猫に牛乳はNG?乳糖不耐症と正しい水分補給

「猫=牛乳好き」というイメージは根強いですが、実際には多くの猫に牛乳は不向きです。
主な理由は乳糖不耐症。猫は乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が少なく、牛乳を飲むと下痢・嘔吐・腹部不快を引き起こしやすくなります。特に成猫で顕著で、継続摂取は腸内環境の乱れや脱水につながることもあります。
さらに猫は元来、砂漠起源の動物。喉の渇きを感じにくく、放っておくと慢性的な水分不足に陥りがちです。水分不足は尿路トラブルや腎臓への負担増と関係し、日本でも腎臓病が主要な死因とされる背景には、この体質が関わっています。だからこそ、毎日の「水分ファースト」のケアが重要です。
 

今日からできる水分補給のコツ

  • ウェットフードを活用:水分含有量はおおむね70%以上。主食やトッピングとして取り入れる。
  • “流れる水”を用意:循環型の自動給水器は好奇心を刺激し、飲水量アップに有効。
  • 器の数と置き場所を増やす:静かな場所に複数設置。素材(陶器・ステンレス)や器の深さも好みを観察。
  • スープ仕立ての補助食:無塩・無香辛料の猫用スープやウェットを水でのばして与える。
  • フードの切り替えは段階的に:急な変更は胃腸負担。1~2週間かけて移行。

 

どうしても牛乳を与えたい場合は?

与えるなら「猫用ミルク」一択です。乳糖を分解または乳糖不使用で作られており、下痢リスクを抑えられます。嗜好性が高いため、投薬時の補助やおやつとしても便利です。ただし総量は控えめにし、主たる水分源は水であることを忘れないでください。
 

まとめ|腎臓を守る“水分ファースト”

牛乳は猫にとって安全な標準飲料ではないことを理解し、水・ウェットフード・給水環境の三本柱で飲水量を底上げしましょう。日々の小さな工夫が、腎臓の健康と長寿につながります。昔のイメージではなく、科学的根拠に基づくケアを心掛けることが、最良の愛護です。
 
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