トキソプラズマ(TOXO)

トキソプラズマとは

病因:

伝染性胃腸炎 Transmissible gastroenteritis:TGE

病因:

トキソプラズマ Toxoplasma gondii:TOXO
TOXOはトキソプラズマ原虫によって起こる人畜共通感染病である。
TOXOの汚染は多数の哺乳類と鳥類で確認されており、主な感染経路は猫類が排出するオーシスを経口的に摂取することで発生する。
シストは数々の感作に強く抵抗を示し、宿主内で長期間生存するため、免疫が低下してくると再発を起こす。
急性例では死亡も多く見られる。
感染の筋肉が食用に供された場合、人への感染源になる。
TOXOの胞子形成オーシストが猫以外の宿主に食べられると、胃液や腸液の作用で消化管粘膜を突破して感染が成立する。
感染後増殖型原虫となり、様々な細胞内で分裂増殖する。
その時に大量の細胞破壊が起こり、実質臓器では壊死、出血等の病変が認められる。
感染後2週間以上たつと増殖型原虫は減少し、シストの形成が始まる。
シストは次の宿主への感染を待っている状態で、脳や筋肉内に長期間存在する。

症状:

豚での症状は豚の月齢、原虫の感染数、感染株の病原性の違い等によって異なり、特徴的な症状はない。
種豚では、流死産や奇形児、産子数の減少、再発、熱発等の繁殖障害の発生や、急性例では急な発熱を示し、耳翼、鼻端、下肢、内股部、下腹部等に紫赤斑が表れ死亡することもある。
3〜4ヶ月齢の子豚については、熱発、元気消失、食欲減退、湿性の発咳、喉の渇き、鼻汁流出、目やに等を示し、その後耳翼、鼻端、下肢、内股部、下腹部等に紫赤斑が表れ、腹式呼吸が明瞭になり呼吸困難に陥る。
重篤なものでは、体温が急激に降下し死亡する。臨床症状的には胸膜性肺炎と区別することは難しい。

対 策:

①薬剤による予防と治療
 ⇒飼料投薬、注射等
  スルファモノメトキシンとスルファモイルダプソン(SDDS)が有効 ②飼養管理、飼養環境等の改善
 ⇒猫による汚染、除糞作業の不備、衛生状態不備、環境悪化等により、疾病が誘発されて症状が悪化します。

類似疾病:

・豚コレラ・豚丹毒・豚オーエスキー病・豚日本脳炎・豚インフルエンザ・豚パルボウイルス病・ヘモフィルス パラスイス感染症・豚胸膜肺炎・豚パスツレラ症・豚マイコプラズマ肺炎・レンサ球菌症

剖検所見:

  • ・肺は淡紅色〜桃色を呈し、大葉性水腫、割面には多量の漿液を含み、ときに出血斑または白色壊死斑
  • ・リンパ節の腫大、硬結、出血及び広範囲の壊死
  • ・肝の混濁腫脹、針頭大〜肝小葉大の壊死巣又は出血点
  • ・腎の点状出血
  • ・腸粘膜の潮紅、び欄、潰瘍、出血

原虫検査・診断等:

  • ・ラテックス凝集テスト
  • ・蛍光抗体法
  • ・dye test
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