【PFAS】水道水から目標値超え 飲用水配布 熊本 宇城市
1月29日、熊本県宇城市は地下水源と一般家屋の蛇口から、PFAS(有機フッ素化合物)が、国の目標値を超えて検出されたことを発表しました。
地下水源からは国の目標値(1Lあたり50ナノグラム)の1.9倍となる95ナノグラム、一般家屋の蛇口からは約1.8倍となる91ナノグラムが検出されています。
この地下水からは約1600世帯3400人が給水を受けており、市は飲用としての使用を控えるよう呼びかけています。
また31日から、安全が確認されるまでの間、給水車を使用した住民への飲用水の配布をおこなっています。
【検査義務化】
環境省は発がん性が指摘されるPFAS(有機フッ素化合物)について、2026年4月の施行をめどに、水道法の省令を改正し、水質基準項目に「PFOS」と「PFOA」を加える方針を固めています。
これにともない、水道事業者を対象とした定期的な水質検査の実施と、基準値を超えた場合の原因特定や改善措置が義務付けられます。
PFASとは
有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称して「PFAS(ピーファス)」と呼び、多種類の物質があるとされています。
PFAS(ピーファス)の中でも、PFOS(ピーフォス)(ペルフルオロオクタンスルホン酸)およびPFOA(ピーフォア)(ペルフルオロオクタン酸)は幅広い用途で使用されています。
PFASによる人体への影響
人においてはコレステロール値の上昇や発がん、免疫系統と関連が報告されています。しかし、どのくらい入ると影響が出るのかは解明されておりません。
国際がん研究機関(IARC)では、PFOA(ピーフォア)を「ヒトに対して発がん性がある(グループ1)」、PFOS(ピーフォス)を「ヒトに対して発がん性がある可能性がある(グループ2B)」と評価しています。
分解されにくく、蓄積されやすい性質から人体に入ることで、体内に長期に渡り残留し、健康リスクを引き起こす可能性があることからも調査が進められています。
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