群馬県の水質事情について解説!

群馬の水は本当にきれいなのか〜水質事情とその基準を探る〜

雄大な山々と豊かな自然、そして草津や伊香保などの名湯で知られる群馬県は、「水の郷」とも言えるほど清らかな水に恵まれています。ですが、実際のところその水質はどうなのでしょう。今回は群馬県の水質事情を、国の定める水質基準と照らし合わせながら見ていきます。
 

群馬の水源

群馬県の水源は、主に利根川水系をはじめとする山間部の河川や地下水です。県内ではおよそ7割の水道水が地下水から利用され、これは全国的にも高い割合です。地下水は地層によって自然にろ過されるため、比較的清潔で安定した水質が保たれています。
 

水質の評価基準とは

水質を判断するには、「水道法」に基づく水質基準(51項目)をクリアしているかどうかが鍵です。
水質基準は大きく分けて①有害物質の含有量②微生物の有無③化学物質の残量④水の外観や味の4つに分類されます。以下に代表的な基準項目をいくつか出してみました。
 

項目基準値役割・意味
一般細菌<100CFU/ml菌の指標
大腸菌検出されない安全性の重要指標
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素<10 mg/L肥料や生活排水の影響を受ける
0.01 mg/L古い配管などに由来することがある
トリハロメタン(総量)0.1 mg/L消毒副生成物で発がん性の懸念あり

 

群馬県の水質事情

県が発表している水質検査結果(例:2023年度)によると、多くの地域で水質基準を十分に満たしており、良好です。特に地下水を利用している地域では、濁りや臭気も少なく、味の評価も高い傾向があります。
ただし一部の地域では、硝酸態窒素の値がやや高くなる傾向があり、これは農業地帯での肥料の流出が関係しているのではと考えられており、注意が必要です。
また群馬といえば温泉が有名ですが、実は温泉地では、硫黄や鉄分などが水道水に混入する恐れもあります。たとえば硫化水素臭が出るケースでは、臭気基準(3臭気単位以下)を超えることもあります。これに対応するため、多くの自治体では高度浄水処理やブレンド供給を行っています。
 
参考
>>厚生労働省:食品、添加物等の規格基準 (昭和34年厚生省告示第370号)
>>群馬県:水質基準等について
>>群馬県:令和5年度群馬県水質監視結果(概要)
 
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