インフルエンザに感染したら出勤停止・出席停止の期間は?

厚生労働省は10月3日、インフルエンザが流行入りしたと発表しました。
これは、9月22日から28日までの1週間に全国で報告された感染者数が、1医療機関あたり1.04人に達し、流行入りの目安である1.00人を超えたためです。
今回の流行入り発表は、例年と比べても早い時期にあたります。
年間を通じて流行が続いた2023年を除くと、これは2009年に次いで早い流行入りとなります。
インフルエンザに感染した場合、職場や学校への出勤・登校はしてもよいのか、どのくらい外出を控えるべきなのか気になる方も多いのではないでしょうか。
インフルエンザに感染した場合の対応について、わかりやすく解説します。
 

大人がインフルエンザに感染したら出勤停止になる?

インフルエンザに感染したからといって、必ずしも出勤停止となるわけではありません。
インフルエンザは「5類感染症」に位置づけられおり、法律的に、出勤停止期間は定められてはいません。
そのため、出勤を控えるかどうかは、個人の判断に委ねられます。
ただし、勤務先企業の就業規則で出勤停止期間や基準が定められている場合は、それに従う必要があります。
また、出勤停止期間はなくとも、ご自身の回復と職場での感染拡大防止のためにも、発熱や咳などの症状がある間は、できる限りお休みをして療養しましょう。
 

子供がインフルエンザに感染したら出席停止になる?

子供がインフルエンザに感染した場合、学校保健安全法で出席停止の期間が以下のように定められています。
「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」
※発症当日および解熱当日を0日目として計算する。
 

インフルエンザ出席停止

 

インフルエンザに感染後、どれくらいの外出を控えることが推奨される?

インフルエンザ感染
 

インフルエンザに感染した場合、発症前日から発症後3~7日間はウイルスが排出されるため、他者への感染拡大を防ぐ目的で外出を控える必要があります。
ウイルス排出量は解熱とともに減少しますが、排出自体は解熱後も続きます。
個人差があるものの、咳やくしゃみといった症状が続いている間は、不織布製マスクを着用するなど、周囲の方へうつさないための配慮を心がけましょう。

 

インフルエンザ感染での出勤停止や欠勤は有給?無給?

インフルエンザ出勤停止
 
インフルエンザ感染により出勤を控えるかどうかは、勤務先企業の就業規則で出勤停止期間や基準が定められている場合を除いては、個人の判断に委ねられます。
インフルエンザ感染で、従業員自らお休みを申し出た場合、原則欠勤扱いで無給となります。
就業規則で「インフルエンザ休暇」や「病気休暇」など特別休暇の定めがある場合は、その規定に沿って有給・無給の判断がされます。
年次有給休暇を保有している場合は、従業員の希望に基づいて、有給休暇として処理することが可能です。
 

職場や学校に復帰する際は、治癒証明書や陰性証明書が必要?

インフルエンザ感染から回復し、職場や学校へ復帰する際、治癒証明書や陰性証明書の提出は、基本的に不要とされています。
厚生労働省は、職場がインフルエンザに感染した従業員に対し、治癒証明書や陰性証明書の提出を求めることは望ましくないとしています。
そのため、定められた療養期間を経て、体調が回復していれば、出勤や登校が可能です。
ただし、保育園や幼稚園、学校によっては、感染拡大防止の観点から提出を求められるケースが存在します。通学先に確認し、指示に従うようにしましょう。
 

インフルエンザに感染しないために

インフルエンザに感染すると、咳や喉の痛みのほか、38度以上の発熱など様々な症状が出ます。また、高齢者や幼児、持病のある人、妊娠中の女性は重症化する危険性が高くなります。
インフルエンザに感染しないよう、以下のことを心がけましょう。

正しい手洗い

帰宅時や調理の前後、食事前には、必ず手洗いを習慣づけましょう。
石けんを使用して正しい方法で手を洗いましょう。
効果的な手洗い技(2回洗い、合掌水切り)について、以下動画でご紹介しています。
 

マスクの着用

インフルエンザの流行期は、人混みや繁華街への外出は控えましょう。
やむを得ず人混みや繁華街へ外出する際には、不織布マスクを着用しましょう。
また、不織布マスクは必ず毎日新しいものに交換し、衛生的に着用しましょう。
同じマスクを連日で着用するとマスクの内側に食中毒菌などの菌が繁殖してしまうことがあり、不衛生です。
マスクに関する検証について、以下動画でご紹介しています。
 

予防接種

インフルエンザは、たいていの方は1週間ほどで治りますが、中には肺炎や脳症などの重い合併症を引き起こし、重症化するケースもあります。そのため、インフルエンザワクチンを接種することで、感染リスクを減らすとともに、万一発症しても重症化を防ぐ効果が期待できます。

十分な休養と湿度管理

体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスの取れた栄養摂取を心がけましょう。
また、空気が乾燥すると喉の防御機能が低下するため、加湿器などを使って室内の湿度を50~60%に保つことが効果的です。
 

まとめ

インフルエンザが、例年より早く流行入りとなりました。
大人がインフルエンザに感染した場合、必ずしも出勤停止となるわけではなく、個人の判断に委ねられ、従業員自らがお休みを申し出た場合は、原則欠勤扱いとなり無給となります。
子供の場合、学校保健安全法で出席停止の期間が定められており、それに従う必要があります。
また、インフルエンザウイルスは、発症前日から発症後3~7日間で排出されるため、この期間は他者への感染拡大を防ぐためにも外出は控えることが推奨されます。
インフルエンザに感染しないよう、手洗いやマスク着用、予防接種など十分な感染対策をおこなうことが重要です。
 

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