CSFとバイオセキュリティ 2020年10月号

群馬県で豚コレラ陽性のニュースがありました。ワクチン接種を行っている農場でしたが、まだ未接種だった子豚の発生と言う、何とも言い難い結果となっています。
CSFワクチンについては、ワクチン推奨となってワクチン接種を開始した都道府県と、未接種の都道府県とに分かれています。このことは、今まで普通に購入していた種豚が突然導入出来なかったり、導入農場や地域が変わったり、種豚自体を変更しなくてはならない、更新スタイルも変更しなくてはならないなど、方々で問題が発生しているのでとても厄介な状況となっています。
又、酷暑だった今夏の季節は秋季へと変わり、急に肌寒くなり、寒暖差にも注意が必要になっています。関東地域で多発している家畜家禽泥棒や、野生のイノシシも行動が活発になる季節ですので、ワクチン接種地域も未接種地域も、CSFについては、まだ油断出来ない状態は続いています。
今一度、害獣や害虫の侵入防止対策、車両ルール(出荷車両、堆肥運搬車両、斃死豚運搬車両など)、長靴管理、各セクションの消毒ルール(使用製品、使用濃度、使用方法など)など、農場の防疫状況の確認を徹底してください。

 

ポイント
① 消毒方法と消毒薬選択の再確認。
・外部車輛消毒。
・従業員車輛消毒。
・外回りの消毒。
・長靴消毒と専用長靴。
・空間消毒。
・豚体消毒。
・畜舎、豚房消毒。
② 導入する器具機材の消毒。
直接農場へ搬入する前に指定された場所に導入して消毒後に農場へ搬入する。業者にも協力してもらう。
③ 紙袋飼料の消毒。
直接農場へ搬入する前に指定された場所に導入して消毒後に農場へ搬入する。業者にも協力してもらう。
④ 農場内に出入りする車両の確認と対応。
農場毎の立地条件に合う消毒場所や消毒方法を検討・実行する。業者にも協力してもらう。
⑤ 農場内来場ルールの再確認。特に工事関係。
⑥ 出荷時の消毒方法の再確認。屠場の出入り、農場間の行き来など。
⑦ 死亡豚運搬及び家畜運搬車両の消毒方法の再確認。
⑧ 食品残渣、野鳥、昆虫、鼠などへの対策マニュアルの再確認。
⑨ 地域の情報収集の徹底。
 
危害因子になりやすい項目
リスク1:害獣、害虫。
リスク2:出荷。
リスク3:導入。
リスク4:斃獣処理。
リスク5:残渣飼料。
リスク6:人の動線。
リスク7:豚の動線。
リスク8:機材、資材、精液。
リスク9:糞尿処理。
リスク10:敷材。
その他。
 
㈱食環境衛生研究所 菊池雄一

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