豚丹毒(SE)

豚丹毒(SE)とは

病名:豚丹毒Eeysipelothrix rhusiopathiae エリジペロスリックス ルジオパシェ

緒言:

豚丹毒は豚丹毒菌によって引き起こされる豚の伝染性疾患で、人畜共通伝染病でもある。
また、世界的にも重要な豚の疾病であり、急性型(敗血症型)、亜急性型(じん麻疹型)および慢性型(関節炎型、心内膜炎型)に分類されている。

感染経路:

  • ・経口感染(口腔粘膜、消火器粘膜)・創傷・吸血昆虫

伝搬:

鼻汁などの呼吸器排泄物の直接伝播又は呼吸器症状に伴うエアロゾルによる伝播する。

類似疾患:

ヘモフィルス パラスイス感染症・豚胸膜肺炎・豚パスツレラ症・豚インフルエンザ・豚肺虫症・豚パラインフルエンザ・トキソプラズマ病・萎縮性鼻炎

急性型:

発熱、食欲不振、元気消失、呼吸促白を呈し、発熱後24時間ころより腹部、内股部、耳翼等に淡赤色斑が出現し、数日後に死亡する。

亜急性型/敗血症型:

じん麻疹様の淡紅色の隆起した菱型診が出現する。一部には死亡するものも見られるが、多くは回復し菱形診も消失する。

慢性型:

  • (1)発育遅延
  • (2)関節部の腫脹及び跛行(関節炎型)
  • (3)心内膜炎型

剖検:

  • (1)急性敗血症型;脾腫、腎の点状出血、腸管パイエル板腫大、胃粘膜の出血
  • (2)慢性型;心臓弁膜におけるカリフラワー状あるいは疣状の腫瘤の形成あるいは関節における滑液の増量・混濁、滑膜の充血・肥厚
  • (3)心内膜炎型

細菌検査:

  • (1)直接鏡検;病変部の直接塗抹標本をグラム染色
  • (2)増菌培養;病変部を基礎培地等により増菌培養を行う。
  • (3)分離培養;病変部を血液寒天培地等により分離培養する。

治療:

  • (1)早期に適切な治療を行えば治癒することが可能である。
  • (2)本病に感受性の抗生物質はペニシリンがある。
  • (3)完全に本菌を殺すためには3日間連続投与が必要。
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