鶏大腸菌症(E.coli)
鶏大腸菌症とは
■病名:鶏大腸菌症(E.Coli)
■病原体:Escherichia Coli(E.Coli)
疫学・症状:
- (1)急性敗血症は4〜10週齢のブロイラーに好発する。
- (2)敗血症の後、心外膜炎、関節炎等がみられる。
- (3)産卵鶏では腹膜炎による急死、フィブリン析出、遊離卵黄がみられる。
- (4)鶏胚が卵黄感染すると多くはふ化後期に死亡する。
- (5)急性敗血症は嗜眠、発熱、死亡する。
- (6)一般症状の悪化後、呼吸器症状や関節の腫脹と跛行などがみられる。
剖検:
- (1)心膜、肝腹膜嚢、腸管漿膜、腹膜、胸膜などの黄色化と著しい肥厚
- (2)気嚢の混濁肥厚、チーズ様物の付着。
- (3)関節炎では黄色チーズ様物
病理組織検査:
- (1)急性敗血症では肝の類洞内線維素血栓、脾の莢組織と濾胞の壊死
- (2)心膜、心外膜、肝腹膜嚢、腹膜などの線維素化膿性炎
- (3)化膿性関節炎
- (4)化膿性全眼球炎
- (5)化膿性卵肝炎
診断:
- (1)原因菌の分離培養、同定によって行う。
- (2)敗血症では心血、肝を、その他は病変部を選択培地により分離培養する。
予防・治療:
- (1)クチンによる予防
- (2)飼育環境の改善(特に換気不良の改善)
- (3)的確な温度管理
- (4)感受性抗生物質による治療
- (5)部外者の立ち入り禁止
- (6)資材の持ち込み時は消毒の徹底
類症鑑別:
鶏マイコプラズマ病、鶏サルモネラ症、家禽コレラ、クラミジア症、ウイルス性腱鞘炎