検便検査でサルモネラ陽性になったら出勤停止!?|サルモネラ陽性時の対応について解説
調理従事者や調理実習で衛生管理の一環として、検便検査を受ける方が多いと思います。
その中で、「サルモネラ陽性」という結果を受け取ることは稀ですが、いざ陽性連絡を受けたとき、「何をしたらいいの?」「働けるの?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、サルモネラ陽性時の対応や注意点について、わかりやすく解説します。
目次
サルモネラ陽性でも出勤停止になる?
検便検査でサルモネラ陽性となっても、必ずしも出勤停止になるわけではありません。ただし、調理業務への従事は控えるべきとされています。
一方で、チフス菌やパラチフス菌が検出された場合は、これらは感染症法の「三類感染症」に分類されており、出勤停止の対応が必要です。
なぜ調理業務を控える必要があるの?
サルモネラの感染経路は主に、汚染された水や食べものを摂取することによる経口感染です。調理従事者がサルモネラを保菌している場合、食材や調理器具を介して、2次感染を引き起こす可能性があるため、サルモネラ陽性と判明した場合、調理業務及びその関連業務(発送等)から離れる必要があります。
サルモネラ陽性になった場合、いつまで調理業務から離れるべき?
検便検査でサルモネラ陽性となった場合、「検便検査で陰性が確認されるまで」は調理業務に従事しないことが望ましいです。
サルモネラ感染による症状は、通常数日で回復しますが、症状が治まったあとも便から菌が排出され続けることがあります。回復後も1〜4週間ほど菌を排出することがあります。
したがって、検体採取から約1週間後を目安に再検査を行い、陰性が確認されてから調理業務に復帰することが望ましいです。
※施設によっては2回連続の陰性確認を求める場合もあるため、各施設のマニュアルに従いましょう。
サルモネラ陽性時の対応フロー
2. 陽性者本人に連絡
3. 調理業務には従事させないよう指示
4. O2群またはO9群(チフス菌・パラチフス菌の疑い)→ 出勤停止
※ 確認検査の結果、チフス菌・パラチフス菌の場合は、保健所への報告が必要
O2群またはO9群以外(非チフス性サルモネラ) → 調理業務から離れる
5. 再検査で陰性確認後に復帰
サルモネラ陽性の連絡を受けた際に「チフス菌またはパラチフス菌」または「非チフス性サルモネラ」によって対応が異なります。
弊社ではまず、陽性連絡をご担当者の方へご報告させていただきます。ご担当者の方は速やかに陽性者の方へお知らせし、調理業務に携わらないようにしてください。
また、非チフス性サルモネラの場合は、就業規則や保健所への届け出等の義務はありませんが、チフス菌、パラチフス菌は3類感染症、「特定の職業への就業によって感染症の集団発生を起こし得る感染症」と考えられていて、感染した際は保健所への届け出が必要です。医療機関で、チフス菌またはパラチフス菌と判断された場合、感染症法に基づき医師から保健所に報告されます。検便検査の結果が、チフス菌、パラチフス菌となった場合は、速やかに医療機関へ行き、医師の指示に従いましょう。
サルモネラが陽性時の対応の一例
サルモネラ陽性時の一例をご紹介させていただきます。陽性時の対応は、施設ごと対応が異なる場合がございますので各施設のマニュアルをご確認ください。
サルモネラ感染は自然に治る?
サルモネラ感染は、ほとんどの場合自然に治癒します。しかし、サルモネラ感染後、便からサルモネラが排出さることがあります。個人差はありますが、多くの場合、回復後も1〜4週間ほど菌を排出することがあります。
なぜ再検査でも陽性が続くことがあるの?
多くの場合、サルモネラ感染は自然治癒しますが、次の場合自然治癒しないことがあります。
以下のような理由で、サルモネラが長期間排出されることがあります:
ペットの影響
カメやトカゲなどの爬虫類、鳥類はサルモネラを保菌していることがあり、接触後の手洗い不足で再感染する可能性があります。
胆石の存在
胆石があると、胆嚢に菌が残存し、抗菌薬が効きにくくなり、排菌が長引くことがあります。
症状がないのにサルモネラ陽性になることもある?
嘔吐や下痢などの症状がなくてもサルモネラ陽性になることがあります。
このことを「不顕性感染」といいます。不顕性感染でも感染を広げてしまうため、調理業務から離れる必要があります。
サルモネラ感染症の治療法について
一般的には、嘔吐・下痢などの胃腸炎症状では、整腸剤の服用と水分補給による対症療法が行われます。
ただし、以下のような場合では抗菌薬による治療や経過観察が必要とされています。
まとめ
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