豚
嘔吐と水曜下痢を主張とするコロナウイルス属の急性伝染病。年齢を問わず全ての豚に感染するが、発病率および致死率は幼齢豚ほど高い。TGEVの血清型は単一で、ウイルス株間に抗原性の相違は認められない。伝播方法は、キャリアー状態の豚によって侵入することが多く、豚への感染は経口および経鼻的に成立する。主な標的臓器は小腸で、呼吸器粘膜でも増殖する。発病豚の下痢便中には多量のウイルスが排出され、接触および汚染飼料や飲用水を介して感染が拡大する。エロゾール感染の可能性もある。また、ウイルスがヒトの着衣や靴、作業機具、車両などに付着して伝播することもある。発生の多くが晩秋から早春までの寒冷期に集中し、夏季には少ない。この理由として、TGEVは紫外線や熱、乾燥などの物理的要因に対し抵抗力が弱く、夏季には外界で生存しにくいことが指摘されている。<豚病学より抜粋>KK-N090806