新型コロナウイルスにおける動物と人の関係性

 11月に入ってデンマークで、突然変異した新型コロナウイルス(COVID-19)が家畜のミンクから12人に感染したことが明らかになり、国内のミンクを殺処分するという報道がありました。世界保健機関(WHO)当局者は、ミンクは感染するとともにウイルス保有宿主とみられるとの見解を示しました。「突然変異」「ミンクから人へ」「殺処分」という大きなキーワードがありました。

 「変異」といえば、COVID-19は、RNAウイルスのため、変異しやすいウイルスです。今、もっとも世界的に拡散している新型コロナウイルスの株は「D614G」ですが、これは中国、武漢で拡散した「D614」から変異し、2月にヨーロッパで見つかった変異型だと言われています。この「D614G」は、100を越える変異型のバリエーションが発見されています。ウイルスが変異すると、ワクチンや治療薬の効果に影響が出るかもしれないという不安もあります。しかし、変異すると言えば、他にインフルエンザウイルスや日本脳炎ウイルスがあります。これら疾病は、人はワクチンや治療薬で守られています。突然変異に敏感に反応しすぎる必要はないのではないかと個人的には考えます。

 「動物と人の感染経路」については、これまでも、犬や猫の感染が報告されました。こちらは感染した飼い主からの感染が強く疑われており、厚労省は、「これまでのところ、COVID-19がペットから人に感染した事例は報告されていない」としています。

 過去に他国でもミンクが人への感染の可能性と報告されましたが、今回初めて動物(ミンク)から人への感染が大々的に発表されたのではないでしょうか。 
これまでも、COVID-19に対する動物種の感受性や感受性動物における感染動態について研究が行われ発表されています。

現在のところ、感染実験から、家きん及び豚 はCOVID-19への感受性を示さないことが推測されています。 実験室レベルでの研究によれば、猫、フェレット、犬は程度に差はあるものの感受性を示す結果が報告されています。

 
 しかし、実際は、牛・豚のような代表的な家畜に感染したという報告はありません。また、感染が確認された犬猫等は、新型コロナウイルスに感染した人から感染したと言われており、私たちの身近に多くいる動物が疾病の拡大に重要な役割を担っているという証拠はないので、冷静な対応が必要だと思います。

 人間と同様に、動物と触れ合う時も、過度な接触を避けるとともに、接触前後は手洗いや消毒といった一般的な衛生管理を行ってください。


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