【JFS-B規格】HACCP 手順7 (原則2) 重要管理点の設定』について

>>【食品コンサルティング】
 
本要求事項は、重要管理点(CCP)を決定しなければならない。となっております。
 
「重要管理点(CCP)の設定」は、食品安全マネジメントシステムの中でも極めて重要な要素です。この段階では、前工程で特定された危害要因の中から、食品安全を確実に守るために管理しなければならない工程を明確にします。単なる危害要因のリストアップではなく、「どの工程を管理しなければ製品の安全性が保証できないか」を論理的に導き出すのがポイントです。
 
まず、危害要因分析で特定された危害(生物物的、化学物的(アレルゲンも含む)、物理的)に対して、それが実際に「発生しうるか」「重大な影響を与えるか」を評価します。そのうえで、CCP決定の際には「意思決定ツリー(Decision Tree)」などの体系的手法が活用されます。例えば、「その危害はこの工程で確実に管理できるか」「以降の工程で除去・低減できるか」などの問いに答えていくことで、CCPであるか否かを客観的に判断します。
 
また、CCPは必要最小限に絞ることも重要です。過剰に設定すると管理が複雑化し、逆に見落としや形骸化のリスクが高まります。一方で、設定が不十分であれば食品安全事故を防げません。このバランスを適切に取ることが、JFS-B規格におけるHACCPの実効性確保に直結します。
 
CCPは複合的に設定し、リスクを制御する場合もあります。
 
例)食肉製品(加熱 × 冷却)

危害要因サルモネラ、リステリア、ウェルシュ菌
制御方法 加熱工程で中心温度75℃・1分以上(サルモネラ・リステリアを死滅)
その後、急速冷却工程で2時間以内に10℃以下(芽胞菌の増殖を抑制)
ポイント加熱だけでリスクをゼロにできない場合があり、加熱+冷却を組み合わせて安全性を確保。

 
手順7の本質は「危害を確実に抑え込む“最後の砦”を決めること」になります。
次回はHACCP 手順8 (原則3) 許容限界の設定になります。
 
JFS規格の概要はこちら → 『JFS-A/B規格コンサルティング・適合証明
 

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