哺乳豚では、12時間~1日の潜伏期の後、激しい水様下痢を示す。嘔吐は下痢の開始直前からみられ、下痢の間持続する。とくに離乳直後に激しい。下利便は初め乳白色であるが、次第に黄緑色を帯び、末期にはやや粘稠性となる。下痢とともに急速に脱水状態となり、体重は激減する。7日齢以下の豚は発病後2~7日以内にほとんど死亡する。致死率は日齢とともに低下するが、回復後の発育はきわめて悪く、ヒネ豚になるものが多い。育成豚では、2~3日の潜伏期を経て、突発的に水様下痢を呈する。初期には嘔吐をともなうことも多い。下利便は灰色または茶褐色を示し、下痢の極期には多量の水分と未消化の固形物をわずかに含むが、回復時には粘稠性となる。一般に下痢の持続期間は長くて5~7日で、多くの豚が回復する。発病率は高いが致死率は5%以下と低い。しかし、ほかの病原体の混合感染がある場合には致死率が25~30%に達することもある。体重は下痢のために減少する。成豚では、潜伏期間は3~4日であるが、発病しない豚が多い。症状も食欲不振、一過性の軟便または下痢、激しい水様下痢など個体によって異なるが、経過は一般に短い。 妊娠豚では、成豚よりも発病率は高く、症状も顕著である。分娩時に最も感受性が高く、母子ともに感染発病することが多い。母豚では泌乳が低下または停止することが多いため、哺乳豚の飢餓が誘発され致死率を高める原因となる。<豚病学より抜粋>KK-N090806

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