豚レンサ球菌症(Strept)

豚レンサ球菌症とは

■病名:豚レンサ球菌症 (Strept)
■病原体:Streptcoccus suis(髄膜炎型、敗血症型、心内膜炎型、関節炎型)
Streptcoccus dysgalactiae(関節炎型、敗血症型、心内膜炎型)
Streptcoccus porcinus(頭頚部膿瘍型)

 

疫学・症状:

  • (1)S.suis;5〜16週齢に好発する。離乳、外気温の変化、輸送等のストレス
  • (2)S.dysgalactiae;1〜3週齢に好発する。
  • (3)髄膜炎型;発熱、神経症状を呈する。
  • (4)敗血症型;発熱、急死、呼吸困難、チアノーゼを呈する。
  • (5)多発性関節炎型;跛行、運動失調、関節の腫瘍

 

剖検:

  • (1)髄膜炎型;脳髄膜の血管充盈、リンパ節の腫大、
  • (2)敗血症型;黄疸、漿膜下の点状出血、線維素の付着
    肝、脾の腫大、肺の肝変化、水腫、胸膜の癒着、心内膜の疣贅
  • (3)関節炎型;間接腔のフィブリン析出、クリーム状の滲出液貯留、関節の小膿瘍、脊髄の充血
  • (4)心内膜炎型;心内膜の疣贅
  • (5)頸部膿瘍型;頭頸部の腫瘍

写真:豚レンサ球菌症1 写真:豚レンサ球菌症2 写真:豚レンサ球菌症3 写真:豚レンサ球菌症4

 

 

病理組織検査:

  • (1)頭頸部リンパ節の化膿性炎(好中球の浸潤、膿瘍)
  • (2)化膿性髄膜炎
  • (3)疣贅性心内膜炎
  • (4)線維素性または化膿性関節

 

診断:

  • (1)細菌検査:病変部の直接塗抹標本によりグラム陽性の球菌を確認する。
  • (2)細菌分離:血液寒天による5%炭酸ガス培養により溶血または非溶血性の小集落を確認する。

 

予防・治療:

  • (1)感受性抗生物質による治療
  • (2)ワクチンによる予防
  • (3)部外者の立ち入り禁止
  • (4)資材の持ち込み時は消毒の徹底
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