伝染性喉頭気管炎(ILT)
伝染性喉頭気管炎とは
■病名:伝染性喉頭気管炎(ILT)または、通称ラリンゴ
■病原体:Infectious laryngotracheitis-like virus:ILT
疫学・症状:
- (1)年間を通じて発生するが、秋〜春に発生が多い。
- (2)感染対過鶏で潜伏感染し、ストレス等によりウイルスを排出する汚染源となる。
- (3)開口呼吸、異状呼吸、奇声、クシャミ等の呼吸器症状
- (4)痰、血痰(喀血)の排出により気管栓塞を起こし突然死亡が目立つ。
- (5)産卵率の低下および一般症状の悪化
伝搬:
- (1)排泄された痰、飛沫から、鶏舎、飼料、飲水、ヒトなどにより広がる(経口感染)
剖検:
- (1)喉頭、気管内粘液の増量
- (2)気管粘膜の肥厚及び顕著な充血
- (3)血液滲出物の貯留またはチーズ様物貯留
病理組織検査:
- (1)喉頭、気道、気嚢粘膜上皮細胞の合胞体と核内封入体形成
- (2)気管内出血
診断:
- (1)蛍光抗体法:気管の凍結切片から特異抗原を検出する。
- (2)ウイルス分離:気管を材料とした発育鶏卵(CAC及びCAM)またはCK細胞に数代にわたり継代し、ポックまたはCPEを確認する。
- (3)PCR検査
- (4)血清学的検査:ELIS反応、寒天ゲル内沈降反応、中和試験(CK細胞)
予防・治療:
- (1)ワクチンによる予防
- (2)部外者の立ち入り禁止
- (3)資材の持ち込み時は消毒の徹底
類症鑑別:
ニューカッスル病、伝染性気管支炎、伝染性コリーザ、鶏マイコプラズマ病、鳥インフルエンザ、鶏痘