【PFAS】PFOS及びPFOAへの対応

前回の「【PFAS】PFASとは?PFOS及びPFOAって何?」ではPFOS及びPFOAの概要、使用用途及び健康への影響をご説明させていただきました。
今回のコラムではPFOS及びPFOAへの対応等についてご説明させていただきます。

PFOS及びPFOAへの対応

国際的な条約

予防的な取組方法の考え方に立ち、国際的な条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs 条約))に基づき、PFOSは2009年に、PFOAは2019年に廃絶等の対象とすることが決められています(2022年にPFOSの一代替物質であるPFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)も廃絶の対象となりました)。当該条約を締結する日本でも、国内担保措置として「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」に基づき製造・輸入等を原則禁止しています(PFOSは2010年、PFOAは2021年)。
なお、消防機関のほか、石油コンビナート、基地、空港などの施設の消火装置で使用する泡消火薬剤で、国内法令で規制される前に製造されたものには PFOS、PFOA を含有するものがありますが、これらについては、国が定めた基準に従って、漏れることのないよう保管し、万が一漏れた場合には回収する等、厳格な管理が義務付けられています。

 

国内の規制

 

厚生労働省では、水道水について、2020年にPFOS、PFOAを水質管理目標設定項目に位置付け、当時の科学的知見に基づき安全側に立った考え方を基に、PFOSと PFOA合算値で0.00005 mg/L以下(=50 ng/L以下)とする暫定目標値を定めており、飲料水中の PFOS、PFOAが暫定目標値を超えることがないように水道事業者等による管理をお願いしています。環境省においても同様に、公共用水域や地下水における暫定目標値としてPFOSとPFOA合算値で0.00005 mg/L以下(=50 ng/L以下)と定めています。

 

水質の暫定目標値の取り扱いの検討

PFOS、PFOAの毒性評価情報の収集、検出状況の把握を進めるとともに、WHO(世界保健機関)、USEPA(米国環境保護庁)等における動向及び食品安全委員会における検討も踏まえて、「PFOS・PFOAに係る水質の目標値等の専門家会議」※1及び「水質基準逐次改正検討会」※2においてPFOS 、PFOAの水質の暫定目標値の取り扱いを引き続き検討する必要があります。

 

※1:公共用水域及び地下水における指針値(暫定)の取り扱いを検討するため、環境省に設置
※2:水道水質基準の逐次改正等を検討するため、厚生労働省に設置

 

PFAS(水質、血液、畜水産物)

 

 

次回、【PFAS】暮らしの中のQ&A(フッ素コーティング製品及び水質編)
についてご説明させていただきます。

 

参考文献;
>>環境省ホームページ:有機フッ素化合物(PFAS)について

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