食品微生物学的検査

河川、池、沼、海岸、海あるいは田や畑などの土壌に分布する偏性嫌気性菌です。その分布状況が国ないし地域により著しく異なっています。わが国では、北海道、青森、秋田、などの地方ではE型ポツリヌス菌が河川や湖あるいは海に分布しているため、これらの地方で捕獲される淡水の魚介類や海さん性の魚介類日本菌汚染がみられています。アメリカでは感染や湖のE型菌汚染のほかに耕地がAやB型菌で汚染されているため、野菜類、果物、きのこなどに食品にまでポツリフス菌汚染が広がっていますし、牧草などを介して家畜が汚染を受け、食肉が本菌によって迄Iされています。食品内でポツリヌス菌が増殖し、産生されたポツリヌス毒素によってヒトが中毒を起こします。原因食品として缶詰、瓶詰め、真空包装食品、ソーセージ、ハム、くん製魚、発酵食品などいずれも嫌気的な条件が備わった長期保存食品があります。このほかに1歳以下の乳児がポツリヌス菌芽胞を摂取すると、腸管内でポツリヌス菌が増殖して中毒を起こします。中毒の原因になりやすい原料や加工製品については本菌の安全性を評価するために食品からの本菌検査が進められています。(T090814)

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