ウイルス系疾患のざわつき 2024年4月号

近頃、ウイルス系疾患の動きが活発化しているように感じています。ウイルス系疾患が動きやすいときは、混合感染としてのバクテリア類も活発化しやすい傾向にあり、その大本はやはり、川上部分である種豚群のざわつきと母子感染などの様相もあると感じています。
 
ウイルス系疾患の内、やはり厄介なのはサーコウイルス2型、PRRSでしょうか。又、ここ最近、関東地区にてPEDの発生も耳にしていますので、消化器系疾患のウイルスにも注意が必要と思います。
 
サーコウイルス2型に関しては、ワクチン接種を継続しているのに以前のような効果が感じられないと言った相談が多くなっているように感じます。ワクチンの種類の多さと、様々な接種プログラムの存在も迷いの1つになっている感を受けます。PRRSについては、100%の解決には至っていない農場も多いとは思いますが、それでも今までは何とかコントロールが出来ていたのにが、今までと異なるタイプの株の影響もあってなのか、繁殖成績や子豚成績に影響が出ている農場も多く見受けられます。PEDに関しては以前のような病原性の状況では無いかも知れませんが、農場の状況次第では、重篤化もしやすいウイルスであり、予後に混合感染しやすい疾病群も農場内には存在していると思いますので、ここも油断は出来ません。
 
ウイルス系疾患に限ったことではありませんが、やはり疾病群のコントロールが上手くいかない時は、種豚群の状況を確認することも必要だと感じています。又、種豚群とは言っても、育成豚群、繁殖雌豚群、授乳雌豚群、交配用雄豚群、当て用雄豚群に分かれていますので、これらすべてのカテゴリーごとの体調面、免疫面の状態確認と管理の徹底は望まれることになります。雌系や雄系も、以前とは異なる遺伝状況、体型管理、栄養供給量の変化、様々なトラブルの発生に至るまで、その多様と言わざるを得ない変化が加速していることも感じています。
 
種豚群の免疫状態や体調状態に不調があった場合は、その川下部分である、哺乳子豚、離乳後子豚、肥育豚への影響は大きなものとなってしまいますので、被害があった部門だけではなく、農場で飼養されている種豚群にも目を配るようにして見てください。
 
㈱食環境衛生研究所 菊池雄一
 
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