で動物性成分不使用の証明を行うことは難しく、現実的でないですが、少なくとも販売食品に対して動物性成分の含有を科学的に確認することは、貴社のヴィーガン対応への信頼性を高めることに繋がります。
(補足 : 販売に際し食品表示法には「ヴィ―ガン」に関する明確なルールはありませんが、消費者の誤解を生み、偽装・不当表示等の指摘があれば改善指示・罰則となる場合もあります。販売・表記に係る責任は弊社で負いかねますのであらかじめご了承ください。)


Q6.  どのような製品(食品)でも検査は可能でしょうか?

A6. 一般的な食品であれば基本的に検査可能です。

基本的には検査可能ですが、食品検体によっては検出感度が変わることもございます。
「高度に加工された食品(高温・長時間の加熱・乾燥等、動物性遺伝子が壊れるレベルの加工)」については検出できない場合もございます。
もしご心配であれば、ご依頼前に製品の種類、製造工程などあらかじめご相談ください。


Q7. 混入判別が可能な動物種は何ですか?

A7. 一般に食用としてメジャーな動物種は基本的に検出可能です。(一部例外を除く)

普段食材となるような哺乳類(牛・豚・鶏等)、魚類、甲殻類などは幅広く検出可能ですが、一般に食用でない動物種については判別できない場合もございます。
一般に食用でない動物種の混入が疑われるときは、その動物由来食材サンプルをお送りいただければ、検出確認試験を行うことも可能です。
(別途料金が生じる場合もございます。あらかじめご了承ください。)
また一般に食用としてメジャーでも「はちみつ」など混入判別が難しい、一部例外的な食品もございます。


Q8. 検査方法は何に準じていますか?

A8. 厚生労働省通知法および消費者庁次長通知平成22年9月10日 消食表第286号に準じています。


Q9.  動物性遺伝子検査のPCR法とはどういった方法ですか?

A9. 動物や魚が持つ共通の遺伝子配列が検出されるかどうかを確認する検査方法です。


Q10.  たんぱく質有無検査のELISA法とはどういった方法ですか?

A10. 抗原抗体反応を用いで動物由来のタンパク質の有無を確認する検査方法です。

下記の理由から、「乳」「卵」はPCR法(遺伝子判別)ではなく、ELISA法を用いています。
・ 「乳」は乳牛の代謝物であるため遺伝子の混入が殆どないため。
・ 「卵」についてはそのものが1個の細胞であり、白身などの部分にはもともと遺伝子は含まれないため。


Q11. 動物性遺伝子検査のPCR法について検出下限値を教えてください。

A11. 明確な検出下限値の提示はできませんが、10 μg/g程度を想定しています。

10 μg/gは検体 1 g あたりに0.00001g 程度の混入を検出できる感度になります。
検査検体により検出下限値が上下することがあるため、公定法のPCR法の検出下限値は明確には提示されておりません。しかし、検査方法(平成22年9月10日消食表第286号)において,ELISA法で対象タンパク質が10 μg/g(=ppm)を超えて検出された場合に確認検査としてPCR法を行うことから,PCR法では検体中に対象タンパク質が10 μg/g程度含まれていれば検出されると考えられます。
※ふき取り検査の場合、ふき取り後の懸濁液中に10 μg/mLとなります。


Q12. たんぱく質有無検査のELISA法について検出下限値を教えてください。

A12.  1.0 μg/gです。

1.0 μg/gは検体 1 g あたりに0.000001g 程度の混入を検出できる感度になります。
※ふき取り検査の場合、ふき取り後の懸濁液中に1.0 μg/mLとなります。


Q13. ふき取り検査を依頼することはできますか?

A13. 可能です。

ふき取り検査は、綿棒のようなもので器具や製造装置をふき取り、ふき取った場所に目的物質(動物性遺伝子・タンパク質)が残っていないかを検査する手法です。
詳しくはこちらをご確認ください→【ヴィ―ガンふき取り検査


Q14.  なぜ群馬県でヴィーガン気運が高まり始めているのでしょうか?

A14. 群馬県がヴィ―ガンの好む食材の産地だからです。

JETRO群馬では、県内にコンニャクイモやウメなどヴィーガン好みの食材が多いことに着目し、19年度からヴィーガン関連事業を本格開始しました。
ヴィーガンに対応した飲食店を増やして観光客を誘致するほか、県産食材の輸出促進につなげる考えでいるようです。
また、群馬県は、野菜の中でもキャベツ、きゅうり、枝豆、白菜、ほうれん草及びレタス等の生産は全国レベルで3位以内であり、全国有数の野菜生産県として、「群馬=食の多様性に優しい観光地」のブランディングイメージを確立する事にも繋げる計画としています。


Q15. ヴィーガン食品を製造する工場や調理する施設で、動物由来の検査を実施する意味はありますか?

A15. あります。検査は意図しない混入を避けるためにも役立ちます。

商品・料理に使用する食材がヴィ―ガン食品であっても、完成品がヴィ―ガン食品であるとは限りません。同じ器具・ラインで動物性食材を処理していた場合など、どこかでコンタミネーションを起こしている場合もあります。
食品そのものの検査以外に施設をふき取り検査する意味は、施設マニュアルや構築した仕組みによって動物由来の原材料が入ることをきちんと防げる状況であるかを科学的に確認することです。
使う器具、洗浄の方法、包装・パッケージなど様々な要因を検討して混入を防げるのかを確認する上で、検査は有効となります。


Q16. ヴィーガン食品を製造するに当たり、何を注意すれば宜しいですか?

A16. コンタミネーションに十分注意しましょう。

ヴィーガン食品は、動物由来の肉、卵、乳、魚、はちみつの使用が出来ません。よって、動物由来の原材料を使用して製造する一般の食品を製造している工場の注意点としては、原材料保管の明確な区分を徹底し、製造機械や調理器具からのコンタミネーションを防がなければなりません
また、そういったコンタミネーションを防ぐマニュアル・ルールについて定め、従業員に共有する事もコンタミネーションの防止に効果的です。
ハラール食品と同様「少しくらいは大丈夫」といった意識が、ヴィ―ガン思想の方を傷つける結果となる場合もありますので、製造者全員の意識統一も必要となります。

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