今年も暑くなります-カビ対策の準備と注意- 2022年5月号

カビ毒による生産成績への影響は季節を問わず1年中の被害になっています。しかし、どこの農場でも実際のカビ毒被害については結構曖昧で、あまり気にしていないのが実情ではないでしょうか。
 
ではここで少し質問をしたいと思います。
① カビ、カビ毒は気にしていますか、又は気になりますか?
・気になる ・気にならない
② カビ、カビ毒に対する予防的な対応は行っていますか?
・対応している ・対応していない
③ 農場にカビ及びカビ毒の被害がありますか? 
・あると思う ・ないと思う
④ カビやカビ毒の被害があると回答した方への追加質問です。
具体的なカビ毒の被害は解りますか?
 
変なお話で大変失礼いたしました。投稿記事で質問しても回答が解らないじゃないかと言ったツッコミはあろうかと思います。上記質問の③と④でカビやカビ毒の被害があり、その対応まで行っていると回答出来た方は、現在行っている対応をそのまま継続されるか、さらなる費用対効果を求めた対応へと昇華させてください。又、ないと思うと回答された方は、今一度カビ、カビ毒について考察して戴ければと思います。
 
農場におけるカビやカビ毒の被害は、農場の立地条件、規模、飼養面、環境面、他の疾病状況などによってもその程度は異なっています。これがカビ毒の影響だったとは気が付かなかった・・、もっと早く気が付けばよかった・・などの声も多くなっています。カビやカビ毒の被害で厄介なのは目立った特徴がなくても、全身の免疫機能を低下させたり、繁殖障害が見られたり、足悪が増加したり、肺炎症状が多くなったり、下痢症状が多くなったり、増体が低迷したり、薬剤が効かない症状が増えたり、ワクチンの効果が弱くなったりさせます。この列挙した症状は特別なカビやカビ毒の特徴ではありません。これらの症状は他の疾病や環境、飼料、水、系統、設備などのせいに出来てもしまいますので発見や認識が厄介なだけとなります。
 
飼料高騰や飼料品質の低迷、産地の影響など、今後の情勢は決して楽観視できない状況となります。ここ数年確実にカビやカビ毒の影響は加速しています。農場で食べさせている飼料、与えている水、設備や環境に至るすべての項目を今一度チェックして見ることも決して無駄ではないと思います。少しでもカビかな?カビ毒かな?と言った疑念があれば関係機関へご相談ください。いち早くスピードを持って悩みを改善し、無駄な敵とは戦わないことが、今後も必須であると感じています。
 
㈱食環境衛生研究所 菊池雄一。
 

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