グレーサー病
起因菌はHaemophilus parasuis。グラム陰性桿菌で、球菌様から連鎖状、フィラメント状などの多形成を示し、病巣由来株はとくにこの傾向が強い。発育にV因子(NAD)を要求し、非溶血性でポルフィリン試験およびカタラーゼ陽性、ウレアーゼとインドールは陰性を示す。輸送、離乳あるいは気温の急激な変化などが誘引となる。発生は主として子豚(5~10週齢)に散発的に発生する。甚急性症状は?発熱その他の症状を呈することなく急死する。急性症状は発熱(41℃前後)を特徴とし、元気消失、食欲不振を示す。また、関節が腫脹し跛行する。呼吸器症状をともなうこともある。ときに鼻端、肢端、腹部などにチアノーゼを示す。急性症状で骨髄炎を併発した場合は後躯麻痺、起立不狽笳V泳運動などの神経症状が現れる。血液所見は初期に好中球の増加と核左方転移を示し、重症例では白血球数が減少する。SPF豚での症状は?ときに耳根部の炎症性腫脹や顔面の浮腫がみられる。耐過豚ではしばしば発育が遅延する。<豚病学 第四版より抜粋>O-N101119