マイコプラズマ肺炎に感染したら学校や園は出席停止?登校・登園再開の基準|大人は出勤停止?

マイコプラズマ肺炎の感染者数は9月以降増加傾向にあり、全国的に高い水準での推移が続いています。
マイコプラズマ肺炎は、発熱や長引く咳が特徴ですが、初期症状が風邪やインフルエンザと似ているため、診断が遅れるケースが見られます。
特に幼児から若年層の感染を中心に流行していますが、全世代で注意が必要です。
咳が続く場合は単なる風邪と自己判断せず、医療機関を受診することが重要です。

 

マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)」とよばれる細菌を原因菌として引き起こされる呼吸器感染症で、主に幼児から若年層の感染が中心となっています。
日本では通年で発生していますが、特に秋から冬を中心に増加する傾向にあります。

 

マイコプラズマ肺炎の症状

マイコプラズマ肺炎の症状

 

感染すると、発熱、倦怠感、頭痛、そして咳などの症状が現れます。
咳の症状は少し遅れて始まることもあり、熱が下がった後も咳が3~4週間と長期にわたって続くのが最大の特徴とされています。
感染者の多くが気管支炎といった軽い症状で済むとされていますが、一部では肺炎に進行したり、中耳炎、心筋炎、髄膜炎などの合併症を併発することがあります。
主な感染経路は、咳やくしゃみによる飛沫感染や、感染者と接触することによる接触感染とされています。

 

マイコプラズマ肺炎の治療法

マイコプラズマ肺炎に感染した場合、マクロライド系などの抗菌薬で治療がおこなわれます。
治療は、再発を防ぎ菌を確実に除去するため、医師の指示に従い、処方された抗菌薬を最後まで飲み切ることが非常に重要です。服薬期間は通常1週間程度とされています。
また、マクロライド系抗菌薬が効かない「耐性菌」も存在するため、薬を飲んでも症状が改善しない場合は、別の種類の抗菌薬に変更して治療がおこなわれます。
ほとんどの人は軽症で済みますが、呼吸困難などの重症化の兆候がある場合は、入院して酸素投与やステロイド薬の投与などの集中治療が行われます。
 

マイコプラズマ肺炎に感染したら登校・登園できる?出席停止?

マイコプラズマ肺炎は、学校保健安全法の「第三種の感染症」に分類され、出席停止の明確な基準は定められていません。
そのため、症状が軽快したら登校・登園が可能となります。
ただし、学校や園で独自のルールを設けている場合もあるため、確認が必要です。

<登校・登園を再開する基準>

基本的に、登校・登園を再開できる明確な基準は定められていませんが、以下の点を目安にしましょう。
症状が軽快しているのか不安な場合は、医師に相談しましょう。
 
マイコプラズマ肺炎 登校・登園再開基準
 
〇発熱がおさまり、全身状態が良好である (解熱して2日程度たっている)
〇咳が軽減している
〇食欲がもどっている
 

マイコプラズマ肺炎に感染したら出勤していい?出勤停止?

大人がマイコプラズマ肺炎に感染した場合、法律的に、出勤停止期間は定められていません。
そのため、出勤を控えるかどうかは、個人の判断に委ねられます。
ただし、勤務先企業の就業規則で出勤停止期間や基準が定められている場合は、それに従う必要があります。
他の人へ感染を拡げないためにも発熱や咳などの症状があり、体調が万全でない場合、可能な限りお休みをするようにしましょう。
 

マイコプラズマ肺炎に感染しないために

マイコプラズマ肺炎の感染予防には、新型コロナウイルスやインフルエンザと同様、手洗いやうがい、マスクの着用が効果的です。

正しい手洗い

帰宅時や調理の前後、食事前、感染者のお世話後などは、必ず手洗いをする習慣をつけましょう。
手洗いの際は、石けんを使用して正しい方法で手を洗いましょう。
効果的な手洗い技(2回洗い、合掌水切り)について、以下動画でご紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

 

マスク着用

やむを得ず人混みへ外出する際には、不織布マスクを着用しましょう。
また、不織布マスクは必ず毎日新しいものに交換し、衛生的に着用することが大切です。
同じマスクを連日着用すると、マスクの内側に食中毒菌などの菌が繁殖してしまうことがあり、不衛生です。

 
マスクに関する検証について、以下動画でご紹介しています。

 

殺菌試験を実施しております

食環境衛生研究所では、原因菌であるMycoplasma pneumoniaeを使用した殺菌試験を実施しております。
液体サンプルや材質表面等、多様な検体に対して対応が可能です。
求める効果やご予算に応じて最適な試験内容をご提案いたします。
 

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