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食環研コラム

サルモネラ菌対策

養鶏場のサルモネラについて

病名:家禽サルモネラ感染症

家畜伝染病予防法:

第140回通常国会に提出されていた現行法(昭和26年法律第166号)は、平成9年4月11日法律第34号により公布され、一部が改正された。
改正となった点は従来の家畜伝染病・政令指定伝染病・届出伝染病が監視伝染病の枠で括られ、サルモネラに関わるのは雛白痢(家畜伝染病)だけであったのが、家禽サルモネラ感染症(家畜伝染病)という広範囲にわたるサルモネラ感染症になったことである。

  • (1) 実施目的
  • (2) 実施する区域
  • (3) 実施の対象となる家畜の種類及び範囲
  • (4) 実施の期日
  • (5) 検査の方法

(1)都道府県知事は、報告により得られた監視伝染病の発生の状況等についての情報の提供又は指導を受けたときは、家畜の所有者又はその組織する団体に対し、監視伝染病の発生予防のために必要な助言及び指導を行うものとする。 (監視伝染病の発生の状況等を把握するための検査等)

(2)都道府県知事は監視伝染病の発生を予防するため必要があるときは、家畜の所有者に対し、家畜について家畜防疫員の注射、薬浴又は投薬を受けるべき旨を命ずることができる。(注射、薬浴又は投薬)

(3)都道府県知事は、家畜伝染病の蔓延を防止するため必要があるときは、家畜の所有者に期限を定めて当該家畜を殺すべき旨を命ずることができる。

(4)患畜又は疑似患畜の死体の所有者は、家畜防疫員が省令で定める基準に基づいてする指示に従い、遅滞なく、当該死体を焼却し、又は埋却しなければならない。(死体の焼却等の義務)

(5)家禽サルモネラ感染症の病原体により汚染し、又は汚染した恐れがある物品その他省令で定める物品は、指示を待たないで焼却し、埋却し、又は消毒することを妨げない。
(汚染物品の焼却等の義務)

(6)家禽サルモネラ感染症の患畜若しくは疑似患畜又はこれらの死体の所在した施設その他省令で定める施設は、指示を待たないで、消毒することを妨げない。

(7)輸入してはならない。

(8)農林水産省指定するもの(指定検疫物)は、輸出国の政府機関により発行され、かつ、その検疫の結果監視伝染病の病原体を広げる恐れがないことを確かめ、又は信ずる旨を記載した検査結果証明書又はその写しを添付してあるものでなければ、輸入してはならない。

罰 則:

A.(1)、(2)、(5)、(6)に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。
B.(4)に違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
C.(8)に違反した者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
上記のようにかなり厳しい規定となった。この法律は、すでに公布されているので、いつ施行されてもおかしくはない。
また、サルモネラの種における範囲も現在、検討中ということなので、それまではサルモネラ属全般ということになる。
※この資料は平成9年6月に作成されたもので、現在(平成22年1月)、家禽サルモネラ感染症の範囲は、法定伝染病に従来からあった雛白痢( S.pullorum )に加え、鶏チフス( S.gallinarum )が規定されている。
また、届出伝染病にはSE( S.enteritidis )とST( S.typhimurium )が規定され、サルモネラに対する監視体制が強化されている。

対策:

(1)治 療
 通常、薬剤による治療が行われているが、しかし薬剤では鶏から完全には排除できず一部は保菌鶏となる。
 サルモネラに有効な薬剤としては、フラゾリドン・サルファ剤・クロラムフェニコール(クロマイ)・カナマイシン・コリスチン・テトラサイクリン等がある。これらの薬剤投与は、治療効果の他に予防効果も認められている。

(2)予防と一般対策
現在は、血清診断法、クロアカスワブ法によって菌の分離培養を行う。
また、環境、種々の動物、飼料等感染源も多様で、伝播を断ち切るにはかなりの困難が伴う。
種々のサルモネラ感染症の主要な伝播経路は介卵感染、飼料感染、汚染した鶏舎環境からの感染であるから、予防対策としては種鶏場、孵化場の衛生対策と飼料のサルモネラ汚染防止、鶏舎の消毒が重要である。

(3)種鶏の衛生対策  1.幼雛期にサルモネラの発症の見られた個体は種鶏として外す。
 2.入雛前の消毒の徹底、隔離飼育、ネズミ、野鳥対策、成鶏舎の床は金網として糞との接触を避ける(種卵の糞便汚染を避ける)。可能であれば卵の集卵は1日4回行う。
 3.器具・器材は畜舎ごとに用意する。
 4.オールアウト後、水洗、消毒を繰り返し、導入の2週間前に再消毒を実施し導入する。

(4)種卵の消毒
 1.種卵表面を消毒し、菌の介卵感染を防ぐ。
 2.消毒は集卵後、可能な限り早くホルマリン消毒を実施する。(20分間)

(5)孵卵器及び孵卵室の消毒
 洗浄後にホルマリン消毒を1時間以上行う。
 ホルマリン:30ml/m3
 過マンガン酸:15g/m3

(6)孵化場の管理
 作業員を介してのサルモネラ汚染(手・指・衣服・履物)の防止と消毒、野鳥・ネズミ・ハエ等の侵入防止、雛の輸送箱・輸送トラック等の消毒

(7)育雛期の衛生対策
 幼雛期はサルモネラに対して特に感受性が高く、被害も大きい時期であるから、隔離を厳重にして飼育する。
 管理者の衣服、履物は育雛舎に入る時は専用のものを使用し、また、手指の消毒を実施して菌の持込を防止する。
 死亡した鶏は原因を究明し、その結果をもとに種鶏、その他の鶏もしくは環境のサルモネラ汚染状況を調べて伝播源を究明し、予防対策を実施する。

(8)飼料のサルモネラ汚染対策
 サルモネラに汚染されていない雛の導入とサルモネラを全く含まない飼料の給与が対策としては基本的に重要な事項である。
 飼料原料では、畜産副産物、魚粉等の動物性タンパク質原料は加熱処理殺菌。
 飼料の製造過程では最終製品と飼料原料とが接触しないように行程を規制し、製造装置の洗浄、消毒、更に必要に応じてホルマリン薫蒸を実施する。
 飼料のペレット化は、その製造過程で高圧蒸気の吹き込みによる飼料原料の加熱が行われるのでサルモネラの殺菌になる。但し、蒸気圧30kg/cm2
以上にし、かつ80℃以上の温度になるように加熱する必要がある。

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