伝染性気管支炎(IB)

伝染性気管支炎とは

病名:伝染性気管支炎 (IB)
病原体:Infectious bronchitis virus:IB

症状:

  • (1)持続感染することが多く、糞便から長期間IBウイルスが排泄される。鶏群単位で発症する。
  • (2)血清型が多数あるため、いずれのワクチンも効果は不十分であり、ワクチン接種鶏群であっても発生することがある。
  • (3)伝搬は早いが致死率は低い。腎炎タイプが幼雛で発生した場合、致死率が高くなる。
  • (4)異状音(奇声)を伴った呼吸器症状
  • (5)下痢。
  • (6)産卵低下、奇形卵及び軟卵の産卵
  • (7)下痢が主体となり呼吸器症状を伴わないものもある。

剖検:

  • (1)気管の水様性粘膜の増加
  • (2)卵胞の軟化及び破裂
  • (3)腎の腫大・貧血、尿管の尿酸塩沈着(腎炎型)
  • (4)ミューラー氏管嚢腫

伝染性気管支炎01 伝染性気管支炎02


病理組織検査:

  • (1)気管粘膜の増殖、粘膜及び固有層におけるリンパ球の浸潤
  • (2)腎炎:尿細管上皮細胞の壊死

診断:

  • (1)蛍光抗体法:気管の凍結切片から特異抗原を検出する。
  • (2)ウイルス分離:気管・腎を材料とした発育鶏卵(CAC)に数代にわたり継代する。
  • (3)PCR検査
  • (4)血清学的検査:ELISA、寒天ゲル内沈降反応、中和試験(CK細胞

画像_鶏大腸菌症01

予防・治療:

  • (1)ワクチンによる予防
  • (2)部外者の立ち入り禁止
  • (3)資材の持ち込み時は消毒の徹底

類症鑑別:

ニューカッスル病、伝染性喉頭気管支炎、産卵低下症候群-1976、伝染性コリーザ、鶏マイコプラズマ病、鳥インフルエンザ

youtube