今年は特に要注意(飼料品質とカビの汚染) 2022年8月号

暑い夏がやって来ました。夏は暑いのが当たり前だとは思いますが、今年はさらに高い湿気(高温多湿の気候)によって、気温が30℃を越さない日でもジメジメした不快な環境になっています。

養豚業界が現在置かれている状況の1つに飼料価格の高騰がありますが、飼料価格の高騰以外にも影響を受けていることがあり、その1つに、飼料原料の世界的な奪い合いによる産地の変更、品質の低迷なども懸念されています。

飼料関係への影響はそれ以外にもあり、飼料を配送する運転手の引退と人員不足、世界的な工場稼働率の低迷や半導体不足、戦争、新型コロナウイルスなどの関係で、新しい車両の納品や故障した車両の修理にも時間が掛かっていて、飼料購入時の購入銘柄の組み合わせやt数にも、少なからず影響が出始めています。

今までのようにはいっていない飼料配送のスケジュールは、高温多湿になりやすい夏季時期に、あまり飼料の在庫を抱えたくない生産者にとって、逆に向いてしまう結果となっています。

もう1つの事例として、人工乳前期ミルク、人工乳中期ミルクの購入を紙袋ではなく、トランスバック購入やバルク車輸送で、飼料タンクから各畜舎の給餌器へライン配送している農場はこのステージの飼料の品質低下、カビ毒の影響にも注意する必要もあります。この手の方式を取っているのは大手企業養豚には多い事と思います。

今年は、飼料の購入ローテーション、飼料の品質、飼料の粒度、飼料の成分内容、飼料タンクへの投入量とその消費日数、給餌器への投入量と出量調整などを例年以上に気を遣って対応するようにして見てください。飼料関係の影響を受けて発生しやすい症状も多々存在します。(繁殖障害、下痢、発育停滞、白色症状、貧血症状、浮腫病、連鎖球菌、胃潰瘍など)今年は例年以上に、カビ毒吸着剤や有機酸製剤などの活用も有効になると思います。

 

㈱食環境衛生研究所 菊池雄一

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