ヘモフィルス・パラスイス感染症(Hps)

ヘモフィルス・パラスイス感染症とは

ヘモフィルス・パラスイス感染症 (Hps) 通称、グレーサー病
病原体:Haemophilus parasuis

疫学・症状:

  • (1)飼養環境の急変、輸送、気候の急変等のストレス感作が発生要因となる。
  • (2)5~8週齢に好発する。
  • (3)発熱
  • (4)神経症状を呈する。
  • (5)跛行(関節炎)
  • (6)呼吸速迫

剖検:

画像_HPS(1)脳軟膜の混濁肥厚 画像_HPS
(2)心嚢、胸膜、腹膜における灰黄の線維素の付着
(3)心嚢水、胸水、腹水の増量と線維素片の浮遊
(4)間接滑液膜の線維素析出と関節液の増量、混濁

病理組織検査:

  • (1)漿液線維素性化膿性髄膜脳脊髄炎
  • (2)漿液線維素性化膿性関節炎、心嚢炎、腹膜炎
  • (3)線維素性滑膜炎
  • (4)甚急性例では敗血症的変化

診断:

  • (1)細菌検査:血液寒天培地を用いて主要臓器から菌分離を行う
    灰白色、半透明の微小円形集落を形成する。
    死滅しやすいので速やかに継代すること。
  • (2)PCR検査

予防・治療:

  • (1)感受性抗生物質による治療
  • (2)ワクチンによる予防
  • (3)部外者の立ち入り禁止
  • (4)資材の持ち込み時は消毒の徹底

類症鑑別:

豚コレラ、オーエスキー病、豚インフルエンザ、豚レンサ球菌、豚胸膜肺炎、豚パスツレラ症、豚大腸菌症、豚マイコプラズマ肺炎、トキソプラズマ病、豚丹毒、豚サルモネラ症

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