レンサ球菌病
豚のレンサ球菌病のなかでは、S.suis病が最も重要であり、髄膜炎、敗血症、心内膜炎、肺炎、あるいは関節炎など種々の病気をおこす。近年、豚繁殖・呼吸障害症候群あるいはオーエスキー病との混合感染菌としても重要視されている。本菌はヒトにも感染することが知られ、人畜共通感染病としても注目されている。S.suisはLancefield血清群のD群に属するが、莢膜多糖体の抗原性の違いにより1~28型まで、さらに1/2型を含めて29種の血清型に分類されている。羊血液加寒天培地上でα(アルファープライム)溶血性を示すが、血球の種類が異なるとβ溶血性を示す場合もある。集落は直径1~2mmの微小集落で、グラム陽性、球あるいは卵円形を示し、2~短連鎖を形成する。病原性には菌体舞wに存在する蛋白mura-midase-released protein(分子量136kDaおよびextracellular factor;分子量110kDa)が深く関与している。S.suis病は血清型2型による発生が最も多く、次いで7型、1/2型、3型、4型が多い。本病は、菌を扁桃に保菌する健康豚が群のなかにもち込まれることにより感染が広がる。また、秋から春にかけて、あるいは気候の急激な変動により流行することが認められている潜伏期は一般に24時間から2週間といわれるが、さまざまである。<豚病学より抜粋>O-N100507