食品微生物学的検査

偏性嫌気性で、各種家畜や家禽あるいはヒトの腸管内に常在しており、土壌や海泥にも分布しているので、食肉、魚介類あるいは野菜など多くの食品が本菌で汚染されています。さらに、本菌の特徴として耐熱性の芽胞を形成しているため、加熱処理によっても完全に死滅しないことがあり、調理食品や加工食品からも本菌が検出され、食品の品質管理上問題の多い細菌でもあります。動物や食品から検出されるすべてのウェルシュ菌がヒトに食中毒を起こすわけでもなく、これらに分布する菌のうち、エンテロトキシン産生性をもった一部のウェルシュ菌が食中毒の原因となります。食品中でウェルシュ菌が増殖できる嫌気的条件が備わった食品、たとえばスープ、肉団子、食肉や魚の加熱調理食品が原因食品となります。大量に検出される食品には病原性のあるエステロとキシン産生性ウェルシュ菌汚染の危険性が高いといえます。したがって、食品の品質評価のための検査は一般ウェルシュ菌の菌数検査を導入した方法で十分であります。(T090814)

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