「衛生教育」について

当社は県内や近県の食品会社と衛生コンサルタント契約を結び、科学的手法(微生物学的検査・機器分析)を用いながら従業員の「衛生教育」を行っています。食品事故をなくし、品質の高い食品を作るには、作る現場での従業員の衛生意識の改善が最も重要です。

 

以前私はトップに改善すべきポイントを伝え、トップダウンで現場に指示するやり方を行っていました。規模が小さかったり、組織がきちんと機能している会社ではこのやり方で通用しましたが、実際に担当していたほとんどの会社が中規模以上の会社であり、組織も未発達の会社が多く、指示・改善を提案しても途中で断線し、現場まで声が届かなかったり、現場からの声も私の耳まで届かなかったり、で上手くいきませんでした。

 

そこでISO 9001 等のマネージメントシステムを研究し、トップには組織機能の発達を促しながら、現場へ直接指導することをメインにするやり方に切り替えました。このやり方は時間と労力はかかりますが、従業員たちと直接コミュニケーションをとりながら、継続的に「衛生教育」することで意識の高まりを強く感じました。

 

結局現場が物づくりの主体になるわけですから、当たり前といえば、当たり前な結果です。「会社は人なり」です。良い会社は、良い人材に恵まれているわけではなく、良い人材に育成する会社だと思います。育成するといっても「従業員教育」に王道があるはずも無く、「対話をすること」と「実践をすること」を繰り返すことが重要であり、一方的に押し付けたり、言うだけで実践してみせない方法では育成になりません。

育成する側にも試行錯誤が必要なわけです。バブル時代に大量雇用し、ふるいを掛ける手法をとった会社は、バブル時代のように余剰人員を抱えるほどの資金的余裕も無いのが現在であり、この先は少子化も進み、限られた人材資源を有効に活用する為に、ますます「従業員教育」が見直されるに違いありません。

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