猛暑に備える 2024年5月号
昨年は記録にも記憶にも残るかなりの猛暑となりました。全国が釜茹で状態になったと比喩する生産者の言葉が印象的で頭に残っていますが、決して大げさな表現ではなかったように思います。生産現場ではあまり暑い夏が来ない方が管理はしやすいのですが、豚肉の販売面と購買意欲面から見ると、猛暑の夏は歓迎する声もあるのが痛痒い現実になっていると思います。
全国的な猛暑だった昨年でも、特に昨年は東北地区、北海道地区の猛暑被害が顕著だったように思います。当たって欲しくはありませんが、今年の夏季も確実に猛暑、高温多湿の環境になると思います。「記録的猛暑」と言う文言は毎年毎年聞く言葉のように感じるのは私だけでしょうか。
今年も注意と準備するポイントとして、水のトラブル(水量、水圧、水質など)、飼料のトラブル(残餌、こぼし餌、傷み、変質、臭気変化、カビ毒など)、糞尿のトラブル(浄化槽、スクレーパー、コンポスト、発酵レーンなどの故障)、空調機器・設備関係のトラブル(寒冷紗、細霧装置、排気ファン、入気ファン、送風ファンなど)に注意するようにしてください。又、ハエやネズミ、ダニなども夏季の猛暑に紛れて汚染を広げる対象となります。
夏期対策を万全とするためには、早期の点検と準備が必要になると思います。下記のチェックポイントは以前にも記載したものですが、再度参考にしてください。
チェックポイント
① 水回り関係。
※1日の時間帯で出やすい、出にくいなどがあるか。その状態を把握しているか。
※圧の掛かり方が畜舎ごと、畜舎内ごとに大きく異なることがあるか。その状態を把握しているか。
② 飼料関係。
※飼料タンクの清掃、投入量管理、変敗対策、カビ対策は行えているか。
※飼料タンクへの投入後から使い切るまでの期間がどうなっているか。その状態を把握しているか。
※飼料タンクの暑熱対策は行えているか。
※飼槽や給餌器内で飼料が変敗しないように管理できているか。
③ 糞尿関係。
※糞や尿が農場に長期滞在しない環境にできているか。その状態を把握しているか。
※ハエやネズミなどの存在を少なくできる環境にできているか。その状態を把握しているか。
※ハエやネズミに掛かる対策経費を抑えられる環境にできているか。その状態を把握しているか。
④ 空調機器設備関係。
※入気口の衛生状況、入気状況、フードの開口状況、ほこり、汚れなど。その状態を把握しているか。
※排気口の衛生状況、排気状況、フードの開口状況、ほこり、汚れなど。その状態を把握しているか。
※インバーター、センサーは正確に稼働しているか。その状態を把握しているか。
※夏季用の送風ファン、細霧装置などは正常に稼働できるか。担当者が思うようなコントロールができるか。その状態を把握しているか。
⑤ その他重要となるもの。
㈱食環境衛生研究所 菊池雄一
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