養豚業界の2024年の振り返りと2025年の展望 2025年1月号

皆様、新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
さて、2024年の辰年は皆さまにとっていい年だったでしょうか。少し振り返ると2024年の養豚業界は相場には助けられた印象があります。
しかし、想定を超えた猛暑と高かった湿度による生産成績への影響、建材資材高騰による補修、改築、増頭へのブレーキ、配送業界の人員不足と運賃高騰、従業員確保の困難、衛生費の向上、豚熱、PRRS、サーコ、グレーサー、連鎖球菌、マイコプラズマ、浮腫病、JE、PPV、豚丹毒等々など、様々な案件に悩まされた農場も多かったと思います。
人に関わる疾病でもインフルエンザ、マイコプラズマ、溶連菌、新型コロナウイルス、手足口病、RSウイルスなど様々なニュースが飛び交っていました。
 
さらに特徴としては、紅葉にも影響があったことですが、夏日の延長による高い気温と湿度、寒暖差など、秋季の期間がとても少なかった印象があります。
関東地区、西日本地区では例年以上の高い気温と湿度でしたが、北海道地区、東北地域では昨年より気温は高くなかったものの、湿度は例年以上となり、飼料管理、舎内管理に手間取った農場が多く見られました。
学校や公共施設、宿泊施設にまでカビの影響があったほどでした。特に、ウインドレス舎、クーリング・パド使用農場でのカビ、カビ毒汚染は顕著だったと思います。さて、2024年は夏が長く、秋が殆どなかった印象の年でしたが、12月末にはクリスマス寒波のニュースも飛び交いました。今年も突然の大雪、寒波には注意が必要のようです。
 
新しい年(2025年)がスタートしました。今年も良い年で過ごせるようにと願っています。
今年も油断することが出来ない豚熱については、ワクチン接種以外の予防策も重要であり、行えるイノシシ防御の設備、資材、農場内に持ちこませないバイオセキュリティなど、今一度従業員を含めた動線管理のチェック、衛生管理のチェック、衛生区域と非衛生区域の管理区分など、見直しと確認が求められると思います。
今年の干支は巳年です。弊社も一丸となって業界を盛り上げるように邁進していく所存です。
 
本年もよろしくお願いいたします。
 
(株)食環境衛生研究所 菊池雄一
 
 

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