豚パスツレラ症(Pm)
豚パスツレラ症(Pm)とは
■病名:豚パスツレラ症 (Pm) 
 ■病原体:Pasteurella multocida
疫学・症状:
- (1)飼養環境、気候の急変等のストレス感作があった場合に多発する。
 - (2)肥育豚で好発する。
 - (3)発熱、呼吸速迫
 
剖検:
(1)髄膜炎型;脳髄膜の血管充盈、リンパ節の腫大 
 (2)肺に斑状の肝変化、膿様滲出液
 (3)肺胸膜、間質の水腫性肥厚
 (4)胸膜における線維素の付着と胸水の増量
 (5)肺門リンパ節の腫脹、うっ血
病理組織検査:
- (1)細気管支、肺胞上皮の脱落
 - (2)気管支腔、肺胞内における漿液や線維素の滲出、高度の好中球の浸潤と貯留
 - (3)肺リンパ節における好中球の滲出
 - (4)間質、胸膜におけるリンパのうっ血と線維素の滲出
 
診断:
- (1)細菌検査:病変部の直接塗抹標本により両端濃染菌を確認する。
 - (2)細菌分離:血液寒天による10%炭酸ガス培養により分離培養を行う。
 - (3)PCR検査
 
予防・治療:
- (1)感受性抗生物質による治療
 - (2)ワクチンによる予防
 - (3)部外者の立ち入り禁止
 - (4)資材の持ち込み時は消毒の徹底
 
類症鑑別:
豚マイコプラズマ肺炎、豚胸膜肺炎、豚レンサ球菌症、豚サルモネラ症、トキソプラズマ病、ヘモフィルス・パラスイス感染症、豚インフルエンザ