水道水は危険で体に悪い?含まれる汚染物質や化学物質は?

毎日、何気なく使っている水道水。料理に使ったり、直接飲んだり、私たちの生活には欠かせないものとなっています。
一方で、「本当に安全なの?」「何か変なものが入っているのでは?」といった疑問を感じることもあるのではないでしょうか?
 
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日本の水道水は世界トップレベルの安全品質

日本の水道水の安全性は、水道法という法律によって厳しく定められています。
そのため、日本の水道水は世界的に見ても非常に高い安全基準を満たしており、安心して飲めるよう徹底的に管理されています。
この水道法に基づき、水道水には「水質基準項目」と「水質管理目標設定項目」の大きく分けて2つの評価軸があります。
 
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水質基準項目(51項目)

これは、水道水の安全性確保のために必ずクリアしなければならない法的基準です。
一般細菌や大腸菌をはじめ、ヒ素や水銀など51項目が指定されており、満たすべき濃度基準などが定められています。

水質管理目標設定項目(27項目)

これは、さらなる水道水の安全性を高めるために水質管理上留意すべきとされる項目です。
例えば、農薬や、2026年4月より「水質基準項目」へと位置づけが変更となるPFAS(有機フッ素化合物)などが該当します。
法的義務ではないものの、多くの水道事業者がこの目標値も参考に水質管理を行っています。
 
 

水道水から検出される可能性のある「汚染物質」や「化学物質」は?

日本の水道水は、水道法によって世界的に見ても非常に高い安全基準に基づいて管理されています。
一方で、それでも微量の「汚染物質」や「化学物質」が検出されることがあります。
では、水道水から検出される汚染物質や化学物質には、どのようなものがあるのか見ていきましょう。
 

トリハロメタン

水道水を消毒するために使用された塩素と、原水(浄水場で処理される前の自然状態の水)中の有機物が化学反応を起こすことで生成される「消毒副生成物」です。
水道法により、基準値が定められており、クロロホルム・ ジブロモクロロメタン・ブロモジクロロメタン・ ブロモホルムの4種類からなる総トリハロメタンの基準値は、0.1 mg/L 以下となっています。
「クロロホルム」と「ブロモジクロロメタン」については、人に対して発がん性を示す可能性がある物質とされています。
 

特に古い建物では鉛製の給水管が使用されている場合があり、鉛が水道水に溶け出す可能性があります。
鉛は人体に蓄積されやすく、長期間にわたり体内に取り入れられることにより、腎臓、肺、肝臓に障害を生じさせることで知られています。
基準値以下であれば健康に影響はないとされていますが、なるべく摂取量を低くおさえることが重要です。
 

ヒ素・フッ素・ホウ素

自然由来の要因によって、ヒ素・フッ素・ホウ素が検出される可能性があります。
特に、ヒ素は毒性が非常に強いです。
これらの物質は、摂取量や濃度によっては健康に害を及ぼす可能性がありますが、水道法で定められた基準値以下であれば、健康に悪影響を及ぼすリスクは低いと考えられています。
 

PFAS

近頃、特に注目されているのが、PFAS(有機フッ素化合物)です。
かつては撥水加工品や泡消火薬剤などに広く使用されていました。
人体への影響については、コレステロール値の上昇や発がん、免疫系統と関連が報告されています。
PFASのなかで特に代表的な物質である、PFOSとPFOAについて、国は「水質管理目標設定項目」に位置付けをし、PFOSとPFOAの合算値50ナノグラム/Lを暫定目標値として定めています。
 
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「水質基準項目」へ移行| 2026年4月1日よりPFAS検査義務化

これまで「水質管理目標設定項目」であったPFOSとPFOAについて、2026年4月1日より、法的拘束力のある「水質基準項目」に移行されます。
この改正により、水道事業者には3カ月に一度、PFOSおよびPFOAに関する定期的な水質検査の実施が義務付けられます。
これまで国は、PFOSとPFOAの合計値を1リットルあたり50ナノグラムとする暫定目標値を設けていましたが、これは法的拘束力のないものでした。
今後は、この暫定目標値が法的拘束力をもつ水質基準へと変更されます。
これにともない、水質検査でPFASが基準値を超えて検出された場合、水道事業者は改善措置を講じることが求められるようになります。
 

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マイクロプラスチック

水道水へのマイクロプラスチックの含有が指摘されています。
これらは主に、プラスチック製品の劣化やごみが細かくなったものが、水源である河川や湖沼に流入したり、あるいは水道管に使用されるプラスチック自体が劣化・摩擦して水に混入したりすることで発生します。
現在、長期的な健康影響については解明されていない点も多く、研究が進められています。
 
 

過度に心配せず、正しい知識をもとう

日本の水道水は、水道法に基づく厳格な管理体制によって、世界トップクラスの安全性を誇っています。
一方で、ご紹介したような「汚染物質」や「化学物質」が検出されることがあります。
特にPFASに関しては、近頃基準値超えの検出が多数報告されており、また、2026年4月1日より法的拘束力のある水質基準項目に移行となります。
水道水について、過度に心配しすぎるのではなく、正しい知識をもつようにしましょう。

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