ローソニアによる増体不良と要求率悪化と腸炎被害 2020年12月号

今年の6月号にローソニアの記事を掲載させて戴きました。その記事には間に合わなかった耳よりの追加情報を今回記載させて戴きます。
この度弊社にて、ローソニア検査診断では大きく待望視されていたエライザ抗体検査の実施を行う運びになりました。エライザ検査??と言った声も聞こえる気がしますので、少し説明させて戴きます。
ローソニアイントラセルラリスを診断する上で、弊社を含め通常の検査機関で実施可能な検査方法は、IFA抗体検査、PCR検査、RT-PCR検査となります。しかし、数年前にはこの診断方法にエライザ抗体検査が行えていたことを皆さんは覚えてますでしょうか。
今では頭の片隅にうる覚えで記憶している人がいるのがやっとな状況かと思いますが、かつてはローソニアの浸潤状況、被害状況、対応の成果状況など、細かく診断、把握を行えるツールとしてエライザ検査が用いられていました。しかし、当時の様々な諸事情により、このエライザキットの販売が中止になり、優秀な診断方法の1つが無くなってしまったのです。これ以降、ローソニアの診断には血清を用いたIFA抗体検査で+(プラス)か−(マイナス)かの判断を行うか、糞便や腸管粘膜を用いたPCR、RT-PCRとして診断する他なくなってしまいました。
今回、弊社で行うに至ったローソニアエライザ検査の特徴は、出た数値の強弱でローソニアの浸潤時期、浸潤の程度、対応されている成果状況などの確認と診断が可能となります。これによって、ワクチン、薬剤、機能性資材などの幅広い対応策の状況判断が可能となり、そもそも自社の農場でどの程度の浸潤度なのかの事前調査にも有効的に活用出来ます。見た目ではなんとも判断しにくい慢性型、不顕性感染型の診断にも大きく役立ちますので、興味のある方は是非ご相談ください。
 
 
豚ローソニアイントラセルラリス感染症図1
 
豚ローソニアイントラセルラリス感染症図2
 
㈱食環境衛生研究所 菊池雄一
 

youtube