ワクチンの選択 2021年2月号

CSFワクチンの接種地域に昨年は南東北の福島県、山形県、宮城県が追加され、今年になってから秋田県も追加されました。CSFワクチンについては最初一斉接種として、対象の種豚、子豚が全頭接種されます。この一斉接種が済んだ後は随時計画的にワクチン接種が継続されます。
CSFワクチンの子豚接種については、子豚舎が中心となり実施されます。ワクチン接種が開始された農場では、子豚舎でのワクチン作業が追加されることとなり、ワクチン接種前とワクチン接種後では、子豚に与えるストレスが大きく異なります。
皆さんの農場では子豚舎で行っているワクチンはありますか?もし、あるようであればこの時期のワクチン接種や作業管理を少しシミュレーションしておくことをお勧めします。弊社では、CSFワクチンの接種が決まった地域から、この手の相談事も多く寄せられていました。
業界的には、薬剤耐性や価格高騰などの問題が加速している飼料添加薬剤に変わり、ここ数年、新しいコンセプトのワクチン開発と販売は増加傾向にあります。今年も新しいワクチンの販売が予定されています。農場経営、疾病コントロールにとってワクチン選択は必須であり、とても重要なポジションを占めているからこそ、その種類の選択、メーカーの選択、接種時期の選択などは、農場ごとのベターな選択がとても重要となって来ると思います。
 

農場で関心が高いワクチン(順不同)

① サーコワクチン。
② マイコプラズマワクチン。
③ サーコワクチンとマイコプラズマの混合ワクチン。
④ 連鎖球菌ワクチン。
⑤ ローソニアワクチン。
⑥ 浮腫病ワクチン。
⑦ PRRSワクチン。
 
伝染病の侵攻や慢性疾病群の病原性変化など、世界的に見てもワクチンの開発はさらに進んでくると予想されます。皆さんの農場で費用対効果として見合うワクチンの選択を今後もお手伝いさせて戴きたいと思います。
 
(株)食環境衛生研究所 菊池雄一

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