耐熱性カビとは?|加熱しても生き残る“しぶとい”真菌の正体
私たちが日常的に行う「加熱処理」は、食材の殺菌や保存性向上に欠かせない工程です。ところが、その加熱をくぐり抜ける“しぶとい”存在がいます。その中の一つが、「耐熱性カビ」と呼ばれる微生物です。
耐熱性カビの特徴
耐熱性カビは、高温環境にも耐える胞子(特にアスコスポア)を形成する一部の糸状菌のことを指します。特に問題となるのは以下の菌です。
これらのカビは、果汁やジャム、缶詰、シロップ、乳製品など、酸性・高糖度の食品環境でも生育可能です。通常の加熱殺菌(70~90℃)では死滅せず、生産現場でのクレームや製品劣化の原因になることがあります。
耐熱性カビの検査方法
耐熱性カビ検査の代表的な手順を以下に示します。
1. 試料の前処理(加熱処理)
2. 培養(選択的発育)
→クロラムフェニコール加PDA(ポテトデキストロース寒天)培地
→培養温度:25℃
→培養時間:5~7日間程度
→耐熱性カビはゆっくりと発育するため、長めの培養が推奨されます。
3. 同定・菌数測定
• 発育した菌体の形態観察(顕微鏡で胞子や子のうなどを確認)および菌数計測を行います。
耐熱性カビはなぜ問題なのか?
1. 食品変質の原因:風味の劣化、ガスの発生、容器の膨張など。
2. 製造ライン汚染のリスク:高温でも残るため、殺菌ラインや充填機の洗浄が不十分だと繁殖の原因になることがあります。
3. 一部種は毒素産生の可能性も:Byssochlamys spp.などは、マイコトキシンの一種「パトリン酸」を産生することがあります。
参考文献
1. 独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC). (2012).
「耐熱性カビに関する調査報告書」
>>「耐熱性カビに関する調査報告書」
2. 厚生労働省(2023).
「食品製造施設における微生物制御マニュアル」
>>「食品製造施設における微生物制御マニュアル」
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