馬刺しの安全性について

先日、会社の同僚とその家族も交えて馬肉料理を楽しみに行ってきました。
しゃぶしゃぶ、ハンバーグ、そして新鮮な馬刺しまで堪能できて、大満足の食事でした。筆者の大好物である馬刺しを、隣に座る4歳の息子にも味わってほしいと思った反面、「馬刺しって本当に安全なのかな?」という疑問も頭をよぎりました。
生で食べるお肉って、やっぱりちょっと不安もありますよね。そこで今回は、馬刺しを安全に楽しむために知っておきたいポイントをご紹介します。
 

馬肉はなぜ生で食べられるのか?

馬は反芻動物ではないため、腸管出血性大腸菌O157やカンピロバクターなどの食中毒菌を保有するリスクが比較的低いとされています。さらに、馬肉は他の食肉と異なり、生食を前提とした厳格な衛生管理が行われているため、食中毒のリスクを最小限に抑えた状態で流通しています。これらの理由から、馬肉は生食(馬刺し)に適した食材として広く親しまれています。
 
しかし、生で食べられるからといって、リスクが全く無いわけではありません。
 

馬刺しと寄生虫のリスク

馬肉を生食する際に注意が必要なのが、以下のような寄生虫感染のリスクです。
 

トキソプラズマ(Toxoplasma gondii

この寄生虫は、猫を終宿主とし、多くの哺乳動物を中間宿主とします。馬も感染することがあり、人がその生肉を介して感染すると、発熱やリンパ節の腫れなどの症状が出ることがあります。妊婦が感染した場合には、胎児への影響が生じる可能性もあるため、特に注意が必要です。
 

サルコシスティス・フェアリー(Sarcocystis fayeri

この寄生虫は、犬を終宿主、馬を中間宿主とし、馬の筋肉内に寄生します。人には寄生しませんが、大量に寄生した馬肉を生で食べると、一過性の腹痛、下痢、嘔吐などの消化器症状が起きることがあります。ただし、症状は軽度で、数時間〜半日で回復することがほとんどです。
 

リスクを減らすために

これらの寄生虫は、

−20℃以下で48時間以上の冷凍処理

十分な加熱処理

によって死滅します。信頼できる販売業者では、このような処理を経た馬肉を提供しており、リスクは適切に管理されています。
 

安全な馬刺しの条件

  • 衛生管理が徹底された施設で安全に処理・加工されていること。
  • 寄生虫対策として−20℃以下で48時間以上の冷凍処理がされていること。
  • (厚生労働省の通達により義務付けられています。)

 
馬刺しは、とろけるような舌ざわりとクセのない旨味で人気の高い生食肉です。高タンパク・低カロリーで栄養価も高く、健康や美容の面からも注目されている食材のひとつです。
衛生管理がしっかりされているため比較的安全とされていますが、ごくわずかに寄生虫などのリスクもあるため、小さなお子さんや妊婦さん、ご高齢の方、免疫力が低下している方などは、生ではなく加熱して食べることをおすすめします。
 

おすすめの馬肉料理(加熱調理)

しゃぶしゃぶ、ステーキ、ハンバーグ、メンチカツ、餃子、串焼き(焼き鳥ならぬ焼き馬?)、カレー、スタミナ炒め、燻製
 
馬肉のしゃぶしゃぶ(桜鍋)は胃がもたれないので40代の筆者でも無限に食べられましたが、痛風にならないように食べすぎには注意しましょう。
ちなみに、私の息子は馬刺しには見向きもせず、ひたすら馬肉の燻製を食べていました。
 

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