鶏貧血ウイルス病(CAV)
鶏貧血ウイルス病とは
■鶏貧血ウイルス病 chicken anemiavirus :CAV
■病原体:chicken anemiavirus :CAV
疫学・症状:
- (1)ふ化後1〜4週齢に好発
- (2)CAV抗体が陰性の種鶏群由来のひなで発生(介卵感染)
- (3)発病率は100%、死亡率は20%〜80%に達する。不顕性感染が多い。
- (4)骨髄造血組織の破壊に起因する強い貧血(再生不良性貧血)
- (5)赤血球、Ht値、白血球、血小板の著しい減少
- (6)発育不全
病理検査:
- (1)髄造血細胞の脂肪化
- (2)白血球減少
- (3)リンパ系組織のリンパ球消失
剖検:
- (1)骨髄の退色・黄変
- (2)胸腺の萎縮
- (3)筋肉・腺胃粘膜の出血
- (4)Fのうの萎縮
- (5)各臓器の貧血による退色
- (6)肝腫大
診断:
- (1)ウイルス分離;MSB1細胞で継代
- (2)PCR法;胸腺、肝臓、脾臓を材料としたPCR
- (3)ウイルスは広く鶏群に分布しているのでウイルス分離だけでは診断に結びつかない。
予防・治療:
- (1)ワクチンによる予防
- (2)CAVは化学薬品処理に対して非常に抵抗性が強いので完全に農場から排除するのは困難である。洗浄消毒によりウイルス量を低減させることが目的となる。
- (3)部外者の立ち入り禁止
- (4)資材の持ち込み時は消毒の徹底
類症鑑別:
サルファ剤中毒・鶏封入体肝炎・伝染性ファブリキウス嚢病・ロイコチトゾーン病