残暑と秋季管理 2020年9月号

今年は予想をはるかに超えた猛暑になりました。しかしまだ、暑熱の影響が続いている地域は多いことと思います。

夏季の暑熱のダメージは、そのまま秋季、冬季にも影響を与えます。来年の出荷頭数減は元論のこと、PS候補豚の平均した頭数確保も危ぶまれてしまいます。

猛暑環境をある程度予想して、対応を組んでいた農場は別として、対応が遅れた農場では、豚に多大なダメージを残しています。事前の環境変化やアクシデントを早期に予見し、如何に効率良く早く対応を組めるかはとても重要です。今年の猛暑は時期になれば過ぎ去りますが、秋は予想以上の寒暖差が付く、冬は昨年以上の寒さが来る・・・など、次の季節を予見できる管理者意識、環境整備などは常に現場で話し合うようにしてください。

儲けは決してラッキーだけでは継続出来ません。経営と生産現場の努力が結びついてこそ結果が付いて来ます。毎年のことではありますが、知恵と工夫を駆使して、様々な季節環境の変化に対応してください。
 
今年耳にしたこと

出荷日齢の遅延、枝重量の低下、事故の増加、母豚の損耗事故、繁殖成績の低下など。
 
残暑、秋季の注意点(順不同)

・暑熱管理の継続。(空調関係、水周り関係、陽射し除け関係、飼料関係など)

・秋季管理へのシフト。

・寒暖差(体感温度変化)の予見。

・豚達の疲弊の予見。(秋の空調準備、栄養管理補助など)

・母豚の疲弊。

・雄の疲弊。

・PS頭数のばらつき。

・産歴構成の平均が高い。

・GP種豚に高齢が多い。

・高齢の雄豚。

・睾丸の腫れと萎縮。

・乗駕欲の低迷。

・雄臭の低下。

・採精量、精液性状の悪化。

・再交配頭数の増加。

・発情再帰の乱れ。

・受胎率、分娩率の低下。

・悪露。

 

(株)食環境衛生研究所 菊池雄一

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